透明な雨粒と愛しきあなたのシルエット

時刻(time):2022-05-31 23:37源泉(Origin):net 著者(author):admin
夏の高い空から降る優しく透明な雨粒を、窓辺にもたれかかり、ぼんやりと瞳に映していた。 初夏の濃い緑の木の葉が恵みの雫を受けて、清らかに潤い、悦びに満ちているかのよう

夏の高い空から降る優しく透明な雨粒を、窓辺にもたれかかり、ぼんやりと瞳に映していた。
初夏の濃い緑の木の葉が恵みの雫を受けて、清らかに潤い、悦びに満ちているかのよう――。
木の葉がまぁるい雨粒をちょこんと乗せた姿が何とも愛らしい。

雨が好き。葉に当たる雨音はもっと好き。優しく私の心を浄化し、癒してくれるから・・・。
少しだけ窓を開けてみる・・・紫陽花のかおりに似た雨の匂いが、私の憂いを帯びた気持ちをほんのりと和らげてくれる。

五日前、懐かしいあなたのシルエットを見た。ずっと忘れられなかったシルエット・・・それが本音。
心の中にぽっかり空いた穴はいつまでも塞がれないまま、時だけが刹那に過ぎ去っていった・・・。

三年ぶりに見るあなたのシルエットは少しも変わってはいなかった。
夏の青空に映える真っ白なTシャツから伸びた、少し筋肉質な二の腕を逞しいって思えてたあの日が懐かしい・・・。

かつて、何度かあなたと訪れた睡蓮の花が見事な艶姿を披露する、花沢公園を訪れていた。
何かに吸い寄せられるように・・・何故か急に私の大好きなあの花達に会いたくて――。
池の周りをそぞろ歩く。やがて、お目当ての花達が水面で見事な演舞を披露しているのが見えてきた。
懐かしさと愛しさに思わず声を上げた。

「わぁ~綺麗に咲いてるぅ・・・。桃色の睡蓮も可愛くて好きだけど、レモンイエローの睡蓮も爽やかでいいよなぁ・・・」
そんな他愛の無い事を言いながら、ベンチに腰かけて暫し目の保養。
睡蓮は泥の中に根を張り、水面にあの様な見る者の心を捉えて離さない程の、見事で可憐な花を咲かせる・・・。美しい高原に咲く花々とは又違った、趣や風情が感じられる。

ふと、水面から視線を外してみた。・・・少し先に佇んで、睡蓮の花を眺める一人の男性の横顔が見えた。

「えっ!・・・何で、恭一がここに?・・・人違いかな・・・。」

私は半信半疑のまま、ベンチから腰を上げ、少しづつその男性に歩み寄って行った。しかし、そこから
先へと歩を進める勇気を持てずに、元のベンチに戻って来てしまった。

懐かしきその横顔と、何度も指先に絡めたサラサラストレートの亜麻色の髪。指の間をよく滑るあの感触。

かつての私の想い人、その人だった・・・。

三年前に他愛ない事から激しい喧嘩になってしまって・・・二人は勢いでそのまま別れてしまった。
あの日から、私の時間は止まってしまった。後悔と言う名の呪縛からいつまでも解き放たれないままで・・・。

(何て声かけよう・・・。恭一、久しぶりっ・・・なんてありふれてるかな・・・)

ベンチに腰を下ろしたまま、私は様々な想いを頭の中で駆け巡らせていた。
ふと、俯いていた私の視界に男性の足元が映し出された。

「久しぶりだなっ!智花。元気だったか?偶然だよな、こんな所でバッタリ会うなんて・・・」
「きょっ・・・きょういち!ビックリしたぁ~・・・いつの間にかこんな至近距離にいるんだもん・・・」
「はは・・・俺だってビックリだよ~。・・・あれからもう三年が経つんだな・・・。あの時、お前に
謝りたくて連絡入れたんだけど、繋がらなくなってて・・・」

(え?恭一が私に連絡を?・・・そんなっ。あの時、私は恭一への気持ちを封印する為に携帯も解約して・・・)

心の声が戸惑い、震えてるのが手に取るようにわかった。彼への断ち切れない想いがむくむくと頭を擡げてくる。

「そっ・・・そうなんだ。知らなかった・・・ごめん。あっ・・・あのっ、恭一?今って・・・付き合ってる人とかいたり
するのかな?」

心臓の鼓動がバクバクと激しく高鳴り、今にも口から飛び出しそうだった。

「うん・・・実は、彼女と今年の秋に結婚するんだ。智花と別れた後、彼女と出会って随分失恋のショックを慰められたなぁ・・・」
「そっ!そんな・・・失恋なんて。私はてっきり恭一に振られたとばっか思ってたのに・・・」

運命と云うやつは時に残酷で、人の心を鋭く突き刺す――。
彼への淡い想いの欠片が、音を立てて粉々に砕け散った気がした。
と同時に、やるせないジレンマや、衝動的な感情が何かに押し出される様に走り出してゆく・・・。
私は、無意識に恭一の胸に飛び込んでいた。

