この話は続きです。はじめから読まれる方は「女優 」へ 撮影最終日、映画のエンディングを飾る最後のベッドシーンだ。この日は監督、スタッフも緊張気味だった。ラストシーン
この話は続きです。はじめから読まれる方は「女優」へ
撮影最終日、映画のエンディングを飾る最後のベッドシーンだ。この日は監督、スタッフも緊張気味だった。ラストシーン
ということもあるが、あらすじ以外セリフ、演出全て私達女優二人に任せられているからだ。貴子さんの提案だった。
何が起こるかわからない、それが現場を緊張させていた。最後だからか、アドリブ撮影だからか珍しく山口久子プロデュサーも見に来ていた。私達二人に会うなり
「貴方達の関係ももう終わりに来たわね。それともどう?私と3Pならまだ付き合っていてもいいわよ。二人して一晩中可愛がってあげるわ。同時に天国に連れてってあげる」
「結構よ。お生憎様、貴女なんかに相手してもらわなくても私達充分満足よ。貴女にはわからないでしょうね。しつこい人は嫌われるだけよ」
(貴子さんかっこいい)
私は山口にべぇ~として楽屋に入っていった。今日は一緒の楽屋で二人っきりで打ち合わせ出来ることになっている。貴子さんが何か言いたげに私を見ている。
「本当の事言うとね、私、山口に抱かれてるとき、すごく不安で不安で怖かった。すごい快感の中で、私はこの快楽を手放せるだろうか、山口のSEXから抜け出れなくなるんじゃないか、自分が自分でなくなるのが怖くて、もうこれ以上しないでって叫んでいたの。でも山口はそんな私の心を見透かしたようにニヤッとあざけ笑ってまだまだこんなもんじゃないよって、さらに深いエクスタシーに突き落とすの。死ぬほど感じさせられたわ。わかるでしょ?ふう~。完敗だった。山口に次誘われたらきっと断れないなって思ったわ。あんなに深いエクスタシーを与えてくれるなら。そうやって私ズルズルと山口の愛人になるんだわって、彼女からはもう離れられないって思ったの。でも事が終わってりか、貴女のこと思ったの。貴女は私の為に山口も女優も全て投げ捨ててくれた。そう思うと自然と力が湧いてきた。貴女が私に勇気をくれたのよ。すごい力になったわ。私の幸せはあのSEXの中には無い。愛する者同士でしか感じ得ない優しいエクスタシーこそが私を幸せにしてくれる。そう思えたの。だから山口を突っぱねることが出来たのよ。貴女がいなければ私あのSEXが忘れられなくて今頃山口の愛人になって言いようにされてたわ。だから本当は逆。貴女が私を守ってくれたのよ。ありがとう。そして愛してる」
貴子さんの告白は涙が出るほどうれしかった。
「私達本当にこれで終わりなのね」
「愛してる。京子さん」
「理子。抱いて。思いっきり抱いて。そして私の体に理子の思い出を刻んで」
京子が理子に抱きつきキスをする。柔らかなキス、舌を絡め合い唾液が混じりあい高揚し顔が紅く染まる。私達は精一杯抱きしめ愛し合った。お互い最後の時を一つ一つ確かめるように愛撫し合う。柔らかで豊満な胸、舌で転がし甲斐のあるピンクの乳首、抱き心地のよい腰、白く滑らかな肌、プックリとした厚めの唇、長くサラサラの髪、細くスラリとした足、小ぶりで紅く染まった耳、ボリュームのあるお尻、そして濡れて開き気味のアソコ。名残惜しむように愛撫していく。
いつしか向かい合いおま○ことおま○こを重ね合わせ、貝合わせの格好になった。スタッフ達は二人の女優の迫真の演技に固唾を呑んで圧倒されてピクリとも動けずにいる。おま○こを擦り合わせ愛液が飛び散る。
「くちゅくちゅくちゅくちゅ」
「京子さん愛してる。はあ、はあ、はあ」
「はあ、はあ、理子、私も、いっぱい私を感じて」
肌を重ねあうのはこれが最後かもしれない。自然と自分たちにオーバーラップしてしまう。
理子はりかで、京子は貴子に完全に一体化していた。
「私を忘れないで。理子の中にいつづけさせてぇ~」
「忘れない。忘れたりなんかしない。あああ~」
私の中に宿った二人の人格が叫んでいた。いつしか二人の目には涙が溢れほほを伝っていく。
(忘れない、私はこの瞬間を忘れないわ)
「ああああ~」「あああああ~」
「カット!」
私達が二人絶頂に達するのと同時に監督が叫んだ。
(ありがとう。貴子さん。愛してる)
「りかちゃん、りかちゃん、大丈夫?」「坂口さん、貴子さん」
ふと目を覚ますとマネージャーとADさんが私と貴子さんを揺り起こしていた。あまりのエクスタシーに私達気を失っていたようだ。
「パチパチパチパチパチパチパチ」
どこからとも無く拍手が沸き起こり撮影が全て終了したことを告げた。見ると山口は口惜しそうに睨みながらも、目を真っ赤にし、泣きながら必死に一番の拍手を送っている。悔し涙なのか、感動の涙なのか?
このシーンは後に日本映画で最もエロティックなシーンとして人々の記憶に残ることとなる。
私達は鳴り止まぬ拍手の中、裸のまま抱き合い、二人涙を流した。
そこに言葉は要らなかった。
こうして長いロケも終わり私達は京子と理子と同じように別々の仕事に進んでいった。
「里崎さん、この映画で訴えたかった事ってありますか」
「・・・はい。古谷理子の人生の中で、二人が過ごした時間は本当に短かったけど、人生で一番幸せな時を過ごしたと思います。そんな作品になりました。ありがとうございました」
<完>