女優 4

時刻(time):2022-06-03 13:38源泉(Origin):net 著者(author):admin
この話は続きです。はじめから読まれる方は「女優 」へ その日の夜私は貴子さんのマンションに呼び出された。貴子さんはシャワーを浴びたのか、バスローブ姿だった。 いきなり

この話は続きです。はじめから読まれる方は「女優」へ

その日の夜私は貴子さんのマンションに呼び出された。貴子さんはシャワーを浴びたのか、バスローブ姿だった。
いきなりきつい口調で言われた。

「貴女は誰?」

「・・・里崎りかで・・」

「違う。貴女は理子、古谷理子よ。今日のシーン、貴女は自分を出しすぎていた。貴女は坂口貴子に欲情していたわ。それではだめ。女優になりなさい」

「・・・」
思い当たるところはある。貴子さんの厳しい言葉に反論できず押し黙っていた。

「きっとこうなると予感してた。でもいざその時になると、こんなにもドキドキして心臓が破裂しそう。やっぱりなんだか怖い」

ハッとした。例のシーンの冒頭のセリフ。目の前には女優坂口貴子ではなく、真島京子がいた。

「大丈夫。ほら、私もこんなにドキドキしてる。京子さんと一緒。でも今は京子さんがほしい。愛し合いたい」

私は貴子さんに引っ張られるように理子になりきった。そして理子として京子を愛した。

「いやっ、そこはダメェ、恥ずかしい」

「京子さん、私に全て任せて。京子さんのココも私に見せて」

京子のおま〇こにそっとキスをした。

「京子さんきれい。ここすごく濡れてる。うれしい」

「やん。恥ずかしい。あまり見ないで」

「はあ~ん。感じる。すごく気持ちいい。ああ~」

一生懸命、京子が気持ち良くなるよう心を込めて舌でアソコを舐め回す。

「ああ~、だめっ、そこ気持ちいい、やめないで、愛してる理子、あああ~」

一際大きく喘ぎ声をあげて京子がエクスタシーに達した。
本番ならここでカットが入る。私は足の間から頭を上げ里崎りかに戻った。貴子さんの白い肌が紅潮しエロティックに見えた。

「はあ、はあ、はあ、今のすごくよかったわ。はあ、私達は女優。カメラの前では本気で役になりきりなさい。はあ、はあ、本気で京子を愛すの。それが出来れば貴女も一人前の女優よ」

「はい。貴子さんの本気の演技、勉強させてもらいました。私こんな風に役になりきれたの初めてです。ありがとうございました」

「くくく、貴女、本当にいい娘ね。私ね、正直言うと今日、本番中乱れていたのは自分もなの。だって貴女すごく上手いんだもの。つい自分になって感じてしまったわ。京子を演じきるのに必死だったの。貴女は貴女で自分をむき出しにするし。それで撮影を中断したの。お互いのために予行演習が必要だろうってね」

私は顔が真っ赤になった。自分の演技の未熟さを指摘されたことより、すごく上手いと言われたことに照れた。

「ねえ、もう一回予行演習しない?今度は坂口貴子と里崎りかとして。これからの二人のために」

(えっ)言っている意味が解らなかった。

「知っているわ。貴女、私生活でもレズビアンなんでしょ」

「・・・」

「もうっ、私達つきあわない?って言っているの」

「えっええええ~」

「あら、そんなに驚くことじゃないじゃない。人がせっかく勇気出して告白してるのに」

「だっ、だって私なんかと貴子さんが釣り合うはず無いのに、つっ付き合うって想像もしていなかったから」

さらに顔が真っ赤になってもじもじしていた。

「私は別に同性愛者ではないわ。でも貴女とだったら悪くないわ。貴女かわいいし、健気だし、女性同士の愛情もなんとなく解るなあって思えるの。貴女そっちのほうも上手いみたいだし。これ以上私に言わせるの?」

