この話は続きです。初めから読まれ方は「再会・・・」(その1)へ
その後体を洗い流し部屋に戻り並んでベッドに入りました。
やさしくキスをし頭を撫でているとIちゃんが静かに話し始めました。
I:「先輩が高校を卒業したあとどこの大学に行ったかまでは分からなくて、先輩のことは想い出としてしまっておこう、そう思ってたんです。でも、大学二年の冬に中学を卒業してから連絡を取らなくなってしまっていたフルートのJちゃんから突然電話がかかってきたんです。先輩と大学のキャンパス内の食堂で偶然会って話をしたって。先輩覚えてます?そのときに先輩の就職先の事や今の楽団に入るって事聞いたんです」
私:「うん、覚えてる。ほんとびっくりしたよ。やっぱり大学になると人が多すぎて同じゼミのやつらぐらいしか分からないから。お互い同じ大学だったなんて分からなかったしね。その時は就職も決まっててそのことも含めていろいろ話したな」
I:「部活の同じ学年の子達はみんなあたしが先輩のこと好きだって事知ってたんです。Jちゃんもそれを覚えててくれてわざわざ中学のときの部活の連絡網を探し出してきて連絡してきてくれたんです。まさか今になって先輩のことを聞けるなんて思ってなかったからすごく嬉しかったんです。それでMに話したら「一緒にこの楽団に入ろう、今でも先輩の事好きなんでしょ。このチャンス逃したら今度いつ先輩に会えるか分からないんだよ」そう背中を押してくれたんです。でもなかなか踏み出せなくて・・・。それで秋にずれ込んじゃったんです」
私:「そっか・・・。MちゃんもそうだけどJちゃんにも感謝しないとね。こうやってまたIちゃんと会えたんだから。でも・・・、何より勇気を出して一歩踏み出してくれたIちゃんの気持ちが一番嬉しいよ・・・」
とやさしく頭を撫でると、胸のうちをすべて吐き出したIちゃんは穏やかな表情を浮かべ眠りにつきました・・・。
翌日、昨日行ったお店の近くにある落ち着いた雰囲気の喫茶店でブランチを取り、少し眠そうで時折ウトウトしてしまっているIちゃんを駅まで送りました。本当は自宅のマンションまで送りたかったんだけど、Iちゃんは「Mちゃんと会社の同僚の女の子のところに泊まる」と家の人に言っていたので。
ただ、こんな状態のIちゃんを一人で帰すわけにもいかないので喫茶店に入る前にMちゃんに連絡をして迎えに来てもらうことにしました。
Mちゃんは昨日「彼と会うから」と言っていたけれどやはり私たちを二人きりにするためだったらしく、実際にはJちゃんのところに泊まっていたとのことでした。機能のご飯にJちゃんにも声をかけたんだけれど仕事の都合でどうしても来る事ができなかったんだそうです。私やIちゃんに言うと気を使ってしまうからと敢えて黙っていたんだそうです。