この話は続きです。はじめから読まれる方は「やさしい恋」へ
『この人が助けてくれたんだよ!』
さっきの警察官がそこにいた。
『佳奈ちゃん。気分はどうだ?ビックリしたよ遠くの方で倒れてるの見つけて。』
《なにこの警察官、いつまで私を見てたんだ・・》
『でも、良かったよ無事で。』
と言いながら、佳奈の頭を撫でた。
佳奈は、始めての感覚に襲われた。
ドキドキした。
『じゃ、俺は帰るから。ゆっくり休んで元気になるんだぞ』
『ちょっと・・』
佳奈は警察官の腕を掴んだ。
『名前、何?』
警察官は嬉しそうに『葉月浩』
『え?何、同じ名字なの?』
『実はな。そうなんだよ。俺もびっくりした。』
『へぇー。・・・ねぇ、あのさ』
『ん?なんだ?』
『あの、さ、もし暇ならさ、もうちょっと居てよ』
佳奈は、初めてだった。こんな甘えた言葉を言ったのは。
『あぁ。いいよ』
浩は少し驚いたが、内心嬉しかった。
あの冷めた態度の佳奈が、心を許してくれた気がした。
佳奈はどしゃぶりの中救急車で運ばれたため、真っ白のブラウスからピンク色のブラジャーが少し透けていた。
真面目な浩は、必死に見ないフリをしていた。
『浩、何赤くなってんの?』
『別に赤くなってない!それに、大人を呼び捨てにするんじゃない!』
浩は心を見透かされているみたいで恥ずかしかった。
『いいじゃん別に!だって私、他人にこんな気持ちになったの初めてなんだもん』
『ん?こんな気持ちって?』
《やばぃ・・勢いで・・どぉしようなんて言おう・・》
佳奈は自分の不思議な気持ちを言葉に出来なかった。