貴子さんは甘えるように全裸のまま私に擦り寄ってきた。

「いえ、あの、その~、すっ好きです、貴子さん」

私は貴子さんの頭をつかんで荒々しくキスをした。そしてそのままベッドに押し倒し抱き合った。

「あん、感じるわ、りか、いいわ、素敵よ」

「貴子さん、すごくやらしくて綺麗」

私達はお互いの感じるところを指で口で胸で足でアソコで愛撫し合い全身で愛し合った。夢のようだった。

「ああ~いくう、すんごい、もうだめぇ~」

「気持ちいいい、やあああ、いっくううう」

私達は体力の続く限り、お互いをむさぼり、果てしなく気をやり続けた。

「こんな感じたの初めて。女同士ってすごいのね。しばらく動けそうにないわ」

「私もこんな濃密な時間を過ごしたのは初めてです。すっごく幸せです」

こうして私達は付き合いだした。秘かに愛し合い充実した時を過ごした。山口からの誘いも体調のせいにして断り続けていた。
オフには人目を忍んで遊園地にデートなんかもした。
お互い逝きつかれて添い寝していた時、貴子さんが真剣な眼差しで口を割った。

「りかは本当に上手ね。私はまだどうすればりかが気持ちよくなってくれるのか、よく判らないわ」

「そんな、私すっごく気持ちいいです。貴子さんに触ってもらえるだけで感じます。すごく幸せです」

本心だった。お互いの魂同士が触れ合うような満ち足りた時間は決して山口では味わえなかった。しかし次の瞬間、
貴子さんの口から意外な言葉が聞かれ私は奈落の底に突き落とされた。

「山口久子よりもよかった?」

「えっ」

どうして貴子さんが山口の名を?気が動転して目の前が真っ暗に感じた。

「貴女、オーディション実力で受かったと思っているの?貴女は最初から受かることになっていたのよ。全て山口が裏で糸を引いていたの。山口がレズだというのはこの業界では有名な話よ。私も新人の頃はよく言い寄られたわ。私はその趣味があった訳でないし、強い事務所もバックにいたしね。うまくはぐらかせた。そんな山口のお気に入りの娘が貴女。皆あなた達二人の関係がレズだということは知っているの。最初この映画のオファーが来たとき正直いやだった。山口と仕事はしたくなかった。でも本はすごくよかった。私のヌードもこの作品でなら輝く、そう思ったの。だから引き受けた。でも相手の子が山口のお気に入りの娘というのが納得いかなかった。だからわざわざオーディションに顔を出して見に来たの。始めの頃、私嫌な女だったでしょう。貴女に辛く当たってしまった。でも貴女はくじけることなく一生懸命で健気だった。そんな貴女を見ているといつしか私の先入観なんて吹き飛んでしまったわ。だから貴女に演技指導までしたのよ」

ショックだった。私だって山口に付き合っていたのはSEXの為だけではない。役得を期待して付き合っていたのは事実だ。
でもそれは、いいオーディションを紹介してもらう程度で、映画の準主役にいきなり起用するなどありえないと思っていた。
自分が認められた訳ではなかったのだ。そしてそれ以上に好きな貴子さんに山口との間を知られていたという事実に私は
地の底まで落ちていく感覚になった。(自分の汚れた部分を貴子さんに知られてしまった。いや知っていたのだ)
ボーゼンとしている私に貴子さんは追い討ちをかけた。

「そしてもし山口に私達の関係がばれたら、私は大丈夫としても、貴女はまず間違いなくこの業界から抹殺されるわね。当然映画も公開されないから貴女のスクリーンデビューは永遠にやってこない。あの女はそれぐらいの力は持っているのよ。どう、怖くなった?」

「・・・」

私は蒼白な顔になって、気絶しそうだった。それを見た貴子さんは急に怒ったように

「疲れたわ。今日は帰って。じゃまた明日スタジオで」

貴子さんと二人っきりの甘い夜を過ごせれると思っていたのに、一気に奈落の底に落とされ、怯えるように家に帰って一人泣きつぶれた。

つづく「女優5」へ

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