この話は続きです。はじめから読まれる方は「女優」へ
その日は女優坂口貴子初の濡れ場シーンということで、スタッフも皆ピリピリしていた。貴子さんも朝から一言も喋らない。貴子さん演じる京子はレズビアンである理子の自由奔放な生き方に憧れ、それは愛情へと発展していく。
理子も京子のひた向きさに惹かれていき、二人は人里離れた温泉宿に泊まることになった。そこで二人が初めて結ばれるシーンだ。
「シーン49、スタート」
「・・・」
「京子さん、そんなに緊張しないで。私に任せて」
「きっとこうなると予感してた。でもいざその時になると、こんなにもドキドキして心臓が破裂しそう。やっぱりなんだか怖い」
「大丈夫。ほら、私もこんなにドキドキしてる。京子さんと一緒。でも今は京子さんがほしい。愛し合いたい」
私は貴子さんの手を取り、浴衣の上から自分の胸に押し当てた。そして目を閉じ貴子さんの唇に触れるか触れないかぐらいに唇を合わせた。そして2度3度唇の柔らかさを確かめるように触れてからキスをした。貴子さんもそれに応えるかのように身体を密着させ唇を吸ってきた。浴衣の上からでもその豊かな胸がわかる。私は貴子さんの口に舌を入れ夢中になってキスをする。貴子さんは頬を赤らめ、その鼓動が伝わってくるようだった。
「京子さん、京子さんの全てを見せて」
いよいよ、坂口貴子の全裸がお披露目される。浴衣が肩からスッと落ちて、その均整のとれた身体が露になった。(綺麗、こんな理想的な身体ははじめて見た。まるで女神のよう)
私はあまりの美しさに一瞬演技を忘れた。
「・・・なんて綺麗なの」
「恥ずかしいわ。そんなにじろじろ見ないで」
私は理子としてこの身体を抱くんだと必死で自分を理解させていた。それほどまでに貴子さんの身体は私を魅了した。
今度は私が浴衣を脱ぐ番だった。これ程までに美しい裸体を前に自分の裸を晒すのに正直抵抗を感じたが、演技に集中するよう自分に言いきかせた。全裸になった私は貴子さんの腰に手をやり引き寄せる。見つめあいながらお互いの乳首と乳首がじゃれ合う様に擦り合わされ身体がビクンとなる。