この話はつづきです。はじめから読まれる方は「同愛」へ
ピンク色の薄いレースのキャミソール。
パンツもレースでアンタが好きそうな格好。
髪を纏めて少しでも女っぽくみせてみた。
酒に酔ったアンタは見境が無い。
素の時の俺にさえキスをしたことがある。
だから、大丈夫。
きっと、大丈夫。
俺はアンタが寝ている寝室に向かった。
ぐーぐーと煩いくらいに寝息をたてるアンタの横に寝そべってみる。
アンタはまだ気付かない。
酒の臭い匂いがする。
でも、その奥にいつものアンタのいい匂いがあるのが分かる。
ドキドキする。
アンタは気付くかな。
女の格好をした俺だってバレちゃうかな。
もしかしたら、寝惚けていつものように知らない女として犯してくれないかな。
あ、嫉妬してる。
いま、俺、今までの知らない女たちに嫉妬してる。
だって、そうだろ。
アンタは俺のだ。
なのにアンタはいつも俺の知らない女たちとここで。
ムカつく。
アンタが一番、嫌いなのは俺なのに。
アンタを一番、知っているのは俺なのに。
許せない。
だから、俺はぐーぐー寝息をたてるアンタの首筋に噛み付いてやるんだ。
途端アンタは痛みで起き上がる。
訳も分からず、俺の姿を見詰めながら。
俺はじっと待つ。
アンタが俺だって気付くのか。それとも気付かないのか。
痛みで起きたけど、アンタはまだ眠そう。
虚ろな瞳で俺を見詰める。
虚ろなアンタは俺を抱き寄せ、そして、俺のアゴを指で引いてキスをした。
その時、俺の心がどんなに弾んでいたかアンタは知らない。
その時、俺の心がどんなに安心したのかアンタは知らない。
寝惚けていてもいい。
夢だと思われてもいい。
アンタを気持ち良く出来るなら。
だって、俺がアンタを一番知っているんだから。
アンタが俺にキスをしている頃、俺はアンタの股関をまさぐっていた。
アンタの大きなものを起こしてやるんだ。
頭は眠ったままでもいいけど、ここにはちゃんと起きていて貰わないといけないから。
俺の手でアンタのものをシコシコしてやるとアンタは少し気持ち良さそうに息を吐いた。
でも、まだだ。
それくらいなら誰でも出来る。
キスしたままアンタは女にアソコを弄られたい。
イケメンで、体も大きい。面倒見も良いし、男らしい。女からはアンタにいつも男的で関白的な勘違いが生まれる。
でも、違う。
俺は知ってる。
アンタが本当にして欲しいことを。
俺だけが知ってる。
だから、してあげる。
アンタが大嫌いな俺が、してあげるんだ。
つづく「同愛2(後)」へ