深夜の公園とはいえ緊張は否めない。
マサユキはピンヒールの音を コツコツ と静かに響かせながら周りに気を配りながらも歩き出した。
公園と公園外の道路は高い街路樹で遮られているものの、時折 通り過ぎる車の音に心臓の鼓動が早くなる。
他人に見つかってしまえば、どのような事態となるのかが解らない年齢ではない。
それでも、マサユキは5分も公園の外周に巡らせた遊歩道を歩くと 『露出』と云う 非日常的で淫らな悦楽に恍惚となっていく自分を自覚していた。街路灯の下に来ると、自分自身を飾る淫靡な衣装を見る。
真っ赤な細身の首輪を嵌め。
身体に着けた物も全て真っ赤な色で統一していた。
コルセット型ボンデージを纏い、二の腕まで届く様なロング・グローブを両手に嵌め、パンティもエナメル素材でいやらしげな光沢を放っている。
太ももまであるオーバーニーのストッキングですら同様の光沢感であり、唯一 ピンヒールの靴だけが黒色ではあるが、いやらしげな光沢は変わらない。
男性が女性のコスチュームを纏っているだけではなく、変態的な衣装を纏い。
しかも、深夜の公園と云う野外を歩いている。更に言うならば、マサユキはパンティの小さなファスナーを開け…決して大きくはない、平均から言えば小さ目の。
皮の被った肉棒を局部露出もさせている…。
その肉棒は既に勃起して先端からは透明な愛液を溢れ垂らしており、歩く振動で時折 地面に糸を引きながら垂らしている…。
マサユキの思考の中で、自分は淫らな露出マゾなんだ、と完全にスイッチが入る…。
遊歩道を1周してから、先程まであった躊躇いや自身への嫌悪感は消え…むしろ背徳感を快楽へと変えていた。
決して大きくはない公園。住宅街からは離れているせいで人の気配は無い。
そんな初夏の深夜に、露出マゾが快楽を貪るように歩いていた。
それは、決して他人には理解されないであろう…マサユキ個人の裏の嗜好。
日常生活でも、他人と共有できる事もない たった独りで満足を得る悦楽の世界だった…。