「おねがいっ!恭一・・・今だけ・・・この瞬間だけでもいいから、こうさせていて。お願いだから・・・」
「智花・・・お前まだ・・・。わかった・・・ここじゃ人目につくから。あそこの東屋に行こう・・・さぁ」
「うっ・・・うん。・・・ごめんね、ごめんね・・・」

ここで泣いたら駄目だって、心で叫べば叫ぶほど・・・大粒の雫が頬を滑り落ちてゆく・・・。
半ば、彼に抱きかかえられるように人気の無い東屋に移動し、静かに腰かけた。

「智花、俺もずっとお前を忘れられなかったよ・・・でも、もう遅いんだ。過ぎ去ってしまった時間は巻き戻せない・・・。ごめ・・・」

彼の言葉を塞ぐように、唇を押し付けていた・・・。
頭の中で、すべき行動なんて・・・何も考えられなかった。ただただ・・・目の前の愛しき彼を今は独占したかった。誰にも渡したくない感情だけが、私を普段とは違う、大胆な女へと変貌させていた。

長い長い口付けだった・・・まるで私達の周りの空間だけ、時が止まってしまったように――。
不意に彼の唇が離れた。

「智花・・・ごめんな。・・・俺を許してな・・・」

彼の熱い吐息が耳元を掠めた・・・その瞬間、私の中の女としての劣情が熱く滾り始めた。
彼の熱き唇が徐々に下がって、少し汗ばんだ首筋を這う・・・。私は性感帯を刺激され、小さく呻き声が漏れた。

「あっ・・・くすぐったいよ。でも・・・もっともっと恭一を感じたい・・・」

二人の心の奥底にいつまでも残滓していた想いが、ゆっくりと交わってゆく――。
溶け消え行く事をまるで惜しむかの如く・・・。

「俺も・・・今だけは、お前を慈しみたいよ。身勝手な男だよなっ・・・でも、俺も智花を感じたいんだっ!」

彼の大きな掌が、薄桃色の薄手のキャミソール越しに私の豊満な乳房を揉みしだいてゆく。

「んんっ・・・あんっ・・・きょう・・・いち、すきっ・・・」

彼の荒い息遣いが、私の情欲を煽り立ててゆく・・・。
もっと、もっと感じたいっ、もっともっと淫らに自身を曝け出し、彼の脳裏にこの瞬間を刻みたい。
私の声にならない声がそう叫び続けていた・・・。

彼の手がキャミの細い紐にかかり、徐々にずり下げてゆく。
見る間に私の上半身は黒のブラ一枚に剥き出しにされてしまった。羞恥心で頬が赤く染まる。

「相変わらず雪の様に真っ白な肌だな。色っぽいよっ・・・智花。ブラ・・・取ってもいいか?直にその見事な
胸に触れたいんだ・・・」
「うっ・・・うん、でも、誰かに見られたりしないかな・・・。恥ずかしいぃ・・・でも恭一がそうしたいなら・・・」

恭一は私の背中に手を回し、ブラのホックを外した。
形のいい、Eカップの大きな乳房がプルルンっ!と露になった。
彼は、両手で掬い上げるようにじんわりと感触を楽しむが如く、揉み込んでゆく・・・。

「智花のおっぱいの感触、懐かしいなぁ・・・この弾力、あの頃と変わってないねっ。乳首や乳輪も小さめで可愛いよなぁ・・・。もっとじっくり堪能したいし、このテーブルに寝てみてくれると嬉しいけどなっ」

私は、どうしても人目が気になったが、その事よりも愛しい恭一の望みを叶えてあげたい気持ちの方が
遙かに勝っていた。俯きながらも首をコクンっと振って、彼の願望を受け入れていた。

木製のテーブルに静かに仰向けに寝かせられると、少しひんやりと私の裸になった背中を刺激した。

「恭一・・・恥ずかしいよっ・・・」 羞恥心がジワジワと胸に迫ってくるようだった。

彼は、両手で豊かな胸をぎゅっと真ん中に寄せて、左右の硬くしこった可憐な乳首を交互にしゃぶり始めた。
時には、甘噛みしたり、舌先で激しく転がしたりして徐々に私の官能を高めていった。
左右の敏感な乳首をほぼ同時に嘗め回され、その余りの気持ち良さに、私は理性なんてどこかに吹き飛んで
大きな喘ぎを艶かしく発していた・・・。

「あぁ・・はぁぁ・・ともか・・・乳首が弱い・・からん・・そんなにしつこくされたら・・・いっちゃいそうになるのぅ・・・」
「まだイッたら駄目だよっ!もっともっと智花を焦らして・・・一杯感じさせてあげたいんだから・・・」

そう言い終わるや否や、彼は素早く身をずらして私の濡れそぼった秘所を弄び始めた。
白のレース模様のショーツ越しに唾を一杯出しながら、花弁部分を長い舌先でなぞったり、ジュルジュルと卑猥な
音を立てながら股間部分に染み出した蜜汁を吸ったりした。

「智花のあそこから愛液が一杯溢れてショーツをビショビショに濡らしてるよっ。一杯感じてくれてるんだぁ・・・
もっと気持ち良くしてあげるからね!さぁ・・・ショーツの中はどんなになってるんかなぁ~」

