かごめ倶楽部 〜四天王の性戦〜

時刻(time):2022-04-04 14:13源泉(Origin):net 著者(author):admin
第一章 亜美子、寝室で裕を想う……. PM 11:30 …….シュ….シュル シュル…… 静寂の寝室に微かに響く布の擦れる音 それが始まりの合図………. 入浴後の残り香をまだ漂よわせ

第一章 亜美子、寝室で裕を想う…….

PM 11:30

…….シュ….シュル シュル……

静寂の寝室に微かに響く布の擦れる音 それが始まりの合図……….
入浴後の残り香をまだ漂よわせながら、そのベットの掛け布団は芋虫の様に蠢き出した….くねくねと怪しく、恥じらう様に蠢くそれは ぼんやりと僅かなオレンジ色のスタンドライトに照らされていた。

やがてソレは身をよじって、ピンク色のショーツを一枚産み落とした。
パサリ….
深夜の静寂がその小さな音を拾う……..ちらりと亜美子の白い生足が覗く………
太腿の根元に深く埋もれる指先が掛け布団の隙間から見え隠れしている。 もぞもぞと遠慮がちに動くその指は次第に大胆になり、小刻みな連続運動に変わった。

「 はあっ… はあっ… はあっ… 」

今まで布が擦れ合う音だけだった寝室に、亜美子の熱い呼吸音が加わる…..
徐々にテンポを上げていく小刻みな連続運動に合わせて、亜美子の呼吸音は次第に荒くなって行った。その熱い吐息は 『 アノ瞬間を受け入れる準備をしろ 』 と、自らのカラダに警鐘を鳴らしているかの様に続いた。
まだ会話さえ交わしていない、ある少年の顔を夢中で想い浮かべる…… 南野 裕….. 堪らず亜美子は布団の中で激しく身を捩り始めた…………..

( ああ…… 裕君っ………. )

芋虫はクネクネともがき苦しみ、亜美子の何も付けていない露な下半身を全て吐き出した……激しく往復運動する淫らな指の動きも大胆に露出した。
亜美子は ふとももを貝の様にピタリと閉じたり、片方の足だけまっすぐ伸ばしたり、忙しなく動かしてシーツに大きな皺を作った……..シーツの擦れ合う音が激しくなる…..
大きく乱れるベッドの上で、クチュクチュとイヤらしい摩擦音を響かせながら亜美子は
『 アノ瞬間 』が、もう目前に迫っている事に興奮して一気に心臓の鼓動を速めた。
左の手を寝間着の中に滑り込ませて乳房を包み込むと、ドキドキがはっきり伝わった。
指が敏感になった乳首に接触すると、ピクリと体全体が反応した。

「 ….. っ!」 そのしなやかな指先は焦らす様な動きで敏感になった乳首を器用にいじり続けた…..
妄想の中、その左の指先は裕の舌となり乳首を刺激し、右の指先は裕の触手となってアソコを執拗に攻めた。膣の中で裕の中指が激しく摩擦される。切ない呻き声が漏れ、それに興奮した裕の股間も硬くなる………….互いの足が交わり、その硬い感触が亜美子に伝わる…
そんなシチュエーションが鮮明に構築されて快感は一気に高まり、亜美子の呼吸は一層激しく弾んだ。同時にじっとして居られないカラダは激しく捩れ、ベッドを軋ませ始める。

「 ハアッ…! ハアッ ….! ハアッ……! 」
記憶力を総動員して必死に裕の全裸を想い浮かべる…… 水泳部室内練習場でカラダを動かす裕の水着姿………….海水パンツを盛り上がらせているアノ中身を想い描き想像する…..
しかし激しい指の出し入れがピークに達し、頭が真っ白になり想像はそこで途切れた。
亜美子の生足がシーツの上で激しく泳ぐ………………  乱れる布団…………. 軋むベッド …….無意識につま先が反り返る…….. 来るっ…….. 『 アノ瞬間 』 が…… !
亜美子は身構える……… 喘ぎ声を上げたくなる衝動を必死に堪える 。
(  ….ダメっ…みんなに聞かれちゃう….声はダメっ ! )
家族と同居の、まだ高校生の亜美子は声を出すまいと、左手を胸から離して咄嗟に口を塞ぐ。間髪入れず絶頂の大波が押し寄せた !
妄想の中の亜美子は、裕にしがみついて絶頂の喘ぎ声を上げた。

( アアッ! イクッ……..裕君っ!! )

イヤイヤをする子供の様に必死に頭を左右に振って、絶頂を受け入れる亜美子……..
洗い立ての髪が乱れ、頬が化粧をした様にピンク色に染まる…..
まだ少しあどけなさが残る亜美子の表情が、悩ましく歪んだ。

「 …..んっ! んんッ…..!! 」

亜美子は絶頂の大波に飲込まれた…………
オーガズムに溺れてビクビクと痙攣する亜美子の体の震えを掛け布団が包み込む……..
やがてソレは生命を無くした様に蠢きを止めた…………..

「  ………….はあっ….. はあ……. はあ……. 」

亜美子は、頭の芯をまだ麻痺させたまま、はだけた寝間着の襟をゆっくりとあわせた。 そして脱ぎ捨てた下の方を見つめた。
する時は、いつも下だけ脱ぐのが亜美子の癖だった。

( はあ….. またしちゃった。 声 出てなかったかナ ….. )
隣の部屋を警戒する。
まだ水分が残る乱れた髪を掻き揚げながら、弟の部屋の方向を見つめた……..
( ……..みんなもこういう事してンのかなあ…..裕君も…… )

そう、亜美子は同じ水泳部の2こ下の裕を想っていた。想うとカラダがどうしても我慢し切れず、毎晩オナニーをしてしまう…….. そして行為の後、虚しい気持ちに支配される。
あの海水パンツに隠された膨らみ………..ソコだけはいつもリアルに想像出来ない……. その理由は分っていた。まだ裕と言う存在が自分にとって一方通行の存在だからだ。テレビの向こう側の芸能人となんら変わらなかった。グラビアの向こう側、二次元の裕の隠された下半身をどんなに妄想した所でリアリティーは獲得出来ない………裕と言う存在を自分の中で三次元にする必要があった……. でも、その為の勇気がどうしても出ない….このままではあまりに不健康だ…… 何か…..まず何か、話すきっかけさえあれば………
( ダメだ、このままじゃダメ! 年下だろうが関係ない……..声かけちゃうしかないよ……..でないと私、このままずっと裕君を想像の中で汚し続けちゃう…… )

隣の部屋からの、弟の豪快なイビキを聞きながら亜美子は溜め息をついた。しかし、次の日の朝、この出来の悪い弟がそのきっかけを作ってくれる事を亜美子はまだ知らない……..

第二章 ピロシのファインプレー

この日の朝食は、何故か弟と一緒だった。
いつも遅刻寸前で駆け込む癖に…..今日に限って何故…………? 亜美子は目を細くして浩を観察した。
米を、わっしょいわっしょいと掻き込んでいる…..ポロポロ零れて行く米を目で追いながら、昨夜の決意が萎んでいくのを感じた。この弟は、裕と同じ年齢なのだ。 

( 年下かア、考え直した方が良いのかナ やっぱり…….. )

「 あ、姉貴イ。 裕って誰よ!」

刹那、亜美子の脳内が暗転し、スラッシュメタルが雷の様に鳴り響いた。
メガデス初期の名盤ラストインピースのオープニングナンバーだった。
疾走するギターリフに乗って思考が脳内を駆け巡った!

( …….. やっぱり声出てた!……オナニーバレた!……….. 聞かれたっ!……..  盗聴!…….盗撮!…….. 最悪!……..殺意!………羞恥!……….生きて行けないかも! )

「 おい姉貴イ、無視か?  お〜いっ ! 」

浩の手が亜美子の目の前でヒラヒラしている…………そこで亜美子は漸く覚醒した。

「 ピ、ピロシ…….. あんた一体何処まで知ってんの……..?  事と次第によっては姉ちゃん……. 」

だが、そんな心配を他所に浩は、全く想定外な事を言い出した。
その内容は勿論裕に関するものだったが、昨日のオナ二ーとは全く関係が無かった。
内心胸を撫で下ろしながら亜美子は、その話に耳を傾けた………. 浩は、裕との出来事を米を飛ばしながら一気に捲し立てた。

「 何処までって、昨日そいつが俺んち高校まで遠征して来たんだよ。俺、少し前に姉貴の高校の奴と揉めたって言ったじゃん。あのフルボッコくれてやった事件よ。そしたら、昨日そいつ、裕? が言う訳よ。俺の連れ殺ったの誰だって。しかも一人で乗り込んで来て。コイツは只モンじゃネエぞ思って、じゃあこっちも1対1で殺ってやるっつって、ストリートファイトだア!ってなった訳。俺と。そこであいつ俺の名前出した途端、質問攻めだ。やれ、お姉さんは居るかだの、もしかして高校は俺と一緒かだの、まさか水泳部かだの、言って来てサ。そうだそうだ言ってたら、じゃあ君は殴れない 俺の名は裕。アミ先輩に宜しく伝えてくれっつって踵を返しやがったんだ。サムライかお前はっつって………
姉貴、学校で連れ以外にもアミって呼ばれてんの?」

刹那、亜美子の脳内は一気に晴れ渡った。ここに来てダメ弟がこんな奇跡を起こしてくれるなんて! なんかヘタなシナリオを棒読みしてるみたいだったケド、バカだからそれは仕方ない……..でも……. あの大人しそうな裕君が……… 衝撃だ。

( 友達の為に? タッタ一人で遠征? カッコ良すぎる裕君…………..しかも、アミ先輩に宜しく…….アミセンパイ….. これって…….. これって…………..♡ )

「 まさか、そいつ姉貴の部活の後輩か? 南野 裕って言ってたぞ イケ面の….. 」

「 んん…… そんな人居たかナ………ああ……..居たかも………. 」

朝食もそこそこに亜美子は浮き浮きを押さえつけながら無関心を装って登校して行った。

浩はブラインドに手を引っ掛け、その姿を見送った。朝日が眩しく、目を細める…….

「 …… 裕、俺に出来る事はここまでだ…….. 」
第三章 かごめ倶楽部 出動!

部活の時間がこんなにも待ち遠しいなんて…….亜美子はどちらかと言うと部活はさぼりがちで、真剣には取り組んではいなかった。
その、もっちりとした柔らかいカラダに筋肉を付けたく無かったし、シルクの様な白い肌も焼きたく無かった。
そんな亜美子だけに、一度スクール水着を着ると物凄い視線を浴びた。
それはもう、痛い位に感じた。
156cmの身長にCカップの形の良い乳房。そこから下へ流れる様なヒップラインを経て、アノ魅惑のふとももが伸びる……………紺色のスクール水着がその白く柔い裸体に窮屈そうにピッチリ張り付く………….
亜美子は自覚していた。その魅力を….. だから続けていた。
しかし、良い出会いは極端に少なかった…..そのアイドル並みの容姿と体が、亜美子の中でハードルを上げ過ぎていたのかもしれないが、それは学校の七不思議の一つだった。
このハードルは、ジャックハンマー並みのドーピングでもしないとクリアー出来る男は存在しないのではないかと囁かれていた。
そんな夕方、室内プールの端で亜美子はソコに居た4人の友人を驚かせた。

「 あっ! お〜い 裕く〜ん! 」

「 え!? なになに アミそれ! 」 「 裕君? あの子? あっ!手振ってるウ カワイイ! 」「 え!? アミが? 今の自分から? うそ〜 ! 」

亜美子は平静を装いながらも頭の芯がクラクラするのを感じていた。

( 手を振ってくれた………裕君が…… 私に反応して ………….ああ………..これ以上の刺激は強過ぎる ……会話なんかしたらどうかなっちゃう………だめっ…..裕君、来ないでっ!)

案の定、裕はここぞとばかりに亜美子とコンタクトを取ろうと接近して来た。
心臓が張り裂けそうな程高鳴り、スクール水着の上から判る程乳首が突起する……!

「 あっ来た来たっ! 裕〜君っ! 来たよアミ〜 」「 きゃ〜 かわいいじゃん え? 1年生! ほんとに? アミ2こ下だよ? 」

バクバクと暴れる心臓の鼓動を必死に押さえ付け、ある意味戦慄すら覚えながらも依然平静を装い、亜美子は硬い笑顔で手を振った。

「 ……じゃあねえ〜裕君っ 」

裕は突然歩みを止められて、それでもその場で健気に手を振ってくれた。

心の中で亜美子は裕に詫び、そしてここに誓った。

( ゴメンね、裕君……. 今日の私はもうこれが限界です……..でもね、裕君……今度遭った時にこの膨れ上がった想いは間違いなく貴方の前で破裂します……..その時は、しっかりと受け止めて下さい……..この想いの全て…….体を張って、全身全霊で表現してみせるから! )

「 …….. みんなも、じゃあねえ〜  」

更衣室に消えて行く亜美子と佇む裕を、4人の友人らは交互に見つめた。

「 アミって罪深いよね……. 」 「 だよね、だって今自分から誘う様な事して…..アレが巷で言う所の 放置プレイって技なんじゃない? 」「 アミって放置プレイの使い手だったんだ…….. 」「 見て見て裕君、ほら…….かわいそ〜っ 」「 や〜ん、ズッとこっち見てるウ 荷馬車で連れて行かれた子牛みたいな瞳で〜 ……. 」

少し離れてはいたが、先輩のお姉さん達の声は裕に丸聞こえだった。

( 放置プレイの使い手…. え、アミ先輩が….? それは、聞いてないぞ……! )

そして、次の言葉を聞いた裕はプチパニックに襲われた。

「 ねえ、行っちゃおうよ裕君の所 」

たしかにそう聞こえた。それが証拠に見よ、みんな一斉にこっちを見たっ!
3人….いや、4人から居る…….彼女達に囲まれる自分を想像出来ない…………….裕は16歳となった今でも、実はまともに女の子と話しをした事がほとんどなかった….いや、本格的に『 異性 』に目覚めた頃から急に、話せなくなったと言うべきか。だからさっき亜美子が手を振って来た時も、余りの喜びに条件反射して体が動いてしまったが、内心どうして良いか分らずその後のリアクションに危機感を募らせていたのだ。

( あ、来たっ こっちに来たあ〜 !)

そうこうして居る内に4人のギャルが横一列になり、こちらに向かって一直線に歩いて来た。裕は思った…..Gメンだ….若干人数が足りないケド奴ら…..悩殺Gメンだ! ああっ….!
裕は、あっという間に囲まれてしまった。

「 こんにちわっ 裕君っ! 」「 や〜っ 顔まっか〜!かわいい〜っ 」「 アミ行っちゃったねえ…….. 」「 え〜 何か言ってよおっ ふふっ。」

裕は両手を後ろに回し、俯いたまま固まっていた…….つまり、もう半分壊れていた。
頭が真っ白になって、彼女達の声が遠のく……..顔が熱い………またいつものフリーズが始まった…… こうなると、この場から逃げる事も出来なくなるのだ。

( アア、何言ッテルカ良ク聞き取レン……デモ、ミンナ奇麗ナ声ダ。ウウ、足ダケガ見エル。沢山ノ生足ダ……アミ先輩ノ連レダモンナ、4人共カワイイダロウナ….. 顔上ゲテミヨウカ…..ッテ、ドノツラ下ゲテ上ゲレバイインダ? サア、気ノ利イタ台詞ヲ用意スルンダ! 足ガ8本デ皆サン蟹デスカ….却下!サッキハGメンデシタネ….却下!….アウアウ….)

彼女達が、いわゆる普通の女子高生であったなら、この時点で裕は対人関係………異性に対し、重いトラウマを持つ男になっていただろう。
だが違った。
彼女達四人は、原石をダイヤモンドにする職人だった。
裕と言う素材はこの日、彼女達に磨かれ、変身する事となる。

部活動が終わり、全校生徒の下校が完了する時間帯まで彼女達は裕を囲い続けた。
そして、結局 裕は下校時間を大幅に遅らせ男子更衣室に只一人取り残される事となる。
そこへ、ひたひたと忍び寄る一つの足音………..
まずはその4天王の一人、川島あずみが動いた………

第四章 亜美子、ユニットバスで裕を想う……

( な、何コレ……..まずい……カラダが変だ……! )
部活がある日は帰りが7時位になる。亜美子は通常、夕飯の後に自分の部屋で過し、寝る直前にお風呂に入るのだが、この日は夕飯を抜き、お風呂場へ直行した。興奮が収まらなかった。
そう、したくてしたくて堪らなかった。
昨日の夜の、裕を汚さないと言う誓いも何処かへ飛んでいた………….
裕に手を振って別れた後、亜美子は更衣室に駆け込み、水着を脱ぎ、全裸でシャワーを浴びた……..全身が性感帯の様に熱く疼いていた。
何度も手が敏感な部分へ伸びそうになるのを我慢した。
帰り道、亜美子の脳内は勝手に裕とのセックスのシチュエーションを構築していた……さっきのシャワーの刺激が、その場所をお風呂場と設定した。
まだ、さっき見たばかりの裕のカラダが生々しく目に焼き付いていた。
いつもならモザイクが入る裕の下半身も今はリアルに想像出来てしまった。心臓が踊る。
気が付いたら走り出していた。
自宅の、バスルームへ…….. !

