この話は続きです。はじめから読まれる方は「和子という女」へ
「四郎さん待って・・・身体洗ってから」
私は焦らすように
「部屋で待ってて、すぐ行くから」
そう言うと四郎さんはうなずきながら
「ああ待つよ・・・姉さんお願いがあるんだけど・・・・」
「何・・・」
四郎さんは恥ずかしそうに
「姉さんの喪服姿とても綺麗だった、その姿で来てくれませんか・・」
「ええっ・・・そう・・わかったわ」
そんな趣味があるのでと思いました。
私は、湯船に浸かりながら身体が火照ってくるのを感じました
入念に身体を洗うと満更でもない自分の裸体を鏡に映しながら浴室を出たのでした。
部屋に戻り襦袢と喪服を羽織ると四郎さんの待つ部屋に向かったのです。
片田舎の農村地帯、深夜には明かりもなく深い眠りについています。
静かに四郎さんの部屋を開けると、スタンドの薄明かりに背を向けて横になる四郎さんの姿があったのです。
つづく「和子という女6」へ