そう悪戯っぽく言いながら、小さめのショーツを横にずらして、ダイレクトに濡れ光る私のあそこを
ジュプジュプとわざと大きな音を立てながら、嘗め回してきた。
時には、秘肉を指先で押し広げながら舌を器用に左右にバイブさせ、舌先を窄めて蜜壷の中にズボっと侵入させてみたり・・・その執拗な責めに、私は堪らず人目も憚らず・・・「あうっ!!あはぁ!!・・・いやぁんん!感じるぅぅーー」

我を忘れ、今自分が置かれてる状況すら頭の片隅から消え去って、ただ本能のままに感じ続け陶酔していった。ガサガサ・・・っと近くの草むらで何かの気配を感じたが、最早それが例え人間であろうと、動物であろうと関係無いと思える程に淫らに燃え、彼とのセックスにのめり込んでいた。

彼のツボを得たクンニに何度もイカされ、段々と彼の懐かしくも愛しいペニスが欲しくて堪らなくなっていた。

「恭一の・・・が欲しいなっ。フェラしてもいい?欲しくて堪らなくなっちゃった・・・」

私は徐に起き上がり、彼を立たせズボンとボクサーパンツを足首まで下ろし、椅子に腰掛けさせて
股間に顔を埋め、屹立し熱を帯びたペニスを片手で扱きながら喉奥まで銜え込んだ。
ジュブジュブと淫靡な音を発しながら、唇と舌を使って丹念にしゃぶり味わい尽くす・・・。
舌先で鈴口をツンツンと突付いてやると、ネバネバとした透明な悦汁が滲み出て苦味がじんわりと舌の上に
拡がってゆく。左手で睾丸を優しく揉み込みながら、裏筋をチロチロと嘗め回す。

「うっくぅ・・・智花のフェラ気持ち良過ぎて、このままイッちゃいそうだよぅーーあぁぁ・・・」

恭一は私の頭に手を添えながら、悦楽に酔い痴れた恍惚の表情を見せていた。
こんな艶かしい彼の表情を二度と独占出来ない歯痒さやジェラシーが、私の中に潜む女としての性(サガ)を
強烈に駆り立ててゆく。彼への愛しさに胸の奥がキリキリと痛む。

「いいから・・・智花のお口でイって欲しいの。お願い、恭一・・・」
「で・・・でも。・・・それでは体が満足出来ないんじゃないか?」
「いいのっ、恭一のザーメン一杯飲みたいんだからっ・・・」

上目遣いの扇情的眼差しを送りながら、私はカチカチになった彼の雄桿を豊かな胸に挟み込み、擦り上げながら亀頭を口に含みカリ首の周りを舌先で執拗に嘗め回していった。
彼は眉根を寄せて悶え、切なげに喘ぎ徐々に絶頂へと昇りつめていった・・・。

「むぅぅん!・・・いいよっ・・・智花のおっぱい柔らかくて気持ちいいんだぁ・・・あぁああ・・・イク・・・イクよっ!んはっ・・・」

彼のペニスがビクビクっと震えた後、ドロドロとしたザーメンが咥内に噴出し、私は一滴も零さぬ様にと
喉を鳴らしてゴクゴクと飲み干し、尿道に残った精液をちゅ~っと吸い上げた。

「久しぶりに飲んだ恭一のザーメン・・・美味しかったよっ。私の中に恭一を迎えるのは・・・やっぱルール違反じゃない?」

無理に作った歪んだ笑顔で私は精一杯の意地を張ってみせた。少しだけ涙目になっていた自分が妙にくやしくて・・・。

「智花・・・ごめん!そうだよなっ・・・俺ってそこまで考えられなくて・・・」

恭一に優しく抱き締められた。・・・でも無理に突っぱねた。

「いいからっ!・・・恭一にこうして最後に求められた・・・それだけで私は満足だからっ。もう・・・行って。帰るべき
場所が恭一にはあるんだもん・・・。これ以上一緒にいたら私・・・過ぎ去った時間、巻き戻したくなっちゃうから・・・」
「う・・・うん。わかったよ、智花。いつまでも元気で・・・いい女のままでいてくれよなっ。会えて良かったよ、じゃあ・・・俺、もう行くよ。幸せになるんだぞっ!・・・ありがとなっ」

最後の言葉を残し、愛しきあの人はくるりと私に背を向け軽く手を振り、ゆっくりとした足取りで帰るべき場所へと去って行った。

遠ざかる、忘れられないあなたのシルエットを私の瞳に永遠に刻みながら――。

さっきまで降っていた雨が、いつの間にか止んでいた。  今度は窓を全開にしてみた。雨上がりの澄んだ夏空に、七色に輝く美しい虹が大きくて見事な弧を描いていた・・・。

私は慌てて表へ飛び出した。少し潤んだ瞳に天弓を映しながら、憂鬱だった私の心の
空洞がじんわりと塞がっていくのを実感し、大きく一つ背伸びをしてみた。

私の傍らで、瑠璃色の紫陽花の葉っぱから、可愛らしい透明の雨粒がぽろりと零れ落ちた――。
<END>                          七瀬涼香

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