カチャ….
湯気が立ち上るユニットバスの鍵をかけた。
ここまで我慢出来たのが不思議な位に興奮している。

( 私の後ろに、今 確かに裕君を感じる…. しかも私同様全裸で….. 只、手を振り合っただけでこんなにも裕君がリアルに想像出来てしまうなんて……. )

サーモスタットのつまみを40度に設定してレバーを捻ると、シャワーヘッドから無数のお湯の糸が勢い良く亜美子の裸体に降り注いだ。その何本かの糸が乳首を刺激して、アノ行為を促す……… 目を閉じる……. 深い吐息が漏れる…….湯気に見え隠れする恍惚の表情……
シャワーを出しっぱなしにして、亜美子のオナニーは唐突に始まった。
ボディーソープを手に取って、逸る気持ちを抑えきれず原液のままカラダに塗り付けた。
全身が性感帯と化した今の亜美子にはその刺激はあまりにも強く、それだけで立っている事が出来なくなった。
崩れそうになる柔肌を後ろから裕が妄想の中で抱きしめた……ぬるぬると蠢く裕の両手が亜美子の両方の乳房に到達した。

( ….あっ!裕君っ! )

亜美子は押し寄せる快楽に潰されて両膝をついた。
亜美子の脳内で蠢く裕の手はその体勢でも休まず動き続けていた……….後ろからカラダを亜美子にしっかりと密着させている…..
亜美子は、裕の勃起した固いモノを背中に想像して、更に興奮した。

やがて片方の手が泡の音と共に下腹部へ伸びて行った。

( ああっ 裕君っ  ソコは…… あっ  あ ….  )

そして、 中指がクリトリスを捉えた 。

「 ……..ンんっ! 」

その瞬間、亜美子の思考回路は完全にショートした。裸体が、激しく波打った。
もう、その時 亜美子は何も考えられなかった。
裕の妄想で頭をグチャグチャにさせて只ただ、夢中で指を動かして快感を貪った。
クチュクチュと擦れ合う卑猥な音が激しさを増す。

「 ハアっ…..! ハアアっ…..!  ハアっ…….! ハアアっ ! 」

亜美子の下半身がダンサーの様に激しくうねり、もうアノ瞬間を迎えてしまった!
ボディーソープをその裸体に塗りはじめてから僅か2分後の事だった………..

「 ……んんっ…!  あっ! 」

両膝で支えていた裸体が激しく反り返り、バランスが崩れた。
我に還った亜美子は乳房を愛撫していた方の手を離し、とっさに床についた。
カラーン!
ボディーソープの瓶がトッ散らかった。

( …….. しまった ….. 声 出ちゃった……! )

恐ろしい程のオーガズムを体験した亜美子は少し怖くなった…….
( 途中から何も覚えてない……裕君に後ろから触られた妄想だけで果ててしまった…..
セックスまでもたなかった…….裕君の、あんなに固くなって興奮してたのに…… )

亜美子は妄想の中とは言え、一人だけで暴走してしまって 裕を置き去りにしてしまった事を申し訳なく思った。
彼の興奮したままのモノを、彼のして欲しい方法で処理してあげたかった。
何でもしてあげたい衝動に駆られた。

( それにしても、ただ手を振り合えただけで、こんなにもリアルに裕君をイメージ出来るなんて……….今の裕君はあたしの中で完全に三次元だった……今までに経験した事の無い絶頂だった。………..恐い……..生身の裕君と交わるのが恐い…………オナニーでこれだもん…….
本番なんて………あたしのカラダ、絶対どうかなっちゃうよ………….. ! )

今度遭った時にこの膨れ上がった想いは間違いなく貴方の前で破裂します……..その時は、しっかりと受け止めて下さい……..この想いの全て…….体を張って、全身全霊で表現してみせるから………….
シャワーの音のみが鳴り続けている……

( この音、今のアノ声 かき消してくれたよね…..  声が出せないって辛いナ……….. )

「 姉貴〜っ! 友達が来てんぞ〜っ! 早く出て来〜い! 」

ピッ ピロシ……!! 今度こそ聞かれた……..!?
いや…………….それより 今 友達って言った…… 誰………………..?
第五章 トップバッター 川島あずみ

亜美子が部活の更衣室を出て、自宅のバスルームに走っている頃に時間は遡る……..
裕は男子用更衣室で一人、ベンチに腰をかけて先ほどの事件を反芻していた………..
結局気の利いた台詞は見つからなかったが、あの亜美子が自ら声を掛けた後輩と言う肩書きが手伝ったのか、よく解らないが裕はあの時、4人に暖かく迎えられた。
なので、顔を漸く上げる事が出来た。
しかしながら、裕はまたすぐ顔を伏せてしまうことになる……………
何故なら4人共、『 異性 』を多いに意識させる魅力を持ってしまっていたからだ。
裕は今、4人の水着姿を一人一人思い浮かべていた…………下半身がムズムズした。
…………水着の材質が手に取る様に判る距離………香水の甘い香り……………きめの細かい肌…….耳に心地いいきれいな声………….裕は暫くの間、あの4人に囲まれていた。気が付けば他の生徒達は全員掃けてしまったが、……端から見ると…….そう、あれは………

カゴメカゴメをしている様に見えたんじゃないか……………..?  後ろの正面だあれ……….
「 だあ〜れだあっ〜 ! 」

この驚きをどう表現したものか…..裕は首が千切れるほどの勢いで振り向いた。これが劇画であれば裕の背景に、ザウッ!と言う擬音が付いたに違いなかった。

後ろの正面には、4人組の一人 川島あずみが立っていた。

身長156cm バスト86cm ウェスト59cm ヒップ85cm Dカップ
亜美子同様小柄なその体は、ロリータ体型で武装していた。
はちきれんばかりのと言う形容は彼女の為にあるのかと裕は思った。
髪の色は茶色がかってはいるが染めてはいなかった。
素直なストレートヘアーで亜美子より若干短めだ。
ふっくらとした頬をその髪が包み込んでいた。
その特徴のあるトロンとした瞳が裕を見つめていた…….

「 ふふっ…. 凄〜い、今のフリムキ。もっかいやってもっかい。」

ゆる〜〜いしゃべりで彼女は寄って来た…..
そして、裕の隣にぺたんと座った。あずみと裕のふとももが完全に触れている……その位二人は密着してベンチに座る形となった。 突然緊急事態が発生した。

( な、なにが起こっている!? あずみ先輩が男子更衣室に入って来たっ…….! しかもこんなに密着して……ああ、いい香りがする………………… )

「 お〜いっ、こっち向け〜っ 」

あずみは両方の手で裕の顔を挟み、強引にさっきのフリムキを再現させた。鼻と鼻が触れ合う距離でお互いが向き合った。……….こんなに近くで人の顔を見たのは生まれて初めてだった。

( あ、あずみ先輩の瞳が恐ろしく近い!….ああ、こんなにアップなのに肌がきれいだ。
それに……この……この目の前の胸の膨らみ……. はああ……. )
裕は気付かれない様にソッとつばを飲込んだ…..ダメだ、触っちゃダメだ………..
その時、誰もいない筈の壁の向こうから、何かが倒れる金属音が大きく響いた。

「 きゃ〜っ!」

あずみは裕に抱きついた。
触ってはイケナイ筈のものが劇的に向こうから密着して来た。
柔らかい膨らみが、裕の胸板に押しつぶされている……
ここまで、理性の固まりの様な裕だったが、さすがにここに来て、遂に下半身が勃起を始めてしまった。
やり場の無くなった両手は、空中を泳ぎ、ムチっとした弾力のあるモノに触れた。
それはあずみのふとももだった。
あずみが全く嫌がらないのをいい事に、そのままにした。
ふとももの感触がさらに勃起を促す。

「 んふふっ 猫か何かだったみたいネ♡ 」 耳元であずみが囁く……

裕の海水パンツがみるみるうちに盛り上がる。
心臓が、口から飛び出そうな位に躍っていた。

( お…..女の子と、この僕が抱き合っている…………….なんて柔らかいんだ………..拙い……….もう、勃起が止まらないっ…………これ以上大きくなったらパンツから………………. )

裕は、突然自分の唇にゼリーが注がれた………….様に感じた。違う表現をするなら、ジェル状の液体が唇にまとわりついた様な………….もはやあずみが近いと言うレベルではなく…..これは、完全に一部分がくっついていた。

「 ン…..ンンッ…… 」

あずみの声の様なものが微かに響く…….こんなにも人間の唇とは柔らかいモノなのか…..
そして、当たり前の様にあずみは舌を入れて来た…..口の中でナメクジが這い回った…….
もう、裕は完全に陶酔状態に陥り、あずみのされるがままになった……………..
………..人生初のディープキスは永遠に続くかと思われたが……………..

( あ……あっ………..ナメクジが引き上げて行く……….ああ…….ゼリーも口から零れた…….. )

あずみの唇は、今度は裕の首スジに吸い付いた。そのまま舌を這わせて徐々に下に移動させた………..そして乳首に到達し、焦らす様にその廻りを徘徊させた………
気が付くと裕のペニスはもう信じられない程に固く勃起していた。
完全に海水パンツに収まりきれなくなっていた。
あずみに勃起したアレを見られてしまう。
この事実が、裕を向こうの世界から連れ戻した。

( 見られる! この先輩に……勃起したアレを見られてしまう…….! )

……あずみの舌が…..裕の乳首を攻め出した……. ビクリと反応して快楽を表現する。目を閉じてその攻めに耐えていると、下腹部に衝撃の感触が走って思わずまた目を見開いた。
裕は、呼吸が一瞬出来なくなった。
あずみは、舌で乳首を転がしながら なんと、空いた手で裕の下腹部を弄り出したのだ。
裕は堪らずあずみのふとももに乗せていた手を離し、下腹部を弄るあずみの手を咄嗟に掴んで抵抗した。
あずみは、乳首を攻めるのを止めて裕を見上げた。そして耳元でこう呟いた……….

「 どうしたの? 全然恥ずかしく無いよ…….あたしに全部見せてっ…….. 」

その甘味な囁きは、まるで魔法の呪文の様だった。
裕は取り憑かれた様に掴んだ手をゆっくり離し抵抗をやめたが、理性の箍を完全に外すのには、あずみがあまりにも一方的過ぎた。
裕は離した手を、そろりそろりとあずみの水着に這わせた。そして、乳房を支えている紐に指を引っ掛けた…..
それは、あずみも一緒に脱いでくれれば恥ずかしさも薄れると言う無言の訴えだった。
あずみは 裕のその無言のシグナルを、素直に受け入れた……
脱がせやすい様に黙って腕を畳んでくれた。
紐は肩からスルリと滑り落ち、Dカップの乳房が、目の前で零れ落ちた……小さな乳首も見えた…….あずみは恥ずかしがって、裕の胸板にカラダを密着させて来た………

「 これでいい? じゃあ、権利獲得だねっ…..ふふっ ♡ 」

あずみは照れながらそう言うと、早速さっきの続きを始めた……..焦らされる格好になったので、あずみはペニスまですぐにその手を到達させてしまった……海水パンツがするするとずらされた……………パンツに引っ掛かった裕のそれが勢い良く弾けた。
あずみの頭のつむじが見える……確実に裕の下腹部を覗く角度だった。

( ああ、あずみ先輩に見られているっ………..勃起したアレを他人に見られている…..! )

ソレは、はちきれんばかりにそそり立っていた….
それでも尚、ソレに血液を送り込もうと、心臓が ドクドクと活発に働く。

ビクンッ……ビクンッ

生き物の様に身を捩る裕のペニスに、容赦なく血液が圧送される……もう、許容量は遥かに超えているかの様に思われた。
苦しそうに痙攣するその生き物は、石の様に固くなっていた。
その生き物を、あずみは片手でしっかりと捕まえた。
裕のカラダは一気に緊張した。それを敏感に感じ取ったあずみは、また裕の耳元でなにかを囁いたり、首に軽くキスをしたりして緊張をほぐしていった……..
裕の息使いが、荒くなって来た…………
あずみは、手の中で暴れるその生き物を宥める様に、やさしく愛撫を始めた……….
……….他人の手が、自分のあそこを触っている………….予測不能の動きで愛撫されている……..自分の両手が空いている……..裕は驚愕した…………この快感はどうだ…….これは……
いつもやってる、『 オナニー 』と言うものではないのだ………. !
裕は、いつもなら決して空く事の無いこの両手を、こんな時どの様に使えば良いのか判らずブラブラさせていたが、あずみの露出した乳房に目が止まると、もうそれを揉む事以外考えられなくなっていた………はじめて触れる女の子の乳房………手が汗ばんだ……
震える裕の手が、おずおずと遠慮がちにあずみの乳房に到達した。
あずみは、全く拒絶しなかった……….揉んだ…….裕の手の平でDカップが踊る………

( あっ…..なんて柔らかさなんだっ!………この薄く白い肌の中身は一体 …..ああ…… )

裕は夢中であずみの乳房を揉み続けた……….
こんな感触の物質、人工的に作るのは絶対に不可能だと思った。

「 ….ンンっ…..んっ…. 」

裕の耳を、あずみの切ない声がくすぐった……….
夢中で揉んでいたので気が付かなかったが、あずみの小さな乳首が突起していた。
指で触ってみると、固く弾けた。

「 んっ んっ!   あっ…….♡ 」

裕に露出したむねを刺激されて、あずみも気持ちが高ぶった。自然とペニスの愛撫も大胆になり、やがてそれは、ピストン運動に変わりつつあった……..

( あずみ先輩が、感じている…….僕の愛撫で……あ、あっ……..あずみ先….輩….それは、
あっ………..ダメだ…..それはっ….! )

あずみの愛撫が完全にピストン運動に変わると、その刺激の強さに反応して乳房の揉み方も激しくなっていった………お互いの息使いも自然と荒くなった。

「 あっ…. あっ! …..裕君っ 」

あずみはカラダを捩り、裕にピッタリと密着してきた….そして、ピストン運動の速度を上げて行った…….

( 嗚呼っ あずみ先輩ダメだっ  止めなきゃっ…… 出ちゃう! 汚れちゃうよ!)

裕はもう、どうしていいのか判らず、モジモジとカラダを捩って抵抗した。あずみの乳房から手を離し、あずみの両肩を掴んで離れようとした。
しかし、あずみはそのむっちりした柔肌全体を使って、ピッタリ裕をホールドしていた。
あずみは裕の足に自分の足を絡めながら、裕の表情をしっかりと見つめた。

「 裕君っ いいんだよっ! イッていいんだよ… 」

「 ……だっ……ダメだよ……汚しちゃうっ………… ! 」

裕は、あずみに初めて言葉で意思表示した…….事態はそれほど裕にとって逼迫していた。
女の子に精液をかける…..精液で汚す……とても現実とは思えなかった。
しかし、あずみのピストン運動は止まらない……頭が真っ白になった。

「 うれしいっ 裕君の声 初めて聞けた……… 」

我慢すればするほどその瞬間は速まる様だった。
下半身がぶるぶる震えだし、いよいよ体勢が保てなくなり、裕はあずみを両腕で強く抱きしめて、押し寄せる絶頂を必死に堪えようとした! 歯を食いしばり、石の様に固くなったペニスに力を込めたが、それはもう、完全にコントロールが出来ない裕とは別の生き物だった………..

「 いいよっ…… ! 出してっ! 」

あずみが射精を促す

あずみは、裕の絶頂が目前に迫っているのを感じ、ピストン運動に拍車を掛けた!
抱かれている腕の強さの変化や、息使い、ペニスの痙攣で、裕の射精の瞬間はある程度判った。
後は裕の申告を待つだけだった……

裕に、その時が突然来た。

「 …..っ出る…… ! 」

あずみに顔を埋めながら、そう短く伝えた。それが限界だった。
それは、あまりに唐突な宣言だった為に、あずみはタイミングを誤ってしまった。
裕がしっかり抱きついていた為に表情が伺えなかったのも誤算だった……..
高速でストロークする手の中でペニスが脈打ち、突然物凄い勢いで精子が飛び散った!

「  えっ?………..あっ! 裕君っ!」

その絶頂は、宣言とほぼ同時だった。
咄嗟に射精角度を修正したが、間に合わず、精子は勢い良くあずみの乳房やふとももに飛び散り、更に勢いを増して顔や髪に降り掛かった。
射精はなかなか止まらなかった。
ペニスを握るあずみの手がみるみるうちに精液で塗れた。

「 …….っはあ! はあっ はあっ はあ、……. 」

「 ……..凄い……  裕君…….. 」

長い射精が終わり、あずみの言葉で 裕は我に還った。

( あっ…….出してしまった! …..ああ、この後どうすれば…….あずみ先輩…… )

裕はあずみのエスコートでゆっくりと、引き離される……..乳房が見えた…….白い液体が
張り付いている……紺色のスクール水着も至る所濡れていた……………そこから伸びる太ももの谷間にも精液が溜まっていた……..

( うわわっ…… こんなに…….ふ、拭かなきゃ……早く拭かなきゃ!)

「 うふふっ 絶対みんなには内緒だよっ じゃあねっ 裕君♡ 」

はだけたスクール水着を直し、川島あずみは男子更衣室から去って行った…….

