この作品は続きです。はじめから読まれる方は「壁」へ
私達はお互いのアパートに泊まりそこから通勤しているのだが、いつも別々に通勤するようにしている。
毎度毎度別の線で一緒に通勤すれば、二人は怪しいと噂になるのがいやだったからだ。その日は私のアパートに泊まり、一美が先に出、私は後の電車で通勤することにしていた。
ホームで電車を待っていると、後ろから
「あのー、高瀬さん(私)ですよね。○○アパートの。」
という声がして振り向いた。一瞬誰だか分からず困惑していると、
「私、隣の石川さんにお世話になっている相沢といいます。何度かすれ違ってるんですけどわかります?」
「ああ、そういえばお隣さんのところに来てたわね。私てっきりお隣さんの妹さんかなって思ってたわ。いつもこの線なの?」
「はい。石川さんの後輩なんです。今年受験なんで週2回程勉強みてもらってるんです。その時に何度かおねえさんを見て、大人の女性って感じで一度お話してみたいなあって思ってたんです。」
「あら、うれしいこと言ってくれちゃって。いいわよ。同じ電車なんだから、私も話し相手ができてうれしいわ。この制服だと○○女子ね。私の会社も近くで降りるのよ。それまで一緒に乗りましょ。」
「ありがとうございます。」
相沢恵子という彼女は三つ網に結んだ髪がとても似合うかわいらしい顔付きの明るい娘だ。痩せた感じはするが制服では隠しきれない張りだした胸が彼女のナイスバディを連想させる。
「恵子ちゃんは高3よね。石川さんって大学生?実はお隣さんといってもあまり付き合いが無かったから、石川さんのことほとんど知らないの。」
「そうです。大学2年生で、私が高1の時の部活の先輩です。先輩が卒業してからも何かと面倒見に来てくれていつも頼っちゃってます。そうだ。今度、由香里先輩とお邪魔しちゃってもいいですか。あ、石川先輩のことです。高瀬おねえさんのことももっと知り合いになりたいし。きっとおねえさんも由香里先輩と気が合うと思いますよ。」