年頃の恋人

時刻(time):2022-02-02 17:27源泉(Origin):net 著者(author):admin
悦子は困っていた。 結婚してから十数年。歳の差が10も離れた夫は40過ぎた辺りから、めっきり夜の営みが少なくなってきた。 いや、最近ではまったく…。 しかし、悦子はま

悦子は困っていた。

結婚してから十数年。歳の差が10も離れた夫は40過ぎた辺りから、めっきり夜の営みが少なくなってきた。
いや、最近ではまったく…。

しかし、悦子はまだ36歳だ。まだまだ、体を持て余す牝(オンナ)であった。毎日の様に体が疼き、男とも触れ合いたい。もう、悦子は我慢が出来ないでいた。だから、悦子は思いきって出会い系に登録をしてしまう。

結果は意外な事にすぐに20代後半の男とメールのやり取りをする事になった。

悦子はじっくりと相手に気取られない様にメールを送る。ただ、節操無しに体の火照りを治めるだけでは駄目だ。少しでも愛のあるセックスがしたい。その為に相手がどんな男か知る必要があった。

そして、一週間後。待ちに待った相手の男との約束の日。事前の準備は万全である。相手の男の人間性も、優しく紳士な男だという事も悦子はメールのやり取りで確かめていた。
そして、夫への配慮も完璧。夫は昨日からいつもの出張だ。一週間はまず帰って来ない。

悦子はさっそうと約束した待ち合わせの場所へと車で向かう。移動は悦子が担う事になっている。待ち合わせ場所で相手の男と出会い。そして、そこから悦子の車でホテルへと向かう。そういった段取りであった。

と、悦子は車を停め、駅前の小さな公園のベンチに向かう。そこに相手の男が待っているのだ。

「……えっ?」

だが、悦子は目の前の光景に驚きの声をあげてしまう。確かに男は待っていた。メールに書いてあった通りに黒のシャツにジーパンといったラフな格好。そして、悦子が目印として指定した赤いハンカチを腕に巻いている。
だが、その男の姿はどう見ても10代の中高生。とても、20代後半の男には見えない。

「……あ」

どうやら、少年も悦子に気が付いた様だ。反応からして、やはり、この少年がメールの相手である男に間違いない様である。

お互いがお互いに相手の顔が見える状態。悦子は困ってしまう。これでは話が違う。いくらなんでも成人もしていない少年と行為に至るなんて…。悦子は、ここに来てガックリと肩を落としてしまう。

「…あ、あの、嘘ついてゴメンなさい。でも、僕…ちゃんと…ちゃんと出来ますから…」

そう言うと少年はギラギラとした瞳で悦子の姿を見つめる。どうやら、彼は諦めてはいない様であった。

~続く~

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