「 あ、あずみ先輩 ……………… 拭かなきゃ!……. 」

解説せねばなるまい。
裕は生まれて初めて異性の前で射精したのだが、相手に射精を伝える時、彼は無意識に
『 出る 』を選択した。 性心理学を専攻する某大学の教授が出した統計によると、
チェリーボーイが手コキで攻められ射精する瞬間に発する言葉 として、81%の割合で 『  出る 』 を選択すると言う結果が出ている……….. 因に『 イク 』は僅か15%、その他として『 黙って出してしまう 』と続くそうだが、では何故『 出る 』が多いのか…..その心理は、正に今の裕が全てを証明していたのではないだろうか…..?
つまりこうだ。
[ 己のスペルマで相手のカラダを穢してしまう ]
アダルト用語で言う ぶっかけ( 英訳Bukkake )  と言う行為に対する強い背徳。
この後ろめたさが精神に影響を及し、現実的且つ直接的な伝達、『 出る 』を使うものと思われるのだと教授は言う…………………………チェリーボーイにとっての『 出る 』は、射精してしまうので危険回避して下さい! が、集約された言葉なのである。

第六章 連携プレー成立

「 大丈夫だった? あずみ…。 」

女子更衣室でシャワーを浴びるあずみに声を掛けたのは……..

相田 桃
身長162cm バスト82cm ウェスト55cm ヒップ80cm Eカップ

あずみとはまた違ったタイプの、抜群のプロポーションの持ち主だった…………….あずみのボディーをそのまま縦に少し引っ張り、乳房がひとまわり膨らむとこんな感じになるのだろうか? 少しウェーブした長い髪をかきあげながら、あずみを見つめて微笑んでいる……
桃は、シャワーを終えたあずみにタオルを渡した。

「 桃っ! ナイスタイミングだった あの音っ! 」

「 ……..そう? なんで猫がいるのよ(笑)」

「 考えない 考えない 抱きついちゃえばもうこっちのモノ………..♡  桃の時も   同じ作戦でいく? うふふっ……. 」

「 いかないよ(笑) 失敗すればいいって思ってんでしょう 」

「 ……んふふっ…. 壁に耳を当てて、今だ〜っ!……….って、何倒したの? 桃 」

「 今あずみが座ってるパイプ椅子。 ねえ……..あずみ、あの子どうだった?」

「 げんきだよ〜♡ あっという間にドバッと…..太さなんてコノ位あったよ♡ 」

「 え ウソ 幾らあずみの手が小さくってもソンナ…. 」

「 本当だって♡ くっつかなかったよ 指 」

一番バッターの役目を終えたあずみはその小さな手を掲げて、次の打者 桃とハイタッチを交わす………………今度は桃が、裕を次の塁に勧める番が来た。
次の塁…….それは、裕にとって一人では決して出来ない禁断の超絶世界だった………..

第七章 二番手 相田 桃

帰り道、裕は一人興奮を抑えきれずにいた…… 右も左も解らないドラフト外の高校ルーキーが、突然一軍デビューしていきなりヒットを放ったのだ…………..一塁ベース上で放心する高校ルーキー…………
裕は信号が青に変わってもその場に突っ立ったまま、あずみとの初体験の数々を反芻していた……….そこへ、聞き覚えのある旋律が耳をくすぐり裕を現世に引き戻した………

♪ かごめ かごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ…..?

ザウッ!  「 あ もしも〜し 」

裕のフリムキとその声は同時だった…….。

( ち、着メロ!? しかもこの人…….. コンナ事あるのか………! )

後ろの正面には……..4人組の一人、 相田 桃 が立っていた………….

「 え? うそ! 今彼氏と一緒なの!?…..  ほんとに?  え、 でもさっき裕………あっ…… ゴメン また後で掛け直す….. じゃあね〜っ 」

桃は裕から目を離さず 悪戯っぽく微笑み、携帯を切った。

「 …..気になる? 裕君。 今の、アミからだよ 」

ズッ!

裕は、気を付けの姿勢のまま斜め後ろに仰け反った。

( 浩 お前…..いないって言ったよな….いや、お前は全然悪く無い……僕の為にあんな陳腐なシナリオまで作成してくれた男だ……感謝している! あいつは今日の朝、その水曜スペシャル顔負けのフィクションをアミ先輩に報告してくれると約束してくれた……浩、
お前は最高の友人だ………しかし、いつもお前は詰めが甘い……….結果が伴わないんだ……..しかもお前、アミ先輩が放置プレイの使い手だって何故教えてくれなかったんだ? 筋金入りじゃないか……僕は、このまま何年放置されるんだ? 今の彼氏に飽きるまでか? )

「 あたし、裕君に今日手を振ってたからてっきり裕君狙いかと思ってたケド…..」

「 ……. あっ 自分が、勘違いしてたス……っす….. 」

しょんぼりと頭をもたげてトボトボ隣を歩く裕に胸がときめく…..

( コノ子、……..本当かわいいナ………….早くオトしちゃお ♡ )

「 いいな〜 アミ 今頃彼氏と…… あたし、なんか寂しいよ…….. 」

裕は思い出す……. 先ほどのあずみとの情事を….. 亜美子も今頃彼氏とあんな事を……. !

「 ねえ、裕君 この近くに学校中退したあたしの友達が借りてるマンションがあるんだけど 寄ってかない…….? あそぼ〜よっ 寂しいもの同士………よし決定っ!」

桃先輩と一緒に下校している………..裕は、亜美子に彼氏が居たショックを引き摺りながらもこの一時に酔い出していた。
……………..ああ、同じ道とは思えねえ…..自分がワンランク上の人間に成ったと錯覚する…
これか……. これが、正しい下校の姿に違いない………裕はそう思ったんだ。

しばらくして、桃が ある建物を指差した。
その先を見ると、地上15階建て位のマンションがあり、屋上の構造物 ( 多分、貯水施設)には、マンションの名称が 『 残〜ZAN 』 と 刻まれていた………

定礎板に掘られた着工年月日から換算するに、結構な年代物のマンションだ。
一応、エントランスの様な物が確認出来たので裕はそちらに向かおうとしたが、桃に呼び止められた。

「 あ、裕君こっちこっち……… 」

そう言って桃は建物の非常用螺旋階段の方に裕を誘った。

「 このマンション一応正面からは暗証番号必要なんだけど、こっちの扉はもう壊れてて出入り自由なんよ……… 」

「 へえ……….建物の名前といい、キッチュですねえ。 」

「 (笑) 何よ キッチュて……  あ、ソコ気を付けてね ボロいから….. 」

そう言いながら桃は裕を後ろに従えて、螺旋階段を昇って行った………
桃の太腿が擦れる度に、制服のスカートは微妙な角度で揺れ動いた……….
見えそうで見えない…….その挑発的なチラリズム運動は友人の部屋の階まで続くかと期待していたのだが、エレベーターがあるのに好きで階段を使うのは筋トレ中の人か、健康オタクの人か位で…………
案の定 桃は2階まで行くと、さっさとエレベーターを呼んでしまった。
中に入り『 9 』のボタンを押した……
ゆっくりゆっくりとSLの様に、その友人の階へ向かってエレベーターが動き出した。
その間、桃は 裕を黙って見つめていた……..時々お尻を手で隠す様な仕草を織り交ぜながら、エレベーターの密室であからさまな挑発が始まった。
裕は射る様な視線を感じながらも 桃の顔を見る事が出来ず、ひたすら表示パネルを見つめ続けた……………………..3……………………………………………………………………………………………………..
……………………………………………. 沈黙の密室空間 ………………………………………………………………… 4…………………………….堪らず裕が呟く。

「 こ、このエレベーター遅いですね ………………………… 」

「 ………………………………………….. 」

それでも桃は黙って裕を見つめ続ける…………
おざなりの会話は必要なしと言わんばかりに……………
……….5……………………………………………………………………………………………………………………………………..
……………………6…………………………………………………………………………………………………………………………
……………………………….7………………………堪らず裕が呟く。

「 ね、桃先輩…………….階段の方が早かったりして……………. 」

「 さっき 見えたでしょ 」

ザウッ!  チィーン!

裕のフリムキと、到着のベルはほぼ同時だった。

扉がゆっくりと開いて行く………….
桃はエレベーターガールを真似て、固まる裕を先に出る様促した。

「 うふふ 先に出るとまた見られちゃうからネっ ……. あっ ソコ気を付けてよ!」

「 みみ…..見てないっス 自分見えなかっ……….. うわっ!? 」

エレベーターを出て直ぐ隣に、先程昇って来た非常階段がココまで伸びて来ているのだが、驚いたのはその構造だった。
手摺と壁に隙間がありすぎる……………デザイン優先の構造の為なのかどうかは解らないが、裕のカラダが簡単にすり抜けてしまう程の隙間だった。
見下ろすと、1階から吹き抜けの風が舞い上がって来て ゾッとする光景に足が竦んだ……….果たしてこのキッチュ過ぎるデザインの建物は、本当に建築確認が下りているのだろうか…………? それとも、改修工事中か?………….. その非常階段正面が注目の、桃の友人の館だった…..
そう言えば、男か女かも聞かされていなかった。

表札には、白石 と書かれてあった。
働きに出ているのか、留守の様だった。なんじゃそら………..

「 やっぱアポ無しはダメっすね…….残念ス。」

「 大丈夫 いつもここに隠してあるんよ……. ほらっ。」

ガスメーターの裏から鍵を見つけると 桃は得意げな顔を裕に見せながら、あっさりと
扉を開けて不法侵入した。

「 ……………………….え、え? 」

桃は部屋の明かりを付け 冷蔵庫を開け 中から飲み物を取り出して、一本を裕に差し出した……その所作には全く澱みが無く、まるで我が家の様な振る舞いだった。
しかも、飲み物は アルコール飲料だった。

「 も……桃センパイ コレは…….. 」

「 あっ、ゴメン 素ビールじゃ味気ないか….. え〜と……..何かつまみはと…………. 」

「 いや、って言うかですね………….いいんスか? この状態 …………………………………… 」

この状態は、不法侵入から実に2時間続いた………付けっぱなしのテレビには、中日の落合博満監督が無表情で腕組みしている姿が映し出されていた。
9回裏、2死だがサヨナラのランナーが1塁ベース上に居た。バッターは代打立浪……
もうこんな時間になっていたのか……..裕は中日ナインが戦っている最中、ずっと制服姿の桃を意識していた。
そう……裕も戦っていた………..押し倒したい衝動と……
お互い酒が廻り、桃のボディータッチが次第に増えて来ると もうその想いは抑えきれなくなっていた……..桃のカラダを両手で押さえ付けようとしたその時、桃が言った。

「 あたし、シャワー浴びて来るね………. 」

桃は立ち上がり、裕の顔を悪戯っぽく見つめた………..そして、ゆっくりと風呂場に消えていった。
裕は呆然とその場に立ち尽くしていた…….どうする?………….
その時、落合監督と目が遭った。
その目は、 行け! と裕にサインを送った…….

脱衣所の籠には 脱ぎたての桃の制服や下着が入っていた……… シャワーの音が始まった………….磨りガラスの向こうに浮かぶ桃の裸体……….モデルの様なシルエット……….

シャワーを浴びる桃の胸は踊っていた…..裕がすぐソコまで来ている…………..

裕はビールを一気に飲み干し、酔いにまかせて磨りガラスのシルエットに向かって声を掛けた。

「 も、桃先輩っ…….! 」

……カラカラ……… 磨りガラスが半開きになり、桃が顔だけ覗かせた。

「 ……..脱いでよ裕君も。 あたしだけじゃ恥ずかしいでしょっ♡ 」

それを聞いた裕は、バネ仕掛けの様に服を脱ぎ出した。
最後のパンツも躊躇なく脱ぎ捨てた。酒のもあったが、あずみとの情事が裕を大胆にさせていた…….すでに大きくなった裕のモノを目の前にして桃は息を飲んだ……….

そして、裕は風呂場に入った。
ぼんやりと白く湯気が立ち籠める空間に 桃のヌードが幻想的に浮かんでいた……
濡れた髪が、豊満な乳房に張り付いている…..くびれた腰…..しなやかに伸びる長い手足…….
酒で火照った桃色の肌………初めて見る、むしゃぶり付きたくなる女の全裸……………
気が付くと裕は文字通り、むしゃぶり付いていた!

「 あっ! 裕君っ? ちょっと待っ……!  」

そのまま抱きつき 押し倒した。
石鹸のケースか何かが勢い良く転がる音がした。

「 はあっ はあっ はああっ…… 」

裕は息を弾ませて桃の暖かく柔らかいカラダを夢中で弄った…….これは、もう止まらない………. 自分ではもう制御できなかったんだ……..

突然攻められた桃は反射的に両手で大切な部分をガードしようとしたが、裕の強い力がそれをさせなかった…………裕の固いモノが桃の下腹部に密着している………
両手を抑えられたまま、裕に乳首を舐められた………
ピクリと桃のカラダがそれに反応すると、裕は更に興奮した。
桃の乳房に顔をうずめたまま、今度は片手を桃のふとももの付け根に忍び込ませた……..。

「 あっ 裕君っ ダメっ! 」

このままでは、桃も制御不能になりそうだった……自由になった両腕を裕に絡み付かせ、
二人は軟体動物の様に蠢き合う………..桃は必死で身を捩って体位を入れ替えた……..
桃はすぐ攻めに転じた。 裕の乳首に唇を這わせる………..

「 ああっ! 」

裕は声をあげて歓喜した。 あのあずみとの情事が蘇る。
ゼリーが ナメクジが カラダを這い回る…….あの感触が鮮明に蘇る。
桃はその愛撫を徐々に下げて行く….. 下腹部から 更にその先へ……….!

裕は、アソコの先に何か痺れる様な感覚を覚えた………反射的にカラダが痙攣した。
その激しすぎる快感に驚き、裕は我に還った。
一瞬、何が起こっているのか解らなかった………. その刺激の正体を確認する……..
そこで裕は衝撃的な光景を目の当りにした。
桃の舌が、裕の亀頭を舐めていた……… !

( も…… 桃先輩っ!? )

チロ チロ と、 桃の舌が焦らす様に刺激を与える…………….. その度に過敏に反応するペニス…….
そして遂に桃の唇は 裕の亀頭をゆっくりと、蛇の様に飲み込んでいった !

「 あっ! 桃先輩っ…..!  」

余りの刺激に下半身が逃げそうになったが、桃のEカップの乳房にしっかり押さえ付けられて身動きをさせてもらえない……..
裕は桃の頭に手をやり、その刺激を受け入れる覚悟をした……. 桃の口の中で舌が複雑に蠢いて、亀頭を舐め回している………卑猥な音をさせながら、
桃の頭が上下に動く……..唇を窄めては緩め、亀頭の出し入れが始まった………
刺激を受け入れた筈の裕の手に力が入る………..
長い髪が裕の下腹部に乱れる。

「 ンっ…. ンっ…. ンンっ…..ンっ 」

暴れるペニスを片手でしっかりと握り、桃のフェラチオが激しくなった。

「 うぐっ…. !  アッ! ウンンっ!」

裕の呼吸が大きく乱れる………余りの刺激に激しく身をくねらせる……..叫び出したい衝動を必死に抑えて歯を食いしばる………..
そんな裕をしっかり上から押さえ付けながら、桃のフェラは続いた。
上目使いで裕の表情を覗く…….もう、アレが近い様だ。
桃は興奮した。

「 桃先輩 出そうっ………! 」

その泣き出しそうな宣言を受け、桃は身構えた。
ペニスがどくどくと根元で脈打つ…..程なくして今日2回目の絶頂が裕に訪れた!
熱い精液が桃の口の中に勢い良く飛び散る。

「 んっ!…..ンんっ! ん….♡ 」

桃は悩ましく眉を歪めて射精を全て受け止めた……

(  桃先輩が、僕の精液を口の中に ! …….ああ、意識が……… 目が廻る…………. )

ソコから先は良く覚えていなかった………….
酒の酔いと、恐ろしい程の刺激のフェラチオ初体験で、意識が飛んだ…………….
こうして高校ルーキー裕はまた一つ、進塁したのだった。
テレビの音が遠のく……… アナウンサーの声………試合後のダイジェスト………..

中日 2アウトから 一塁ランナー果敢に盗塁成功!
この ゲリラ的 落合采配が 吉と出て
コノ後 代打 立浪の
一振りサヨナラ
タイムリー
で広島を
下し…

第八章 十六歳のメンバー

PM 11:30

玄関の扉が開いた………..白石 琴 が姿を現した。

「 あ、お帰りぃ〜 琴ちゃん  ベット暖めてあるヨ。」

桃は 煙草に火を付けながら隣の部屋を指差した…….そこでは、KOされた裕がベッドで寝かされていた…………… 。

「 わ〜 さすが桃さん ! 」

「 ….. 瞳は? 」

「 お姉は アミさん家です 琴の予感を、確認しに行ってくれています 。」

「 ……そう、まあ 必要かもね アミは不思議ちゃん入ってるから 何考えてるか…….」

桃は灰皿代わりのビールの空き缶を片手で弄びながら、煙草の煙を気怠そうにふかせた….

「 ……裕君と接触する為にあたし、琴ちゃんに陰から携帯鳴らしてもらったじゃん。」

「 はい… 裕君 信号変わっても渡らずボ〜ッとしてたケド、その音聞いた瞬間何か凄い反応しませんでした?………遠くからでもわかりましたよ。 」

「 そうそう(笑) でね、その接触の仕方だけど、あたしその時こう仕掛けたの……
今の電話アミからだって………………..しかも今、彼氏と一緒だって嘘言って………. 」

「 ………裕君 どんな感じでした?……. 」

「 完全に落込んでた….. 瀕死ね…… 」

「 漫画の様にガックリ項垂れてましたものね…… 」

「 考えてみたら当然ネ………………..だって期待してた対象が、あのアミだもん。」
「 そのぬか喜びの落差と言ったら………..確かに重傷ですよね………. 」

「 アンドレにロープ最上段に上られて、ジャイアントプレスされる位の落差はあったと思うンよ……死ぬでしょ普通…….. 」

「 ですよね〜 そっか….. 琴、アミさんに勝てる気しないなあ…….でも、桃さんがココまでセッティングしてくれたんだもん 琴、頑張りますっ! 」

「 そー言う事っ! ……….コノ後は琴ちゃんの好きにして♡ あたし帰るから…. あ、
鍵ソコに置いといたよ……… 」

「 桃さん……..裕君、ドウでした? 」

「 ウン……… 彼は 最高 。 あずみがチョット磨いただけで、もうあんなに光って…
あたしもお酒入ってたし、攻められた時はホント危なかった…… 理性を保てなくなりそうだった……….. でも安心してっ 今回はあたし最後までヤッていないから♡ 」

「 あの…… あずみ先輩は……..その….. 」

「 大丈夫よ……あずみもあのシチュエーションでヤル程馬鹿じゃないしね……….でも、
聞いたら驚くだろーな……. まさか琴ちゃんがねえ……… ふふっ 」
「 ……えっ…….そんな目で見ないで下さいっ……….  」

「 照れないの………….かわいい話なんだから……… じゃあねっ ごちそうさまでしたっ 色んな意味で…… ♡  あ、因にアソコかなり大きかったから…… 御参考までに ♡ 」

気も漫ろ…….桃のレビューを聞いて琴は気持ちを高ぶらせた。
玄関の扉が閉まると同時に琴は棚の中からラージ用のコンドームを取り出し息を飲んだ。
そして、同級生の裕の寝ている隣の寝室へゆっくり歩き出した………..

第九章 亜美子の涙

PM 8:00 に遡る……..

白石 瞳は、野々村亜美子宅のインターホンを押した。

( アミの携帯、電池切れかナ…….なんで出ないのよ……… )

程なくして、浩が顔を出した。

「 あ、ピロシ 今晩は 姉貴は? アネキ………. 」

「 いま何故か早風呂っす……….って言うか最近 瞳さんがピロシピロシって言うから姉貴まで言い出してんスけど………….他のヤツ考えましょうよ! 」

「 いいのピロシで。 ピロシなんだから………アミ早く早くっ。」

家の中で浩が亜美子を呼ぶ声がする……..どうやら本当に風呂に入っていた様だ。
ついさっき浴びた学校のシャワーでは飽き足らず? 何で?

亜美子は髪を気にしながら出て来た。
Tシャツの上にコットン製のフード付きパーカーと言う普段着だった。
デニムのショートパンツが僅かに覗き、そこから白い太ももが伸びていた………..

「 瞳? 誰かと思ったよ………. だって今日キャバの仕事でしょ? これから………」

「 そ〜なんだけど、休んじゃった……… 所で、なんでコンナ時間にお風呂なの?
学校のシャワー調子悪かった?」

「 えっ?! う〜ん、まあ、ネエ……….. って言うか 瞳、学校遊びに来るのもう少し控えた方がいいよ……..ただでさえアンナ仕事してんだから………なんで仕事休んでんの?」

「 実は今日 あたし達 動いてんの…..だからヨ ♡ 」

最初から嫌な予感がしていた…… 瞳達が動くと言う事は、つまり………..

「 ターゲットは 1年2組 南野 裕 今頃はもう あずみが動いてる時間ね ♡ 」

「  そ……そんなっ なんで!? なんで裕君なの……..? 」

「 アミだって放置プレイしてたじゃん…….フフッ……… 」

裕が狙われた………..瞳達が具体的に何をしているのかはよく解っていなかったが、
如何わしい行為をしている事は知っていた…………..裕が穢されている…………
でも、亜美子もつい先程まで裕を穢していたのだ………..
亜美子は、泣き出しそうな顔で瞳を見つめた………

「 ……アミ、今日のターゲットは チョット訳ありなの……………だから会いに来たのよ。
…………とりあえず、『 デコポン 』 行こっ 」

漫画喫茶『 デコポン 』は アミの家から歩いて5分の所にあった。
この時間帯、すでに結構な客が入っていた。
丁度隅っこの4人席が空いていたのでそこに陣取り、瞳は『 グラップラー バキ 』をテーブルに山積みにして、地下格闘技トーナメント初戦辺りから読み始めた………

「 あの……瞳? 裕君を穢す様な事したらダメだよ…….まだ16歳なんだから……….」

「 ……….所でアミはなんであんなに早い時間にお風呂なんか入ってたの ? 」

しつこいっ!………そして鋭い……….どうしてもソコが気になる様だった。
答えられる訳が無かった。
瞳はそんな亜美子を見透かす様に口撃を続けた………………..

「 穢す………? アミは裕君を穢した事はないの…………? 」

「 あ……ある訳ないじゃん…………そんなのっ……….. 」

「 ふう〜ん ……… なるほどネ ………… じゃあ、チョット手を貸して……… 」

瞳が握手を求めて来たので、言われるままにソノ手を握った……… すると、瞳のソノ手の人差し指と中指の二本が伸びて来て、そのまま亜美子の手首にピタリと触れた。

「 うふふっ…….. 嘘発見機完成。」

「 何よ…….. 変な冗談やめてよ……….. 」

「 ……… 人は嘘を付く時 血圧 脈拍数 発汗量が微妙に変化する…………あたしの手はソノ変化を敏感に感じ取る事が出来るの………..5分位だから、質問に答えてねっ あ、
間を置かずにお願いね ♡ 」

「 ちょっと、やめてよっ 瞳っ! 」

「 何で? 嘘付かなきゃイイだけじゃん うふふっ………….. 」

どんどん深みに嵌って行く…………唐突に質問が始まった。

「 あなたの お名前は? 」
「 の……..野々村 亜美子 」
「 何歳ですか? 」
「 この間18歳になったよ 」
「 あなたの 髪型と色は? 」
「 う〜ん ……少し茶色のナチュラルボブカット…….. て言うのかな….. 」
「 それは、気に入ってますか? 」
「 まあ、まあ、はい。」
「 オナニーはした事ありますか?」
「 …….. ! な…….. え? 」
「 オナニーです ありますか? 」
「 あ………るよ………. 」
「 プロ野球は見ますか? 」
「 見ませんケド…… 」
「 好きな球団は中日ですか? 」
「 ………言ってる意味がよく解りませんが……. 」
「 言い方を変えます……….中日ドラゴンズのファンですか? 」
「 好きでも嫌いでも無いです。意識の外です。」
「 タイロンウッズの入団で中日の歯車が狂ったと思いませんか? 」
「 知りません。」
「 言い方を変えます…….ウッズの入団を見送り立浪をファーストに置けばよかった?」
「 ウッズも立浪も知りません。やはり意識の外です。」
「 部活は楽しいですか? 」
「 はい……….今は……….」
「 なにが楽しいのですか?」
「 ん…….な…..なんとなく。」
「 なんとなくですか? 」
「 そうだよ。」
「 自分の水着姿に自信がありますか? 」
「 はい、あります。」
「 何故ですか? 」
「 う。 視線を感じるから……. 」
「 男に見てもらいたいですか?」
「 ん、見て貰いたい…….. 」
「 ゴルゴ13に見て貰いたいですか? 」
「 ………….. (笑)」
「 言い方を変えます……..高倉健に見て貰いたいですか? 」
「 …..それなら…….. 別に、見て貰っても大丈夫です……. 。」
「 風の大地の最後のページはいつも必要ない 」
「 ……言っている意味が解りません。」
「 ゴルフ漫画です 知りませんか ? 」
「 あなたが知っている事は世の中の人全てが知っている訳ではありませんっ! 」
「 起床から就寝まで暮らしをライオンに見つめられる生活に耐えられますか? 」
「 ………….無理です。」
「 音楽の話をしてもイイですか(笑)」
「 ふふっ なに自分で言ってウケてんのよ 瞳がしたいだけじゃないのソレ 」
「 (笑)……. 音楽の、 話をしてもイイですか ? 」
「 いや、だから(苦笑)すればイイじゃん……… 」
「 ペリーファレルとビョークの子供が見てみたいですか? 」
「 それは、音楽の話じゃないと思います 」
「 音楽の話です ビョークを知りませんか ? 」
「 ビョークは好きです………. 」
「 好きな曲を二つ挙げて下さい 」
「 ペイガンポエトリーと、ハイパーバラッドです。」
「 ……… ですよねっ。 」
「 (笑)………. あの、質問じゃなくなってますケド…….. 」
「 失礼しました。 オナニーは週何回しますか? 」
「 ……………….. 」
「 もう一度聞きます…… 何回、しますか? 」
「 さ ……….最近は、ほぼ毎日…..もう、いいでしょっ 」
「 お風呂場でオナニーは、しますか? 」
「 もう止めてっ 知ってる癖に ! 」
「 先程、お風呂場でオナニーをしてましたか? 」
「 ……….. してましたっ!………. あたし怒るよ! 」
「 最後の質問です。南野 裕を思い浮かべてオナニーをした事はありますか? 」
「 ………………………………. 」
「 裕君で、オナニーをしたことはありますか? 」
「 ………..ありません。 」

そこで 瞳は亜美子を漸く解放し、手を離してその嘘発見機をマッサージした……
亜美子の頼んだデコポンジュースはすっかりぬるくなっていた。

「 ふう、アミは正直だねっ……. 安心して、あたしも答えるから。
あたしの場合、オナニーは大体一日おき………筋肉質な男を想像してすると直ぐイクの….
この漫画は筋肉の宝庫……特に愚地克己にはよくお世話になって………….. 」

「 もう、いいよ……瞳。 あの、前から聞きたかった事があるんだけど …………. その、瞳達って一体…….」

瞳は バキから目を反らさず こう答えた。 『 かごめ 倶楽部 』

「 カゴメって……….あの、昔から伝わってる子供の遊び?………カゴメカゴメって?
あんな、………..かわいらしい事してる訳じゃないんでしょ…….. 実際。」

「 ふふっ…….そうね、一見可愛らしく聞こえるこの遊びの歌詞が表現する、ある意味 神秘的なその光景には 様々な考え方があるンだけど、あたし達は独自の解釈を持っているの………………. 。 」

「 ど……….どういう事?  幾つも考え方があるって…………. 」

瞳は かごめかごめ の歌詞に宿る意味を、最初から順に解体して聞かせた。
それは、耳を覆いたくなる程の生々しさを孕んでいた。

「 まず 『 かごめ 』 これは竹で編んだ籠の目の事を言う説と、オニを囲めって言う意味や、屈めって言う命令だとも言われてンの…………………あたし達は、一人の若い男に狙いを定めて まず囲む ……… 」

急に可愛らしさが吹っ飛んだ。

「 続いて、『 かごのなかのとりは 』……… あたし達に捕まった幼い雄の雛鳥…..
少年は……….. 」

亜美子の脳裏に、4人に囲まれ 顔を上げる事の出来ない裕の姿が浮かんだ。

「 ……『 いついつでやる 』………. 何時になったら侠として巣立つの……….
因に 『やる』 は 西日本で、愛玩動物に対して親しみを込めて使う言葉……..ふふっ…うぶな若い男を愛玩する…….. 」

( ああ 裕君が……裕君が弄ばれて………….もしかして、今コノ瞬間にも……!? )

亜美子の想像通り、裕はその頃………トップバッターあずみに手コキで抜かれた後……..
『 かごめ倶楽部 』 の基地である所のマンション『 残〜ZAN〜 』9階…………瞳の部屋に監禁されていた。
現在 裕は、勧められたビールでしたたかに酔い 目前にある禁断の果実 桃を、かぶりつきたい欲望と戦っていた…………….今はそんな時間帯だった。

瞳の非情な解説が畳み掛ける様に続いている……….

「 ……….『 よあけのばんに 』….夜明けとも言える晩 午前4時前後の微妙な時間帯まで少年を拘束し、愛玩し続ける………ふふっ 」

亜美子は言葉を失っていた…….そして目の前の友人が少し怖くなった。
この犯罪的性行為を……..澱みなく…….バキを読みながら……独白している………もう、聞きたく無かった…………これ以上…..

( もうやめて ……. 瞳 ……. ! )

「 …………『 つるとかめがすべった 』 通常の解釈は縁起物の象徴の2つが滑る事で、良い事や悪い事がおこる可能性を示唆しているとか、長寿の象徴が滑る すなわち、『 死 』を表現しているなんかが一般的だけど、中には 『つるつる突っ込んで入っていった』 なんて解釈も、清元節の浄瑠璃の中でされているの…………..あたし達の解釈はこうよ………『 ぬルッと亀頭が滑ってづるづる突っ込んでいった 』…….っぷふ! 」

バキの内容が可笑しかったのか、自分で言った事が可笑しかったのか解らなかったが
瞳は言葉の語尾で吹き出した……………そしてそのまま熟読に入ってしまった。

亜美子はその間、悪癖の妄想を膨らませてしまっていた………….勝手に頭の中に浮かび上がる裕の淫らな姿……..だが、その相手は自分ではなく あずみであり、桃であり、琴であり、目の前の瞳であった……………妄想の中で瞳が見つめている………. アミ……..アミよ……..

お前はさっき 2回も嘘を付いた……… 一つ目は部活が楽しい理由だ。
お前はなんとなくと答えた……..裕が入部したからだと何故答えなかった? そして二つ目お前は裕でオナニーした事が無いと言った……………..まるで逆だ……………..裕でしかオナニーをした事が無いじゃないか!
お前はあたし達かごめ倶楽部を批判する資格は無い…………….
そうだ、裕を一番穢しているのはお前自身なのだ………….
嘘をついて隠すのが何よりの証拠……………
お前は、裕の事にだけ嘘をついた…………..
お前は裕を、嘘で塗り固めようとしている!

( ダメだ……おかしくなる………… ! )

亜美子の繊細な神経が切れそうになったその時 . ………….. ♪….. ♪ ..♪………… …… …….
店内の有線がこの場所に不釣り合いな旋律を奏で始めた…… …. .. ♪……………. ..♪…. ……
そのオルゴールは、亜美子の震える心を暖かく、優しく、包み込んだ。
やがて語り部のビョークが呟く様にメロディーを紡ぎ出した…………
曲の正体は、ペイガン.ポエトリー だった。

…….. ♪ .. .. ……. . ….. ♪…… ♪♪………..♪ ………

曲の終盤 ビョークは泣きながら同じフレーズを連呼していた……..
I love him…..
I love him…..
I love him…..
I love him…..
I love him…..
I love him…..
I love him…..
I love him…. she loves him …… she loves him …..

ソノ曲に反応する者は店内で誰もいなかった………
只、瞳のバキを読む表情が微妙に引き締まった………様な気がした…………. 。

調理場で、誰かが店長に怒られている……………

「 おいっ…… お前また有線いじったろ……..やめろって言ったろリクエストチャンネルは……..コンナ子守唄みたいなの流してお前………客が寝ちまうだろう! 」

入店してからどのくらいの時間が経過したのだろうか……….
読破後の単行本が右から左に積まれていく……… トーナメントは決勝のジャックハンマーとバキとの一戦を迎えていた………
そこで漸く瞳が口を開いた……..

「 …………『 うしろのしょうめん だあれ 』…… 一説に、夜明けの晩まで男性の相手をさせられ、何時ココから出られるかと嘆いているうちにもう次の相手の顔が後ろに見え隠れし、その時の遊女の悲哀を表したのがこの言葉とされているんだけど、ココで言う所の、『 遊女 』 をあたし達は言うまでもなく 『 少年 』 に置き換える…………
ソノ快楽に歪む表情や仕草、迸るエネルギーを吸ってあたし達はより美しくなっていく!
…………..南野 裕………….彼の……. あれ? アミ…… アミ? 聞いてる? 」

( あ….. 亜美子……! )

亜美子は俯いていた……髪で顔が隠れて表情が伺えなかった。
テーブルにポタポタと2、3滴 雫が零れた………..瞳は驚き単行本を閉じた。
テーブルについて以来まともに見る亜美子は、泣いていた…………..。

「 アミ…. アミごめん あたしっ……………. まさか、そこまで裕君の事 ……… 」

亜美子は黙って頭を僅かに上下させた。

「 瞳………瞳は悪く無いんだ………隠してたあたしがいけないの………….毎晩の様に裕君を穢して …….でも我慢出来なくて、だから………とっても悲しくなって…….あたし………. 」

初めて見る亜美子の涙………………泣かしてしまった………… こんなに奇麗な亜美子を………..
そうなんだ……………..これが今の亜美子の気持ちなんだ………………
言葉など要らなかった。
瞳は亜美子の隣に移動して体を寄せて座った。そして、俯く亜美子の頭を撫でた。
テーブルに落ちる雫が増えた。

「 …….あ、あたし…… 裕君が好きなんだ ……… 」

瞳は黙って頷いて、亜美子を寄り添わせ髪を撫で続けた……………….
時刻は深夜の1時をかるく回っていた。

( 緊急事態発生…………琴に連絡しなくちゃ……….! )

そうだ、ハードルが高いとか低いとか ドーピングしなけりゃ飛べないとか
そんなモノとは違う次元でそれは所構わず、突如天災の様に襲って来る………
選べるモノではないんだ……………. 琴の予感は的中していた…………
亜美子の大恋愛を確信した瞳は 亜美子の手を取り店を出て、琴の携帯を鳴らした。

(  琴出てっ ……. 今、アミの気持ちを確認した……アミは本気だ…….まだ 間に合うか……….. いや………….ダメか….. 出ない……… 二人はもう始めてしまっている………… ! )

第十章 野々村 亜美子 VS 白石 琴

深夜……………..ボロボロの鳥居が街灯にボンヤリと浮かんでいる。
ここは何処だろう……… 真っ暗で何も見えなかった。
光と言えば街灯の電気のみで、だから何も見えなかった……のでは無く、
目隠しをされていたから、何も見えなかった。
土と、雑草の感触が足の裏や臀部から直に伝わって来る。
裕は全裸で体育座りをさせられ、両方の手足を縛られていた…………
その廻りを、4人の着物を着た女達に包囲されていた……….
内二人はあずみと桃…………残りの二人は能面を付けていた。

( 嗚呼…………音だけが聞こえて来る…………. )

聞き覚えのあるアノ旋律……………

…….♪ かごめ かごめ …..♪ かごのなかのとりは………♪ いついつ でやる………♪

( 嗚呼……….この童歌は…………. )

条件反射で下半身がムズムズと反応する…………….

……….♪…よあけのばんに……..♪…..つるとかめがすべった…………♪……………..

(  嗚呼、…………….今度は、誰が来る………….. )

…………♪ うしろのしょうめん だあれ ♪

「 誰だあっ…………….っ………….! 」

………♪……..♪♪…….. そこで 裕は覚醒した。
ベッドの布団の中の隙間から 置き時計が見えた……….日付が変わっていた………
嗚呼、…….なんて物凄い夢だったんだ   ………….. …. ..♪…….
いや待て、 実際に…….まだ鳴ってるぞ !
こ……この着信音は、 桃先輩の………………アノ時に聞いた着メロだ………..
♪……. .. ♪ ♪ ………….. .. ♪………….

布団の中で、何かが動く気配を後ろに感じた。

うわっ! 誰か後ろに居るっ……….!
桃先輩………………….?  いや違う……………….別人だ!

裕は背中に人肌の温もりを感じていたが、
それは先程抱き合った桃のカラダのソレとは、確かに違う感触だった……….

後ろの正面には、白石 琴 が張り付いていた。

「 目、覚めたの ? 裕 …….. 魘されてたよ…………. 。」
「 あ……あなたは?………あ、携帯切れた………… 」

布団の中で二人の会話が始まった……….. 「 ふふっ…….いいの。 気にしないで……. 」

「 も……桃先輩と、同じ着メロなんスねえ……… 」

「 琴達の倶楽部のテーマソングよ。メンバー同士一緒の着信にしてるの……. 」

「 …….倶楽部………って、…… 水泳部の事……….? 」

「 そんな事よりも、桃さんと二人でナニしてたの? この、お姉の家で♡ 」

ザウッ!

裕は条件反射的にフリムキを発動させた。

目の前の顔には、見覚えがあった………..そう、例の4人組の一人だ。悩殺Gメンだ。
知ってる…………..知ってるぞ。この子は、他の3人と何処か雰囲気が違っていたんだ………
裕の脳内で 猛烈に連想ゲームが始まった 。
倶楽部…….4人………あずみ……桃……琴……….お姉の家…….中退した友達………携帯着メロ………テーマソング……  それらから導き出される答えは ……………..

「 ………今日の部活の時、僕の周りに集まった4人が 倶楽部のラインナップなんだね?  ……….ソコにいたもう一人の先輩が…….君のお姉さんと言う訳か………. 」

「 うん 今回 裕と交わりのない唯一のメンバーだよ……….. 」

裕の顔が真っ赤になった…….走馬灯の様に今日の出来事が蘇る……………….. 男子更衣室で突然始まった、水着姿のあずみによる手コキ………….その後立て続けに訪れた桃からの誘い
…………….風呂場での、全裸の桃によるフェラチオ…………….酒と快感で意識を失う醜態……..
1対1の密事では無かった………メンバー全員に共有されていた。
そして今、今日の情事の全てを知っているであろう 琴に、見つめられている…….

「 ねえ、裕 桃さんとどんなコトして遊んだの? あたしにも教えてっ …….. 」

琴のピンクの寝間着が首に巻き付いて来た……. 布団の中に漂うシャンプーの甘い残り香が揺れ動く……………八部咲きの乳房が密着する………..襟元にボンヤリとその谷間が覗いた。
琴は、太腿をじりじりと全裸の裕の股間に挟み込ませ…………..そして、ゆっくりと僅かにその太腿を動かし続けた……………….まるで『アタリ』を待つ釣り人の様に……………….
じっと、その時を待つ……….

『アタリ』 は すぐに来た。 裕の10本の指が、おずおずと琴のカラダを這い出した
………..その触手に合わせて琴のカラダが敏感に反応すると、獲物は簡単に食いついた。

裕は同級生を抱きしめた………..!

襟元から下へと寝間着のボタンを外して行く………
布団の中と言う異空間が裕を夢中にさせた……….
今日の痴態を全て知られた恥ずかしさなどもう何処かに飛んでいた。
ピンク色の布の皮を剥ぐと、そこからプルンとした果実が現れた。
裕は完熟直前のソレに見蕩れた……….
そして無我夢中でソレを愛撫した……………
興奮した琴の乳房の先端は刺激され、固くなっていった……………
琴の荒くなった息使いに刺激され、裕の愛撫は大胆になっていった。
乳房の先端の周りを焦らす様に舌先が転がる………琴はその刺激が乳首に来るまでカラダを震わせてじっと待った……………やがて裕の舌がソコに達すると、自分でも驚く程ビクっと
カラダが痙攣した……….深夜の静まり返る寝室で、琴は幼い喘ぎ声を出し始めた。

「 ……….あ……..あっ……. 」

口の中で、琴の乳首がどんどん固くなって行くのがわかった。
舌でソレをこりこりと踊らせると、琴はその刺激でカラダをくねらせた。
寝間着が大きく乱れる………捩れるごとにその柔肌はどんどん露出して行った………
肩から捲れていくピンクの皮は、スルスルと琴の細い腕をすり抜け床に落ちた
琴は自由になった両腕で、乳房に顔を埋める裕を強く包み込んだ。

「 はあっ はあっ ……..裕  裕っ 」

裕は琴の乳首を舌で責めながら、触手をさり気なく下に伸ばした。
下腹部に達すると、猫の様に柔らかい琴の腹部が敏感に波打った……………
更に触手を下へ進める…………..
寝間着のズボンの紐が絡み付く…………..
構わず中に手を入れた。
下着は、着けていなかった……. 裕の手が陰毛に触れた。
寝間着の中で 柔らかいヒップ 太腿と這い回る裕の触手………
そしてソレは、太腿の付け根の中にゆっくりと潜り込んで止まった。
琴は裕の頭部を胸の中にしっかりと抱えながらその愛撫を受け止めていた。
今、裕の指が女の一番敏感な部分を彷徨っていた……..
そのぎこちない指の動きを察した琴の心臓は一気に高鳴った…………….
琴の鼓動の高鳴りが、乳房を通して裕に伝わった。
裕の心臓も激しく脈打ち、ペニスに送り込まれる血液は既に許容オーバーしていた。
必死に膣を探る裕の指を、琴は腰の動きと喘ぎ声で優しくエスコートした……….
濡れて滑る指が、ソノ部分に触れると、琴は激しく悶えて切ない吐息を吐いた。
経験の無い裕だが、恥をかく事無く膣に到達した。
ぬるぬると中指が吸い込まれて行った…………

「 はあっ ! ………… ンンッ……. ン ! 」

琴の太腿が貝の様に閉じて、腰が跳ね上がった。
裕は驚いて指の愛撫を止めた………..
なかなか愛撫を始めない裕。
琴は顔を赤らめて、裕に顔をくっつけて恥じらいながら催促した……….聞こえるか聞こえないかの小さな声で。

「 ……….いいの……………続けてっ 」

裕は中指の出し入れを始めた……..クチュクチュと音が微かに聞こえて来た。

「 ……あっ  ああっ! アッ……..  あっ! 」

琴は堪らず一段と大きな喘ぎ声を出して激しく悶えた。
腰が逃げる…….だが裕はもう愛撫を止める事は無かった……..逆に逃げる腰をもう片方の腕で抑えてピストン運動を続けた。
琴のカラダは、まるで若鮎の様にピチピチと跳ね出した。
いつしか寝間着のズボンはその悩ましく動く両足の先端まで脱げていた…….もう、全裸同様だった。
夢中で愛撫し続ける裕………このまま続ければ、琴の絶頂を見られる………….
裕はアダルトビデオの某男優を思い出し、指の動きを速くした。

「 あっ!……….ああっ!  んっ!…….. んんっ! 」

お互いが向き合う体位では、体勢が保てない程 琴は激しく身を捩った。
裕は、ビクビク痙攣する琴のカラダに覆い被さって愛撫を続けた………………..
琴の片手が裕から離れ、シーツを激しく握った…………
琴の 悦びに歪む悩ましい顔が、目の前にあった。
ベッドで激しく交わる裕と琴。勢いで布団が床に落ちる……..
クチュクチュと鳴り続ける摩擦音……….

「 ンッ!……….. んッ!……….. ンンッ! 」

クネクネと激しく身を捩り続ける柔らかかった琴のカラダが緊張で硬く強ばった……
裕は本能的に琴の絶頂を感じて興奮した。
琴のソノ顔を見て居るだけで切なくなり、イキそうになった。

「 はあっ! はあっ! はあっ ! ……….. 」

切なく歪む顔を左右に振りながら、琴は小さな声で突然 裕に訴えた………..

「  いくっ………. ! 」

同時に硬く強ばった琴のカラダが ビクン! と激しく波打った。

( はっ! こ…….琴ちゃんっ………… !? )

覆い被さったまま、裕は琴のカラダの興奮が落ち着くのを待った………
呼吸を整える琴が愛おしくて堪らなかった………裕は琴の髪を撫でていた。

琴の柔らかな下腹部に石の様に硬くなった裕のペニスが密着していた。
勃起したまま悠に40分近く放置されていた……..もう、行動は一つしか無かった。

遂にソノ時が来た……! 悠の心臓は張り裂けんばかりに鼓動した。
息が苦しい…….猛獣の様な息使いを抑えられなかった。
腰が勝手に動き出し、琴の膣を弄り出した!

「 あっ 裕っ!……… コレっ……. 」

裕の唇に、琴はそっとラージ用コンドームを押し付けた…………..

「 …….あたしに付けさせてっ………… 」

コンドームを装着されながらも、裕は琴にディープキスをしたり乳房を揉んだりと、愛撫を止めなかった…………..アソコを琴に触られて、もう おかしくなりそうだった。

熱に魘された様な状態になっていた……….出したい…………出したい!

裕は我慢の限界を超えた。
ベットの上で座ったまま、強引に琴を強く抱き寄せた………..

「 あっ………裕っ ! 」

琴の太腿を引き寄せて自分のカラダをカニ挟みにさせ、両方の腕でしっかりと琴を抱きしめ、目の前の乳房に顔を埋めた………….
そしてすぐにその琴のカラダを自らの下半身の真上に誘って挿入を開始しようとした…… !
琴の真下では、いきり立ったペニスがソノ瞬間に飢えて待ち構えていた。
しかし、暴れるソレはなかなか膣に入ってくれなかった……..
裕は焦って片手でペニスを掴んで膣を必死で探した………………

「 こ、琴 達 付き合うんだからね…….. 」

琴も腰を合わせてソレを受け入れようとする…………膣に硬いモノが触れた……………

ハッ! ハッ! ハッ!….. 裕は狂った様に部屋の酸素を取り込んだ。

「  アミ先輩の事、 忘れてよね……..  」

刹那、裕の動きが急停止した 。
本能そのものの、正に野獣と化した 『 侠 』が、ソノ一言でピタリと止まった。
琴は その二文字の強大な力に、戦慄した………… アミ ………….. !
しかし、裕のペニスだけは全く衰える事を知らず、のたうち回っていた………..

( まだ負けた訳じゃない ここは かごめ倶楽部の面子にかけて絶対モノにする! )

「 ………裕 ! いいんだよ もう、楽になろうっ ねっ ほら はやくっ……….. ! 」

「 ………はあっ! はあっ! ああああああああっ!!………. 」

裕のカラダは禁断症状に蝕まれ、激しく痙攣していた…..
琴 VS 亜美子 の激しい鍔迫り合い。
膣と亀頭は接触したまま、お互い譲らず微妙なバランスで釣り合っていた………

「 琴 お姉に誘われて かごめ倶楽部に入ってそれなりに楽しんでた………
正直に言うね………… 琴 こういう事、大好きなんだっ………… 」

琴は全体重を裕に預け、そのまま押し倒した………….

「 コンナ事して言うのも可笑しいけど、 琴 今日で倶楽部を脱退する事にしてたの。解るでしょ? 裕…………….. 」

琴は裕の顔を撫で、唇を熱く重ねた。
琴の髪が、カーテンの様に裕の顔を覆った……….
裕の頭はもう真っ白だった……….もう、何も考えられない状態だった。
只、魘されていた……..苦しかった…………
下半身に堪った毒が全身に廻ってしまっているみたいだった。

「 …….アミ先輩も、今頃彼とコンナ事してるよ……………………..琴は 裕が欲しい……….. なんでコンナに欲しいのか解んない……….教えてよ….. 裕っ! 」

琴は騎上位の体勢に入った………..裕は琴の腰を両手で必死に抑えた。
琴のしなやかな手が裕の粗ぶるペニスを優しくエスコートする………………..
裕は目をしっかり閉じ、じっと震えながらその禁断の快楽を待ち焦がれていた。
勃起したまま何もされずに1時間以上放っとかれていたのだ………….
もう、拒む力が残っている訳はなかった。

只、真っ白な頭で、無意識に一言、……………………………アミ……………………………….。

「 ……………….!! 」

琴 VS 亜美子 勝負アリ……………..
だが、もう止めるつもりはなかった。
琴はソレを聞き流し、強引に肉棒の先端を入り口にねじ込んだ!
こうなったらもう勝負に負けても、試合には勝ってやる………….

「 琴、 そこまでよ ………….. それ以上の強制プレイは認められない ……….. 」

部屋の扉が開けられた事すら気付かない程二人は熱中していたが、
琴は ソノ声を聞いて漸く動きを止めた………….

扉の先には、コノ部屋の世帯主 白石 瞳 が立っていた 。

身長 159cm バスト82cm ウェスト58cm ヒップ85cm
髪は4人の中で一番長く、胸が隠せる位に伸ばしていた。
ソノ美貌は、リーダーに相応しい知性を宿し 同時に男を引き寄せる魔性をも併せ持っていた………..服を着ていても、そのスレンダーで繊細なカラダの魅力は隠せなかった。

「 お姉、もうあたし 倶楽部のメンバーから外れるの……….だから止めないで。」

「 ううん、………..琴はもう 解ってる筈。 さあ、こっちおいで……….」

琴の涙が裕の下腹部に一滴零れた。

裕は我に還った……..
床を見ると、自分が琴から剥ぎ取ったピンクの寝間着が転がっていた。
裕はそれを拾って、ゆっくりと、琴のカラダに羽織らせた………..
堰を切った様に琴が声を出して泣き出した。
裕もつられて涙を流した。

( …… 馬鹿、裕の馬鹿っ………… )
お互い暫くの間、そのまま向き合って涙を流した………….
一頻り泣いた後、琴はゆっくりとスローモーションの様に裕から離れて行った………
別れを惜しむ様に……….でも振り向かず、気丈に……………..
裕に羽織って貰ったピンクの寝間着を両腕でしっかりと抱いて………………姉の元へ。
そんな琴を、姉の瞳は優しく受け止めた………….

「 ゴメン琴 もう少し速く電話してれば ここまで悲しい展開にはならなかったね 」

「 悲しく無いよ あたし………..だって、素敵な体験だったもん…….でしょ? 」

琴は健気に笑ってみせた。
姉は妹を優しく抱きしめて、こう言った。

「 そうね  まあ、相手が悪かったね……. 選手交代。」

二人は部屋を出て行った…………. 瞳は一度も裕と目を合わせる事無く消えた…………..
部屋に静寂が戻った………….気が付くと裕のアソコもすっかり大人しくなっていた。

二人が部屋を出てどの位経っただろう…………..さすがに裕は異変を感じた。
立ち上がって、ドアノブを回してみた…………開かなかった。
鍵が掛かっていた。

( よくよく考えたら出て行くのは、僕の方じゃないか…….. )

ドアに耳を押し当てて、向こう側の様子を伺う…………二人は本当にここから出て行く様だった………….玄関の扉が開き、閉じる音が聞こえた。

( は? アレ………….あれ!? )

裕はドアノブをもう一度回してみた………しかし何度回しても結果は同じだった。
裕は閉じ込められた事を確信した。全裸で確信した。

( これは、まさか最後の一人、瞳先輩のレクチャーによる演出なんじゃ……….?
そう言えばさっき選手交代って……………… そうだ、キットそうなんだ! 始まる…….. また、始まってしまう…………. !)

また下半身が反応し出した………無理も無かった…………..1時間以上も勃起したまま放置されていたのだ………期待と不安と背徳と歓喜と恐れがグチャグチャにブレンドされて、
裕は頭が変になりそうだった。
洗脳と言う言葉が頭をよぎる………..そこで裕は かごめ倶楽部が、外見とは裏腹の恐ろしいチームなのだと思い始めた。

がちゃ…….

扉の向こうで確かに音がした。
今、出て行ったばかりなのにもう…………いや、琴を見送って 瞳だけが一人戻ったのだ。
足音がこちらに近づいて来る!

( 来た……….来た来たっ……………. 来たぞうっ! 瞳先輩っ………… )

目前のドアの向こう側で鍵を外す音がした……………..息を飲む裕。
ドアノブが回転した…………心臓が脈打つ。

ゆっくりと、ドアが開いた!
かもめ倶楽部 最後の切り札 守護神 白石 瞳 がついにその姿を現した……….. !

………….. 瞳先輩 ………….
瞳のオーラに飲まれて顔を全く見る事が出来ない。
部活の時と同じ様に俯く……………服が見えた。
さっきと服装が違っていた。
これは、どんな『 プレイ 』が展開されるのだろう?
それとも裕の思い違いで、このまま帰されるだけなのかもしれなかった…….. と、言うのもソノ姿は 普段着から普段着への着替えにしか見えなかったからだ。
着替えるのであれば、通常はコンナ時はそう、アノ 安室奈美恵の『 プレイ 』と言うアルバムのジャケット写真の様なコスプレをするんじゃないのか?
鞭なんかも、時には必要なんじゃないのか?
それとも、コレが瞳の究極の特攻服…….かごめ倶楽部の正装なのだろうか?

下から舐める様にその姿を観察した……. スラリとした生足のピチピチした太腿の付け根部分がデニムのショート.パンツに隠されている……………….上は、そのデニムのほとんどを覆う様に、大きめのコットンで出来たフード付きパーカーを着ていた……….中はTシャツ一枚の様だった。

裕は驚愕した。

そう、彼女は 野々村亜美子 だった。
亜美子は涙で目を潤ましていた………..
裕は 声が出なかった………只、立ち尽くしていた………………..全裸で。

今度遭った時にこの膨れ上がった想いは間違いなく貴方の前で破裂します……..その時は、しっかりと受け止めて下さい……..この想いの全て…….体を張って、全身全霊で表現してみせるから…………. !

亜美子は、決心していた…….. 室内プール練習場で初めて声を掛けた時から。
白石姉妹から、事の次第の全てを聞かされた。
そして、二人は舞台から降りた……..亜美子に主役を譲って。

見つめ合った……….長い事見つめ合って、亜美子の舞台劇はスタートした…………..
扉は半開きのままだった……
亜美子は裕に全ての神経を使っていたからドアを閉める余裕は無かった……….
ゆっくりと、亜美子はその場でパーカーを脱ぎ出した………
中はやはり、Tシャツ一枚きりだった。
形の良いバストがそのシャツの膨らみ具合から容易に想像出来た。
足下に パーカーが脱ぎ捨てられる………..
続いてデニムのショート.パンツのボタンに手を掛けた…………
深夜の静寂の中、ボタンを外す音 そして、ジッパーを下ろす音が微かに響き渡る…………. 裕の生唾を飲込む音すらその静寂は拾った。
少し窮屈そうにショートパンツが太腿をずり落ちる……..太腿を通過するとそれはスルリと
床に落ちた。

Tシャツ一枚とショーツのみと言う、無防備な姿を晒した所で 亜美子はチラリと裕を覗いた。
裕の硬くなったモノが目に入り、それだけでもう立っているのが困難になった。
自然と深い溜め息が出た………. 三次元の本物の裕…… 気を失いかけた…….
その瞬間、裕が目の前まで前進して来た!
裕には その亜美子の姿が刺激的すぎた。 全裸になるまで我慢出来なかった……………….
そのまま亜美子にカラダを密着させ、壁に押し付けて強く抱きしめ 唇を奪った。
何故亜美子が此処に居るのかなど考えもしなかった。

「 …………ン………….ンンっ………ん 」

あずみから初めて教えられたディープキス…….亜美子の舌も受け入れた………二人は夢中で舌を絡ませ続けた…………….
その状態のまま、裕はTシャツの上から亜美子の胸を揉んだ。

「 ……..フ んっ!……… 」

しばらくそのまま揉み続けていると、Tシャツの上からでも解る程乳首が突起しているのに気付いた。亜美子が興奮している…………..
もう布の上からでは物足りなくなり、触手をTシャツの中に忍び込ませた。
モゾモゾと触手は生の乳房に向かって這い上がって行く…………..
裕の手が乳房に到達すると、ビクリと亜美子はカラダを痙攣させた。

「 んっ!……. フンっ! …….ウンっ! 」

裕のキスはその状態でもまだ続いていた為、亜美子は喘ぎ声を出せずにいた。
触手が、突起した乳首を弄び出すに至り、亜美子は堪えきれず唇を裕から離した。

「 っハアッ…….はっ….はっ!…..ハアアっ ! 」

裕はそのあまりに過敏な亜美子の反応に驚き、歓喜した。
その悶える切なそうな顔をうっとりと見つめながら、もう片方の手もTシャツの中に潜り込ませて両方の乳房を大胆に、円を描く様に大きく揉んだ………
亜美子のカラダはソレに合わせて揺れた。
両方の硬くなった乳首が一度に刺激される時、亜美子は一際激しい反応をした。
Tシャツは捲れ上がり、亜美子のCカップのお椀の様な乳房が露になった。
裕の舌が首筋から下へ徐々に降りて行く………..まるで、ナメクジがカラダを這っている様だった………….程なくしてナメクジは乳房に到達し、焦らす様に乳首の周りを徘徊した…….
そう、その動きは まるで あずみが乗り移った様だった……………
舌が 乳首をチロチロ転がり、遂に亜美子からはっきりとした喘ぎ声が漏れ出した……….

「 あっ!…….ああっ……あんんっ…….. !」

自分でも驚く程の声が出てしまった……..いつも家で抑制されていた分が一気に解放されてしまったかの様な歓喜の喘ぎだった…………..
裕の口の中で乳首が吸われている…….同時に空いた方の乳房も執拗に揉まれた。
その余りの刺激の強さに、気持ちとは裏腹にカラダが逃げてしまうが、壁に挟まれそれも出来ない………. 全身の神経が全て乳房の先端に集中しているかの様だった…………
右の乳首は先程からナメクジとゼリーに攻められている………….そして、揉まれている方の左の乳房の触手が、乳首を弾いた瞬間 アノ衝撃が突然訪れた………….

「 …!?  あっ…… ! アアッ ! 」

亜美子は体勢を保てなくなりその場に膝を突いて崩れ落ちた。

「 あっ…….アミ先輩っ……!? 」

裕も突然の事で戸惑っていた…………….
亜美子は恥ずかしさで一杯になり、両手で顔を隠した。
裕には言えなかった…………もう、イッてしまっただなんて………………… !
何と亜美子は 裕に只、乳房を愛撫されただけで絶頂を迎えてしまった。
余りの衝撃的な初体験に、亜美子は気持ちの整理が付かず そのまま動けなかった。

( また、裕君を置いて一人であたしは……….でも、アノ時は想像の中だったけど、
今は違う……….そうっ…….目の前に本人が居るんだ……..何でもしてあげられる。)

亜美子は両手をゆっくりと下ろして、正面を見た…………..ソコには、気の毒なくらいに
放置された、爆発寸前のペニスが ビクビクと痙攣していた……
片膝を突いたままカラダを起こすと、丁度 亜美子の口元が、亀頭の先端位にあった。
ソレを愛撫してあげる決心をした亜美子は、そのしなやかな指でコンドームを外す。
そして、優しく触り始めた………….. !

「 はっ…….! ハアっ………ああ〜っ…….! 」

裕は歓喜の咆哮をあげた。
待ち焦がれていた愛撫………..亜美子の指が遠慮がちにサオを包み込む……..
やがて、亀頭の先端にアノ時の快感が蘇った…………….!

「  あっ! ああっ! アミ先輩っ! 」

亜美子の髪が下腹部で揺れる……..夢中で亀頭を舐めている………..
桃の様な慣れたフェラでは無かった…….愛おしそうに先端を舐め続けていた………
口で深く出し入れする事を、知らない様だった。
桃の姿が脳裏を過った…………

『 教えてあげて裕君…………アミは賢いから、腰を動かすだけで伝わるよ…….. 』

( も…..桃先輩…….. )

亜美子は一生懸命に亀頭を舐めていた……………
そこへ、裕の腰がモジモジと小さくグラインドを始めた事に気付いた…..
まるで、何かを催促するかの様に感じた亜美子は、サオを持つ手を往復させ、ピストン運動を始めた。男の子のオナニーはみんなこうする事は亜美子も知っていた。
でも、それでは先端がぶれて上手く亀頭を舌で愛撫出来ない………亜美子は思い切って亀頭を口一杯に含んだ……手のストロークは根元辺り限定にして、口で深く出し入れしてあげれば、たくさん愛撫出来る……….
亜美子は誰に教わるでも無く、一瞬でフェラチオと云うモノを完成させていた。
腰のグラインドに合わせ、唐突に激しいフェラが始まった。
裕はつま先に力を入れてその刺激に耐えようとするが、とても二本の足では立っていられず、壁に手を付いて前屈みになってしまった。
下半身がガクガク震えて言う事を聞いてくれない……….
フェラが始まって10秒足らずで、もうソノ時がやって来た….
裕の頭の中がまっ白になった時 今度はあずみが姿を現した。

『 裕君っ 早めに宣言してあげなきゃでしょ….. 』

( あ…..あずみ先輩……… )

ソノ時が来た。あずみを汚してしまった失敗が脳裏を過る……….

「 ああっっ ……..出そうっ! 」

裕のあまりの絶頂の速さに驚き、亜美子は顔を上げ 裕を見上げた。
ソノ瞬間の顔を ウットリと見つめながら 激しい手コキで射精を促した。
ドクッ! ドクッ!……. 亜美子の指に射精の躍動が伝わった。
音が聞こえたかの様な激しい脈打ちだった……..
大量の精子が亜美子の頬を横切って、背後の壁に次々に張り付いた!
壁に勢い良く到達し、撒き散らされる精子の音はしっかりと聞こえて来た。

「 …… ああっ! あっ!……裕君っ…….. 」

切なく歪む顔に見蕩れながら、亜美子は射精の余韻に浸るのだった……..

第十一章 集結、かごめ倶楽部

AM 2 : 30

漫画喫茶 『 デコポン 』
奥の4人席では あずみと桃が寛いでいた。
二人は 作業を終えて喫煙所で一服する建設現場の職人の様に談笑中だった。
桃は実際に一服していた。

「 上手く行ったの 桃 」

「 あたしはね……..只、チョットアゴがまだダルいんよ(笑) 」

「 基地 使ったの? あたし、あそこチョット苦手なんだよね…….なんか変な形だし、そこら中壊れててさあ……. 桃 恐くない? 」

「 そこがまた、キッチュ で良いんじゃない ………. キッチュ! 」

「 またお気に入りの単語見つけて来たなあ ………. 」

「 でもアレよ……..老朽化で近いうち取り壊しが決まるって 瞳 言ってたよ。裏の螺旋階段の出入り口も直そうとしないし、もう決まりね…….. 」

「 それはあたしも聞いた……….かなり立ち退きも進んでるみたいね。 瞳 面白半分に断ってるんでしょ? ……….私は出て行かんっ!………… みたいな。」

「 ……….大家に 占拠屋だと思われてるらしいよ。」

「 う〜ん…….. 今 アソコに出入りしてんの私達位なもんじゃない? となると、アタシ達も占拠屋だと思われちゃってるよ 絶対! 」

「 (笑) かもね。 もう、大家VS瞳 みたいになってるねアレは………だって、瞳の部屋の玄関正面 改修しなきゃ危ないのにやらないじゃん……….いくら取り壊し決定でもアレは嫌がらせでしょ……..下手したら瞳いつか落ちるよ。」

「 あははっ………そんな事どうでもいいけど琴ちゃんの方は上手くヤってるかなあ。」

「 …………ソノ事だけど、琴ちゃん あの子にヤラレチャッタみたいナンよ…….. 」

「 犯されちゃったのお ?  え? 」

「 いや、そうじゃなくって……… 今日のアミのアレ見たでしょ? 裕君に手を振っちゃって…….ソノ時、琴ちゃんすぐ解ったんだって。
アミが、自分と同じ感情を裕に抱いてるって…………….. 」

「 えっ……. 放置プレイ……? 琴ちゃんが? 」

「 (笑) いや、流れを掴もうよ あずみ……. 逆よ、逆………….
放置プレイなんかじゃなかったって事。
アミは本気だったンよ だからいざ芽があると解るや緊張して逃げちゃったと……….
好きになった者同士感じたんだって話っ。」

「 ………..ん?   それって、 琴ちゃんが裕君に人目惚れ………..って事? 」

「 そうヨ。 素敵でしょ? あずみと更衣室で別れた後、二人で打ち合わせしてた時に聞かされたンだけど………. どう思う?」

桃はそう言って 煙草をもみ消した。

「 えっ、 そうなると どちらが先に裕君に手を付けるかでしょ?………..圧等的にかごめ倶楽部の琴ちゃんが有利じゃん。」

「 そうなンよ〜 普通なら、かなりの下手を打たない限り琴ちゃんの勝ちは確定。
普通ならね………でも、相手は あのアミよ……. ハンデが無いと勝てないって。」

「 ハンデねえ …………… 桃 何かしてあげたの? 」

「 うん。 今 アミが彼氏と一緒だって 裕君に仕込んでやったの 。」

「 ………..そ………それでは、アミに勝ち目は無いよ。」

「 そう、昔 新日本が前田日明を潰す為にアンドレとのシュートマッチを組んだ事があったじゃん….. その位のハンデはあるわね。」

「 えっ……あったじゃんて言われてもね……… でも、そっか 琴ちゃん真剣なんだ 」

あずみはレモンティーを手元に引き寄せた………..その隣に、見覚えのある単行本がいつの間にやら積まれているのに気が付くと、顔を上げてキョロキョロ辺りを見回した。
そしてあずみは少年漫画のコーナーに、その単行本の主を発見した。

「 桃 知ってた? いつの間に来てたの アノいつか落ちる人 。」

「 …………….あっ! 琴ちゃんも居る もう勝負がついたか……….. 」

少年漫画コーナーで姉と二人して漫画を値踏みしていた琴が意地悪そうに笑った。

「 おまたせです。あずみさん 桃さん 」

「 ………….無いのよ3巻が。 誰? あたしのバキ盗ったの 」

「 お姉、喜ばなきゃ………..仲間が居るんだよ。同じ感性の仲間がコノ空間に 」

そう言って、最後に琴が4人席に座り、かごめ倶楽部全メンバーが『 デコポン 』に集結した。

「 あ。 琴ちゃん あたし今、桃から聞いたんだケド……..その….. どうだったの !? 」

瞳は バキの最凶死刑囚VS地下闘技場闘士編を最初から読みながら琴の代わりに答えた

「 琴は敗れた……..今日限りでかごめ倶楽部から脱退するわ。」

「 えっ….!? 」

驚きの声を上げたのは桃だった。

「 琴ちゃん………うそでしょ? 」

「 ホントです…….今日で終わりにします。」

「 ソレもだけど………..敗れたって……….何?」

店員が来て、会話は一時中断された。
コースターを琴と瞳の前にソッと置き、注文を促した…………ひどく無口な店員だった。
背丈はそこそこあったが、猫背であった。
インフルエンザ対策の為かマスクをしている為に表情が読めず、年齢不詳だ……….. 。
唯一伺えるその目には陰が籠っていて どう見繕っても、手錠がよく似合う犯罪者側の人間に見えた。
ココの店員は彼一人しか居ないので、約2時間前 有線でペイガンポエトリーをリクエストして 店長に怒られていたのは コノ男に間違いなかった…………………….. 名前も不詳だった 。只、名札には、店長に意地悪されているのか 平仮名で『 まちゅい 』とマジックで書かれていて、それを強制的に付けさせられている様だった…………….

「 あたし紅茶で…… 」

「 デコポンセットのオレンジジュース。 みんなも食べて下さいねっ 」

店員はメモ書きした後、ポケットからコースターを一つ取り出し、何故かあずみの前に さり気なく置いて去って行った。

あずみはコースターの裏のメモ書きをチラリと覗いた後、財布の中に無造作に放り込んだ

「 あずみの指名か…… 琴じゃなくて良かった………アミと一緒の時に招集のオルゴールが鳴ったから、嫌な予感がしてたんだけど……… 」

バキから目を逸らさずに瞳が呟いた。
それを受けて、あずみが言う…………

「 でも 今日はペリカンが鳴らなくても集まらなきゃの日だったと思うよ 」

……….彼は、犯罪者だった。 そう………… ここの店員は、売春総合組織の窓口で、かごめ倶楽部と提携を結んだエージェントだった。かごめ倶楽部の活動は多岐に渡っていた……あずみが財布に放り込んだメモには、普通の人では解読不能な殴り書きで場所と日時と作業内容が こう書かれていた………

[ 作業内容……. 不感症治療 A ]
最後の A は仕事の難易度を示していた。
相手の素性は一切伝えられない…………………..
店員が何処で客を見つけて来るのかは謎だった。
仕事の依頼が入ると、リーダーの瞳の来店時に有線をリクエストチャンネルに合わせ、
ペイガンポエトリーを店内に流す。
瞳はそれを受け、全員を招集する………..かごめ倶楽部と店員は、注文以外の会話を一切交わさない…….目さえ合わさない徹底ぶりだった。
なので、全員が集まるまで依頼内容は何日でも凍結させる。
全員が集結した所で、初めてメモの殴り書きをコースターで隠し、御指名の相手に手渡す仕組みだった。
跡がつく携帯での連絡は論外だった…………それ以前に店員は、携帯を持っていなかった。

「 なんとなく、あたしも今日のアミの行動が気になってたのね…….で、少し調査したくなって、アミをさっきココに呼んだの。だって、あのアミが男に真剣になってるのがホントだとしたら琴に勝ち目は無いもの………結果、琴の予感は当たっていた訳。 あたし 気付くのが遅過ぎた…………」

「 …….まさか……まともにぶつかった訳じゃないンだよ……….あれだけのハンデがあって、琴ちゃんのそのカラダを拒んだって言うの? 信じられない……………. 」

「 そうだよっ 無理無理っ……. もしそうなら アミは 化け物だよ…….. 」

あずみが桃に同意した。

「 ……… 化け物だったんですよ…………琴、途中アミ先輩が怖くなりました………. 」

その言葉を、瞳が補足する。

「 一時間以上勃起したままのソレを何も愛撫されずに放置………… 腕の中には自分との交わりを望む同級生の美少女のカラダ……… もう、アノ時の裕君は完全に 侠 だった……. 本能剥き出しの動物と化していた……. 野獣がソノ欲望を解放し、琴がソレを受け入れる瞬間に言った一言……….. その一言が、暴れる野獣をピタリと止めてしまったの……。」

息を飲むあずみと桃。

「 琴、ソノ時 アミ先輩を忘れてって言ったんです……だって、琴も真剣だったから。」

「 そ……そんな馬鹿な……..アミには彼氏が既に居るって言ってあるのに…… それでも……
止まるものなの ?…………..ソノ状態から……….その言葉だけで…………….」

「  じゃあ、………あ ……あたし達も、途中 アミって言葉使ってたら ……….. 」

「 多分、強制プレイになってたと思うよ……… それだけはダメ……… 」

それでは相手からのパワーは貰えない……..むしろ毒が廻る…………琴も危なかったのだ。
野々村 亜美子 恐るべし………… あずみと桃は絶句した。

「 アミが裕君と大恋愛に溺れているのを確信して、あたしはすぐに琴に緊急の連絡を入れたけど……..一歩遅かった……….もう、ソレは始まっちゃってた。」

かごめ倶楽部のテーマ ……… かごめかごめ の着信音………….. 。

「 だから あたしはアミに全てを教えて、そのまま基地に連れていった。
あたしがいつも仕事帰りに護衛で使ってるタクシーに無理を言って暴走して貰ったケド、ここからだと30分は掛かったかな………基地に到着して部屋へ入ると、寝室から二人が
ヤッている声が聞こえて来た……..裕君と琴は真っ最中だった。
ドア越しに、琴の激しい喘ぎ声が聞こえて来た……. アミは目に涙を浮かべて帰ろうとしたけど、あたしは引き止めた。望みは薄いけど、その時 琴と裕君のSEXはまだペッティングから先には進んでいなかったから。」

「 裕君と琴はエッチに夢中で全然気付かなかったんですよっ…….まさか壁を隔てて、 向こう側でお姉とアミ先輩にアノ声を聞かれていただなんてっ…………. 」

琴は顔を赤らめて、反抗的な目で 姉の強引な行動を批判した。

「 …….. 壁を隔ててかあっ…….. それ、今日あたし達もそうだったよ……..ねっ 桃 」

「 ……….そんな事もあったね。もう、あんな昭和の漫画みたいな事させないでよ。」

「 アミは、あたしの意図を汲んでくれて 黙ってドアの前に立っていた…….でも、裕君に攻められて 琴が絶頂の喘ぎ声を出した時に、アミはあたしに抱きついて呟いたの……
もう耐えられないって……….あたし、外で待ってるから 結果を教えてくれって…. 」

………… なんて話よ……….. 桃が呟いた……………..

「 あたしはソレに同意した。そして、あたしは寝室のドアを僅かに開けて アミ対琴のジャッジメントをしていたって訳………. 」

桃は想像していた……….亜美子が、外で一体ドンナ気持ちで待っていたのかを。
自分の好きな男が別の女と、この扉の向こう側で熱く交わっている……….. もう、止める事など出来る訳が無い………..おそらく裕は最後の一線を超えてしまうだろう……………
それでも僅かな希望を胸に秘めて、瞳に全てを託す………
祈る亜美子の姿が思い浮かんだ…….玄関の扉は、夜明けまで開かないかもしれない………
それでも亜美子は祈り続ける……….  月明かりに照らされて、亜美子が祈る………
桃は目薬を差す時の様に天井を見上げた………..涙が零れそうになったから。

祈りの先で、その扉はゆっくりと開かれた………. 亜美子は顔を上げた。

「 急いで琴を着替えさせて 外に出ると、涙で目を赤くさせたアミが待っていた。
何も言わないでも アミは賢いから全てを受け止めてくれた……. 俯く琴を優しく抱きしめてくれた………… 」

「 あんな人に、勝てる訳ないですよね………. 」

「 あたし達はそのまま部屋をアミ達に譲って、今に至るって訳………….あっ、スペアキー渡すの忘れた………まあいいか、日曜日だし あたしが帰るまでゆっくりお留守番して貰おっか…………….. 二人きりで ♡ 」

「 えっ じゃあ、 今 裕君とアミは…………….! 」

「 今回 あたし達かごめ倶楽部は 裕君とアミに最強のお膳立てをしたって訳…….
原石をあたし達が磨いてダイヤモンドにしてから、アミに渡してあげたんだもの………. 」

「 お姉の言う通り、 琴もそう思いたいです………. なんか、みんなで力を合わせたみたいで達成感あるじゃないですか。」

「 あたしは今回出番がなかったけどね………だから、みんなが羨ましくて……….. 」

「 そう言えば お姉アノ時、選手交代って………. アミ先輩次第では可能性が…… 」

「 コノ上 瞳まで参戦したら、裕君完全に崩壊してるよ……….. (笑)」

桃が天井を見つめながらそう呟いた。

「 崩壊すると言えばアミもそうよ…….. 相手の想いと自分の想いが最高に高まった時のセックスがどんなモノ凄い快感か…….テクニックなんてものは二の次………
想いの強さがイコール快感の強さ………….それが動物の交尾と違う所でしょ…….って事で、今日のアミのカラダはトンデモナイ事になるっ!……………. ♡ 」

その言葉に、3人は息を飲んだ………….

第十二章 南野 裕、遂に侠になる!

AM 3:15
マンション『 残〜ZAN〜 』901号室

その寝室の半開きの扉から、亜美子の熱い喘ぎ声が漏れる。
ソレは 完全に感情を解放させた、出し惜しみをしない歓喜の喘ぎ声だった。
水泳部の二人はベッドの上で激しく交わりながら泳いでいた……….シーツが音を立てて捲れあがる…………二人はシンクロの選手の様に、時に上になり 時に下になりながら海の底で絡み合う蛸さながら、お互いのカラダを複雑に絡ませ必死に求め合っていた……..
ベッドの廻りには、コンドームの空き袋と一緒に 二人の着ていた衣類が全て脱ぎ散らかされていた。
何も付けていない亜美子は、そのあられもない姿を出し惜しみする事無く曝け出し、
感じたままを裕に表現していた。
裕に両腕でしっかりと抱きしめられながら、乳房に顔を埋められ、執拗に乳首を舐られた。 亜美子は端正な顔を切なく歪ませて、両手で裕の髪を強く掻き乱す……
やがて裕の舌が乳房を離れ、だんだん下の方に移動して行くのが両手に伝わって来て、その先に何が起こるのか想像した瞬間、胸が張り裂けそうになる亜美子だった…..
想像通り、裕の舌は クリトリスの愛撫に向かっていた…….
舌が、柔らかな曲線を下に向かって通過する度にビクビクとカラダが悦んだ。
今の亜美子のカラダは全身が性感帯と化していた……… 捩れるそのカラダを両腕でしっかりと固定させながら、裕の舌は遂に下腹部の辺りまで来た。
陰毛に裕の顔が触れたのがわかった…………下腹部が激しく波打つ。

「 はあっ! はあっ! はああっ! 」

いよいよアソコを攻められる………ソノ刺激に備え、酸素を求めて亜美子の息使いが大きく乱れた。
裕の顔が、太腿の根元に埋もれて行く……… !

「 あっ イヤっ….. ! 」

気持ちとは裏腹に太腿を窄めて抵抗する亜美子。
だが、裕は解っていた………
亜美子がソレを強く望んでいる事はそのカラダの反応が教えてくれていた。
下半身を両手でしっかり抑えて、半ば強引に顔を太腿の谷間に押し付けると、太腿は恥じらいながら、ゆっくりと緩んで行った……
その柔らかな太腿に挟まれながら、裕は舌と唇を使い夢中でクリトリスを探した。
カラダの反応と声で、ソノ位置を特定するのは琴との交わりで学習していた。
ついに唇がソノ部分に到達して、触れた。

「 …..ハッ….! 」

ビクっと下半身が反り返り、驚いた様な声が聞こえて来た……..
裕はソノ部分を執拗に舐めていると、見る見るうちに豆状の何かが大きくなるのを舌で感じて、内心驚いていた。クリトリスの勃起を裕は初めて目の当りにしていた…..

「 はあっ! はあっ!!………. あっ….あんっ! 」

悶える亜美子。
下半身を固定されているので、上半身のみを激しく捩ってソノ強烈な快感を無我夢中で表現する。
シーツを掴んだり 裕の髪を掴んだりと、両手が忙しなく動き回る。
大きな声が出てしまいそうになると、つい癖で口を塞ぐ仕草が出てしまい、恥じらう亜美子だったが、裕の舌が皮を巻くって 大きくなってしまったクリトリスを直に愛撫し出すと、もう余りの刺激の強さに完全に我を忘れた。
腰をホールドする裕の手に触れると、亜美子は必死にその手を求めて繋いだ。
行き場を失った亜美子の両手に力が籠る。 絶頂が近い…………..!
両手を裕に拘束されたまま亜美子が蛇の様にカラダをくねらせて刺激に耐えようとする。
柔らかい太腿が裕の顔に激しく擦り付けられる……….つま先がピンと反り返る。

それが絶頂の合図だった。

亜美子は目をしっかりと瞑り 頬をピンク色に染め、その顔を悩ましく仰け反らせながら裕に絶頂を宣言した!

「 あ イク….. !  いくっ ! 」

亜美子のカラダが逆エビに反り返り、全身に力が籠る……..!
ぎゅうっ! と、強く太腿が裕の顔を挟み込んで痙攣する。
仰け反った亜美子の顔は、髪と一緒にベッドから零れ落ちそうになっていた……..
そのままの姿勢で亜美子は絶頂の余韻に浸り、極度に不足した酸素を激しく吸収しながら回復を待った………….

裕は激しく上下する亜美子の腹部に包まれながら、じっと 興奮する自分を噛み殺し、
押さえ付けていた…….自分の愛撫で今、亜美子が イッた………….!
その、可愛らしい絶頂の声がまだ耳をくすぐっている。
裕の股間はコンドームにピッチリと締め付けられて、はち切れんばかりに勃起していた。

………… 今、全ての条件が整った……….!

裕は、絶頂の興奮からまだ醒めていない亜美子に覆い被さる……….!
野獣の様な粗い息使いが亜美子の耳をくすぐった………石の様に硬いペニスが股間に擦り付けられている。
亜美子は堪らなくなって裕をしっかり抱きしめ、耳元で裕の名前を囁きながらその唇と舌で耳を執拗に愛撫した。
裕の理性はそこで完全に吹き飛んだ。
裕の腰が複雑に動き、亜美子の太腿に割って入り亀頭を濡れた膣に押し付けた!
亜美子もソレを迎え入れようと腰を夢中で動かす。

そして遂に….遂に、亜美子の膣が、裕のペニスを亀頭の先端から飲込み出した!
硬くて熱いモノがどんどん亜美子の中に入って来る…….!

「 うンンっ!…….. んん….んっっ! 」

亜美子は表情を激しく歪ませて顎を突き出し、大きく仰け反った。
眉間を寄せて瞼を閉じ、口をしっかりと結んでその衝撃に耐える亜美子の顔が裕の目の前にあった…………. ペニスは根元まで飲込まれ、ギュッ!と締め付けられた。
裕はうわ言の様に、亜美子の名前を泣きそうな声で呟きながら亜美子の頬や瞳に手当たり次第に口づけした。
亜美子は裕の唇を感じると口を開けて舌でソレを迎え入れ、激しいディープキスを懇願した………..完全に一つになった二人は強く抱き合った………….お互いの手足をお互いのカラダに絡み付かせて、ベッドの上を所狭しと縺れ合った。

裕の息使いが、突然リズミカルなモノに変化した。
更なる刺激を求めて腰を動かし始めたのだ………..その動きに膣は敏感に反応した。
キツくペニスが締め付けられる……..が、裕の腰は止まらなかった。
息使いが徐々に激しくなっていった……….
その衝撃に耐えようと亜美子は裕の背中に廻した両手の指に力を込めた。
そして、誰に憚る事無く よがり声を出し、その快楽を夢中で表現した。
裕の大きな肉棒が膣の内壁を擦り付けながら音を立てて激しく往復する………….その往復運動が亜美子のカラダ全体を大きく揺らした。
腰を突き出される度に亜美子の乳房はプリンの様に震えて形を変えた。
ベッドが軋む音が激しくなり、亜美子はいよいよその刺激に耐えられなくなって来た。
暗い寝室に、一際大きなよがり声が響き渡った。

「 あっ! ああ〜っ! あっ…… ア〜! 」

顔を左右に振って髪を振り乱す亜美子。
まるで鞭の様にしなる亜美子のカラダと悶える声に触発され、裕は狂った様に腰をグラインドさせて絶頂に向かって暴走した!

ギシッ! ギシッ! ギシッ! ギシッ! ギシッ! ギシッ! ギシッ! …………..

ベッドのスプリングが悲鳴を上げる……..!
シーツが時化の海の様に波打つ……………. 快楽の荒波に揉まれる二人………..
亜美子の中で、裕のペニスが射精寸前の痙攣を始めた!

二人の直ぐ目の前に絶頂の大波が押し寄せる!
裕は必死に亜美子にしがみ付き、乳房に顔を埋めた!
ハアッ! ハアっ! ハッ!! ハッ!! ハッ!! ……

裕のもがき苦しむかの様に連続する激しい呼吸音が急に止まり、次の瞬間 『 うっ 』
と言う 低い呻き声が深夜の暗い寝室に響き渡った!
コンドームの薄皮一枚を隔てて、迸る熱い射精の脈打ちが膣に伝わる!
亜美子は、乳房の中で歓喜の呻き声をあげる裕の顔を………………激しく痙攣している裕の下半身を…………..裕の全てをカラダ全体で受け止めた !

ドクッ! ドクッ! ドクッ!……
ペニスの痙攣に呼応する様に 亜美子にも絶頂の大波が襲って来た…….
ギュウッ と膣が痙攣する!

「 ……. ハッ ! ……..っ!! 」

亜美子の絶頂は、まさに失神しそうな程の大波だった。
カラダが危険な反応をした………….. 息が、止まった。
痙攣が止まらない…….. ガクガクと、電気ショックでも与えられたかの様だった。
膣が 恐ろしい力で裕のペニスを締め上げ、精子を一滴残らず絞り出す。
まだ痙攣が止まらない……….呼吸が、出来ない。
裕は波打つそのカラダの上で乳房に顔を埋めながら、射精後の余韻に陶酔していた…….

射精後のペニスの興奮が収まっていくのを感じ、そこでようやく膣の痙攣が収まり、息が出来る様になって来た……….

「 ハアっ! ハッ! ハッ! はあっ!…… はああっ! …….. はあっ! 」

酸欠状態の寝室で僅かに残った酸素を二人で分け合う……………….冷静になって行く意識の中で、膣痙攣を起こす寸前だった自分のカラダに畏怖感を覚える亜美子だった………..
しかし同時に、裕に自分の全てを表現出来た悦びにも浸っていた。

時刻は AM 4:00
深夜と早朝の狭間 …….. 夜明けの晩だった……………

観客のいない、亜美子と裕の舞台劇はこうして幕を閉じた。

第十三章 つるとかめがすべった……..

…………. 裕は携帯の着信で目が覚めた。辺りを見回すとそこは台風が過ぎ去ったの如くの有様だった………… 二人の脱ぎ捨てられた衣類と、掛け布団…… ベッドのシーツはクシャクシャになっている…….. そのベッドに、全裸の亜美子が横たわっていた。
可愛らしい亜美子の寝顔に見蕩れて息を飲んだ………携帯の着信が自分のモノだと来付かない程見蕩れた。
カラダを起こし、冷静に亜美子の全身を改めて観察する……… 青年誌のグラビアから飛び出して来たかの如し、完璧な裸体だった。このカラダと自分はSEXを……….これからも…….
裕はお椀の形をしたソノCカップの乳房におそるおそる手を伸ばした………
と、その時 再び裕の携帯が鳴った。

「 …………ん…… う〜ん …… っ 」

亜美子がその着信に反応して目を覚ましてしまった。
裕は手を引っ込めて、散乱した衣類の中から自分の携帯を手に取りそれに出た。全裸で。
目を覚ました亜美子は、置き時計の針を見てまだ4時15分を少し廻ったばかりだと解る。一瞬だけ深い眠りに落ちただけだった………. 恐ろしい程のオーガズムを体験したのがつい数分前の出来事とは思えなかった。裕の姿を見つけて安心する。
今日から自分の彼氏になる人は、携帯に出ていた。全裸で。自然と微笑みが漏れる。
ふと、自分も全裸を意識した……ゆっくりと掛け布団をソノ体に巻き付ける。

( 今日は日曜日だ……… 一緒にもう少し寝よう ♡ )

亜美子は布団から顔だけピョコンと出して裕を見つめ、話し終わるのを待った。
パクッと携帯の閉じる音を聞いた亜美子は胸をときめかせ裕が布団に戻るのを待った…….

「 は …….. 早く帰んないとココに来るって……..  親が 。 」

「 えっ? 」

「 コレ、この間 親から初めて許可されて貰ったんだケド……..GPS付きだから 居場所わかっちゃう携帯みたいで……… ははっ………… 」

「 怒ってんの親? 大丈夫 裕 ? 」

「 ……… うん、帰るよ。」

「 ………..やだ 。」

亜美子は拗ねてみせた….. 体に布団を巻き付けたまま、上半身だけを起こして。
その雪ダルマみたいになった状態の、亜美子の膨れっ面を裕の両手が優しく包み込む。

「 ……. 今 一緒に寝る事が出来たら、物凄く良い夢が見られそうなんだけど……… 」

ゴメンねと一言、亜美子を見つめる優しい眼差し………..
亜美子は、自分が子供になったかの様に感じた。
もっと拗ねて、だだを捏ねたくなるような…….. そんな包容力を含んだ表情をいつ身に付けたのだろう…….
裕は、すっかり大人っぽくなっていた………. 少なくとも亜美子にはそう感じた。
かごめ倶楽部の調教がもたらしたモノか、亜美子との熱い夜がそうさせたのか……….

原石は、すっかりダイヤモンドに変わっていた………
高校ルーキーは、いつの間にかホームベースを踏んでみんなに祝福されていた……….

裕は着替えを済ませ、寝室を後にした。
後ろから亜美子が付いて来た……..

「 あたしも一緒に帰る。」

「 そうしたいケド、瞳先輩 鍵持ってっちゃったみたいだから(笑)どちらかが留守番してあげなきゃ…………. 僕、家帰ったら少し寝て仕切り直すよ。で、また今日遭おう!」

亜美子の表情が パア〜ッ と明るくなった。
また、今日 遭うっ…………. ♡
亜美子が大きく頷くと、裕は踵を返して急いで玄関を飛び出して行ってしまった。

( …….. 裕は、まじめな子だナ……….親にも大切にされてんだろうな……..それにひきかえ家の家族は今頃暴睡中だな……..携帯の一つも鳴らして来ないや……..ふふっ………… )

父と母、その他約一名の家族の寝顔が次々に浮かんで来て笑いを誘った。そこへ突然裕の顔が頭の中に割って入って来て、寂しそうにサヨナラと呟いた………亜美子も一旦サヨナラを言いたくなった。まだ間に合う。ココのエレベーターは物凄く遅いのだ。エレベーターを待つ裕を想像しながら玄関のドアを開ける。が、裕は既にソコに居なかった。

( ……. はあ……… まじめなのはいいケド そこまで急ぐ事ないじゃん………..裕の親、そんなに恐ろしい人なのか?? )

亜美子は小首を傾げながら部屋に戻り、寝室のベッドにモゾモゾと潜り込んだ。
そして直ぐ深い眠りに落ちる……..

……………裕……良い夢、……見てネ …….. ゆ….う……… …. … .
落ちる寸前、何故かデコポンでの瞳の言葉が頭に浮かんだ。
夜明けの晩に……..つるとかめがすべった…….. 縁起物の象徴……….長寿の象徴が滑る…….. すなわち……

野々村 亜美子 と 南野 裕
これを最後に二人は二度と顔を合わせる事は無かった……………

第十四章 『 残〜ZAN  』やらかす!

9月 12 日 AM 8:00

野々村家 朝の食卓。
わっしょい わっしょい…………….. 昨日に続き今日も元気に米をかき込む浩。
今日は日曜日なので、亜美子以外の全員が一緒の朝食だ。

「 浩 あんた零した米ちゃんと拾いなさいよ…… だらしない。 」

「 ……… 彼女出来ないぞ! 」

「 ……誰に似たんだか……. お姉ちゃんを見習いなさいよ。」

「 おい、母さん 今のは何だ………..誰に似たって!? お父さんはモテたぞ……… 所で
亜美子はどうしたんだ? 」

「 …… 昨日の晩に瞳さんと出てったぞ 。」

「 そうか、瞳チャンと一緒なら安心だなっ なあ母さん………!  」

「 …….. そうねえ、昔からしっかりした子ねアノ子も……. 所で浩、あんたピロシなんだって? ………. ぷっ 」

「 おいっ! 母さんまで止めてくれよオ……..なにウケてんだよ…….. 名付け親だろ!? ちゃんと普通に呼んでくれよオ……… 」

「 おいっ、ピロシ! NHKにしろNHKにっ……… 馬鹿になるぞ民放は!」

「 ……… ピロシはこれ以上馬鹿になりませんよ……… ぷっ …… 」

親父まで………..浩は瞳を恨みながらチャンネルをNHKに切り替えた。
辛気くさいスタジオが映し出され、地味な髪型をした男のアナウンサーが昨日のプロ野球中日対広島の結果を報告していた……….. 若干の笑顔で当たり障り無く報告した後、一転して表情から笑顔が消えて無表情なカメラ目線となった。

……. それでは、今入って来た事件です。今日の早朝、○○市△△区のマンション9階から、少年が足を滑らせて転落し、全身を強く打って病院に運ばれましたが間もなく死亡しました……….

映像がマンションの屋上付近を映し出す…….. そこにテロップが被さる…….
マンション名 ………『 残〜ZAN  』…………….

「 おい、これ近いんじゃないか? 母さん 」

「 ええ ……なんか聞いた事あるワ……このマンションの名前…… 」

映像は転落場所を映し出していた……..生々しい血痕がチラリと覗く………アナウンサーの声が遠のく……..心臓の鼓動が速くなる…………….現場の映像に被さる死亡した少年の年齢………そして、名前……….

「  ゆ、 裕 〜 〜 〜 〜 っ !! 」

「 なんだ 浩、知り合いか!? 」

プルルルルルッ…………プルルルルルッ…………….

電話が鳴る。思いっきり嫌な予感がした。母親がそれに対応しようと席を立とうとしたが、裕はそれを制止して自分が電話に出た……… 予想通り、それは警察からだった。

『 野々村様のお宅でしょうか……… こちら△△区警察署です。今こちらで長女の亜美子さんを保護しておりまして、実はですね…….亜美子さんなのですが、今朝マンションから転落死した南野 裕さんと今朝まで一緒に居たと言う事で、事情をお聞かせ頂いている所なんですが、かなりショックだった様でして…… 途中から全く口を聞かなくなりまして放心状態と言うかですね、一度御両親同伴で事情をお聞かせ頂きたいと思いまして……. 』

「 ……. 解りました。今 向かわせます……… 」

電話を切る浩に、いつにない只ならぬ雰囲気を察した二人は黙って浩の言葉を待った。

「 親父、△△区警察署へ行ってくれ…….姉貴が保護されてる。」

「 ……. そうか。」

親父はそう言って立ち上がり、車のキーを手にすると黙って部屋を出て行った。
母親は裕の顔と、テレビ画面を交互に見て 流石に不安を隠せない様子だった……

( ….. 裕………お前との約束、確かに実行はした……. しかしその日の内に姉貴をモノにしたと言うのか………? まさか、姉貴も裕の事を……….そうか……..そうだったのかよ!)

裕は椅子にゆっくり沈み込んで、ガックリと項垂れた……..

「 ……..なんて話だよ。」

感情を抑えたアナウンサーの声が続く………

……尚、このマンションは、近く取り壊しが決定しており、少年が足を踏み外したと思われる非常階段付近も手摺等が壊れたままの状態で放置してあり、警察は管理人から事情の説明を聞き、この管理人に任意同行を求め……….

最終章 第四の人、合流!

それから数週間が経ち、プロ野球は セ パ 共にクライマックスシリーズを戦っていた
……….季節が秋の始まりを告げようとする、今はそんな時期だった…….

裕が死んで、亜美子は水泳部を辞めた……. それどころか、学校も辞める勢いだった。
何日も何日も学校を休んだ…….. その間、あずみと桃のかごめ倶楽部メンバー二人は一度も亜美子と顔を合わす事はなかったので、彼女が何処で何をしているのか全く想像もつかなかった…………
放課後の水泳部屋内プール練習場……… 亜美子と裕の物語はここから始まった。
二人の中で、ソノ数奇な物語は伝説となっていた。あずみと桃は更衣室で制服に着替えながら、その伝説に深く関わった当事者として複雑な思いでアノ一日を振り返っていた。
アノ日の伝説は、関係者の間では 『 9.12 』と呼ばれていた………..

「 プールの水 何時からあったかくなったのよ…….. 」

「 え …….. 知らなかったの? 桃 部活サボり過ぎ!………..アミが退部してすぐだよ。  この学校から国体選手とか絶対出ないねっ…….. 」

「 そうね……. キャバ嬢が水浴びに来る水泳部だもんね……..所で、そのアミの事だけど
情報が錯綜してるネ。………. ホントどうしてんだろ…… 家に行くのもナンだし……… 」

「 9.12 以降 一度も遭ってないよね…….. 」

とにかくアミの噂は尾ひれ背びれが付いて、もはや婦人雑誌並の下世話なモノとなっていた………………曰く、裕を追って身投げした………… 曰く、手首を切った……….

「 でも、中には笑えるのもあってね………ヤケになってアミは入れ墨を入れたって(笑) なんで掘りモンなんだって言う…….. 」

「 う〜ん…….. まあ、種類によってはアリなんじゃない ? 」

制服に着替え、仲良く下校する二人は『 9.12 』を語り合いながら『 デコポン 』に向かって歩いていた………そう、今日はかごめ倶楽部の皆さんに招集がかかっていた……………思えば、琴が脱退後初めての招集だった。
,
「 ……..チョット早かったんじゃない 桃? 」

「 ハリキリ過ぎって?(笑) ………. あ、大丈夫 もう居る。ほら此処ココ…….. 」

その席には、プッチンプリンと男爵芋コロッケの奇妙な組み合わせと 範馬バキの単行本が散らばっていた。
確認するまでもなく二人はその席に勝手に座り、注文のボタンを押した。

「 …… デコポンセットかあ、琴ちゃん好きだったなあコレ……… 」

「 すっかり日が暮れんの早くなったね。気が付いたらもう外まっ暗……….. 二人共今日もお勤め御苦労さまでした……… 」

瞳が席に戻って来た。

「 瞳 因にいつから居たの ?」

「 君達に招集メールを入れた時から…… 」

「 昼前じゃん! 瞳 もうココに住んだら? だよねっ 桃っ……. 」

「 ……. そうね、あのマンションも無くなっちゃうってテレビで言ってたし….
どうなの 瞳 ? 」

「 どうって……(笑) でも、『 残〜ZAN  』 が もし発破解体されるんだったらみんなで見に行こうよ……….凄いんだよアレ。」

「 日本で爆破解体はまずやらないでしょ…….でも、あの建物ならやるかも…….だって、
キッチュだもん………. キッチュ。 ねっ あずみっ ♡ 」

「 ふふっ…….あたし達この言葉流行らせるの。裕君の遺した言葉なんだよっ…… 」

瞳はそのやりとりに介入する事無く、物思いに耽り出した…….. こうなると、話しかけても中々返事が返って来ない……… やがて、店員がやってきて 黙って注文を促して来た。
桃とあずみの注文を取り終わると、彼は例によってコースターを取り出す…………..
今日は誰の指名だろうか……….. すると、コースターは意外な場所に置かれた。
そこには誰も居なかった。
一瞬、二人は店員の顔を見てしまった。
目元に隈取りのある、陰の籠った眼でそんな二人を流し見ながら、彼は何事も無かったかの様に厨房に消えて行った……..
しばしの沈黙のあと、あずみが切り出した。

「 ….. 瞳、どー言うこと? 無人だよソコ…….  」

バキに集中し出した瞳に代わり、桃が会話を繋いだ。

「 …. それより あずみ 前回の依頼、流されたんだって? 」

「 そうっ! そうなの……. 待ち合わせ場所に結局本人来なくて、代理人が延期を知らせに来たのね……… それが明日なの 。」

「 はい? 半月近く経ってんジャン…….. それってどうなの?….. 」

「 どう………..どうって……… ?」

「 警察よ……… 囮捜査……….. 」

「 え、ソレは無いでしょ…….だってそれだったらあたしがそのまま実行に出た所で補導すればイイだけでしょ? なんでわざわざ半月も間を置くの?」

「 …….泳がせたンよ……水泳部なだけに…….いい?あずみ あたし達はまだギリ未成年だから、現在の法律ではたとえあずみが自ら相手を誘ったとしても立場上被害者扱いになって処罰出来ないンよ。だからあずみをまず泳がせて、その交友関係を調べる。組織ぐるみの犯行と判ればその組織表の上の方から『成人』を引っ張り出そうとする…………….. もしかしたら今、この瞬間も見張られているかも……………. 」

あずみの顔が見る見るうちに強張って行く。
恐る恐る廻りのお客さん達を見渡す………この4人席の衝立てを挟んだ向こう側にまず男が一人居る……..胡座をかきながら湾岸ミッドナイトに集中しているが、4人席に一人………..しかもこの席の真横と来ればこの男が一番怪しいと言えば怪しい………
逆を振り向く。通路を挟んだ4人席に男女二人がPSPで通信対戦に勤しんでいる…..
怪しまれない様にカップルで入店するケースも十分考えられる。
カウンター席にもパラパラと客は居た。
どっかりと社長の様に深く身を沈め、足を組みながらマウスを操作している30代後半の男…….棚にズラリと並ぶ漫画になど目もくれず、持ち込んだノートパソコンの画面を食い入る様に見つめている……メチャクチャ怪しい。
その隣、ホットコーヒーを啜りながら少年チャンピオンをニヤニヤしながら捲る20代後半の男が目に止まった……あの雑誌はたしかバキが掲載されている………..と言う事は、瞳と同類か? こいつも最高に怪しい。
トイレから戻って来た気の弱そうな中年男があずみ達の席を横切る……….手に大甲子園を抱えてカウンター席に戻って行く……….男はハゲを隠す為に中日の野球帽を被っていた。瞳が目敏くソレに気付いてニヤリと口の端を歪めた。どいつもこいつも全員怪しい。
あずみは恐怖した。

「 あずみ、何心配してんの? 客選びはあのエージェントがしっかりやってくれる………囮捜査に引っ掛かるなんて万が一にも無いワ…..そんなのに駆り出される私服なんて彼の敵じゃないよ。だから手を組んだんだから。桃もあずみをからかう様な事しないの。」

「 (笑)…….. ごめん あずみ。でも警察じゃないにしてもなんかヤな予感がするんだケド……….. 」

あずみは頬をフグの様に膨らませて拗ねていた。
その頬を人差し指でつついて弄ぶ桃に向かって瞳が同意した。

「 その予感はあたしもする……..あずみ、今度の仕事は十分に気を付けて……. 」

隣の男が湾岸ミッドナイトを閉じて立ち上がった。
衝立てで見えなかった顔が露になった………かごめ倶楽部を見下す………身長は180以上はあった。笑ってしまいそうな程の美しい容姿だった。その長髪や肌の色…..顔の掘りから白人とのハーフだと言う事がわかる……..
その男はレジに向かい、この店唯一の店員と対峙した。
180の長身を白のコートで覆い、両手をポケットに仕舞い込み その青が混ざった虹彩で、隈取りのある陰湿なブラウンの虹彩を威圧した。
方や店員は黒のエプロンを全身に纏っている。エプロンには、デコポンのイラスト。
胸にぶら下がっている名札には『 まちゅい 』の文字。履き古された黒のスラックスと
黒のつっかけ………….穴の空いた靴下だけが赤い。
店員は、何ら臆する事なくレシートを確認して、マスク越しに飲み物と延長の料金を請求した。

「 延長位まかりまへんか? 」

ハーフの男は関西弁だった。
店員はそれでも無表情で黙って請求金額を待った。
ハーフの男はニヤリと嘲笑し、料金を置くと 振り返り様に一言呟いた……..

「 …… お手柔らかに。」

男が店を出て行く…….入れ違いに客が一人、入って来た…….すれ違う………男の青い虹彩が一瞬、ギラリと鈍い光を放った。
その客はまっすぐカゴメ倶楽部の席に近づいて来た…….そして、ふんどしを巻いた原始人と戦う愚地克己をうっとりと眺めながら瞳は驚くべき言葉を口にした!

「 今日は、かごめ倶楽部の新メンバーを紹介しようと思って集まって貰ったの。」

あずみと桃は無人のコースターを見つめた後、その目線を 瞳の横で立ち止まった客に移した…………彼女が、琴に代わる第4の人だというのか………

コットン製フード付きパーカー…………. デニムのショートパンツ……………そこから伸びる白い生足……………その右足の踝の上に、ワンポイントの入れ墨がチラリと覗いた。

for you 2009 . 9 . 12

デコポン店内に役者が揃い、緊張の糸が張りつめた。その糸は店内の6人の間で複雑に絡み合った。

ハーフの男は、イヤホンを耳に当てレコーダーを再生させた。
そこから漏れるのは女の喘ぎ声……..不感症治療の一環か…….あずみを視姦する。
川島あずみは、いつもとは違う真剣な目つきでその視姦を受け止めた。
相田 桃は、そんなあずみを心配そうに見つめた……….
白石 瞳は、単行本から目を離し 新メンバーに向かって艶かしく微笑んだ。
第4の人は、熱い性戦の予感を感じて身を震わせた。
店員は、そんな第4の人に冷たいデコポンジュースを運んで来た。

これより、かごめ倶楽部とハーフの男との間で激しい絶頂バトルが展開されるのだが…….それはまた別の話である……….

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