僕は28歳の社会人で、IT系の広告代理店に勤務している。会社の規模はそれほど大きくはないものの業績はよく、収入も悪くないと思う。まさみも妹さんと一緒に実家のスイーツショップを手伝っていて、それなりの額をもらっている。
新型コロナで暗い世の中ながら、僕とまさみの将来は明るいかな? と思えていた。
仕事を終えて帰宅すると、紅茶の良い匂いが漂っている。
『あ、お帰りなさい! 正木さん、ちょうどお茶入れたところです』
まさみの妹の美桜ちゃんが、笑顔で話しかけてくる。まさみは、キッチンで紅茶を用意しているみたいだ。まさみも美人だと思っているが、妹の美桜ちゃんも本当に可愛い。ぱっちりした大きな瞳に、スラッと通った鼻筋。今時の若い女の子にしては珍しく、真っ黒の髪もつややかで美しい。
美桜ちゃんは、よくウチに遊びに来る。一緒に夕食を食べることも多い。僕は、上着を脱いでソファに座った。すぐにまさみが紅茶を持ってきてくれる。そして、
『さっき、叔父さんがお肉とお米持ってきてくれたよ。今日は、焼き肉にしようか』
と、ニコニコしながら言った。僕は、テンションが上がった。叔父さんの直勝さんは、もうすぐ50歳になる社長さんだ。中古自動車屋さんで、いわゆる旧車に特化したお店だ。最近の旧車ブームで、かなり売り上げた良いみたいだ。外国にも顧客がいるみたいで、彼自身も英語がペラペラだ。
話題も豊富で面白い人なので、会えなかったのが残念だなと思った。
「一緒に食べれば良いのにね」
僕は、そんなことを言った。実際、一緒に夕食を食べることもよくある。
『今日は、これからお客さんと飲みに行くんだって』
まさみが説明をしてくれる。そして、美桜ちゃんの横に座った。こうやって姉妹で並ぶと、驚くほど美人姉妹だと思う。芸能人の姉妹でも、どちらかが微妙な感じになることが多いのに、そろってここまで可愛いのは奇跡的だと思う。
そして、3人でお茶をしながら色々と話をする。
『美桜は、まだ彼氏出来ないの?』
まさみがそんな質問をする。
『出来ないんじゃないの。作らないの』
美桜ちゃんが、少しイラッとした感じで言う。でも、いつものことだ。美桜ちゃんがモテないはずはない。でも、彼氏がいるという話は聞いたことがない。実際に彼氏がいないということはないんだろうけど、あまりそう言うことに興味がないのかな? と思う。
『お姉ちゃんはもう籍は入れたの?』
『まだよ。結婚式の時で良いかなって。でも、結婚式もなんかね。別に、挙げなくてもいい気がしてるんだ』
まさみは、そんなことを言う。僕は、初耳だったのでどうして? と聞いた。
『なんか、コロナで冷静になっちゃった。ウエディング業界に乗せられてるだけかなって。身内だけで会食で良いような……』
まさみは、そんな風に言う。意外だった。女の子は、みんな結婚式に憧れているものだと思っていた。
『そうなんだ。正木さんはどう思ってるんですか?』
美桜ちゃんは僕に質問をしてくる。こうやって彼女に正面を切って質問されると、未だにドキドキしてしまう。あまりに大きな瞳。コロンと転がり出てしまわないか不安になるほどだ。
僕は、結婚式自体にはそれほどこだわりはないが、ウエディングドレスを着たまさみを見たいと言った。
『そうだよね。お姉ちゃん、絶対に似合うと思う』
美桜ちゃんは、笑顔で言う。
『そっか、じゃあ挙げようかな?』
まさみも、それほどはっきりと決めているわけではない感じだ。
『ハワイとかで挙げなよ! 私も行きたい!』
美桜ちゃんがハイテンションで言う。
『旅行したいだけでしょ?』
まさみがあきれたように言う。
『バレたか』
美桜ちゃんはおどけたように答えた。本当に可愛らしい。楽しい時間を過ごせているなと思いながら、結婚式のことを漠然と考えていた。
そして、食事も終わって美桜ちゃんが帰ると、まさみとコーヒーを飲みながらなんとなくテレビを見て過ごした。
『美桜も、早く良い人が見つかると良いんだけどな……』
ボソッと言うまさみ。姉としては、色々と心配な部分もあるみたいだ。僕は、美桜ちゃんは可愛いからいくらでも相手はいるでしょと言った。
『美桜の方が可愛いって思ってるでしょ』
まさみは、少し怒ったような雰囲気だ。珍しく、嫉妬している? 僕は、そんなことないと言いながら、少し嬉しくなっていた。正直、まさみと僕とではあまりに釣り合いが取れていないと思っている。どうして僕なんかと付き合ってくれたのだろう? いまだにそう思う。
『それなら良いんだけど……。ねぇ、そろそろ寝る?』
まさみが、少し恥ずかしそうに言い始めた。僕は、まさみのその態度にドキドキし始めていた。彼女なりのお誘い。僕は、嬉しくなりながら寝室に向かった。
まさみとのセックスは、それほど回数が多いわけではない。僕の方から誘うことはほとんどなく、こんな風にそれとなくまさみが誘ってくれるのを待つ感じだ。なんとなく、まさみの美しさに負い目を感じているせいか、僕の方から誘うというのがはばかられるような状況だ。
ベッドに入って照明を消し、まさみにキスをする。すぐに僕に抱きついて舌を絡めてくれる……。少し興奮しているみたいな感じだ。
しばらくキスをした後、まさみの服を脱がせていく。ブラはつけていないのですぐに大きな胸があらわになる。多分、FとかGカップくらいある胸を、僕は優しく揉み始めた。パッと見た印象は痩せている。実際、ウェストも細いし脚も細い。それなのに、胸は大きい。
顔も可愛くて胸も大きい。本当に、理想を絵に描いたような女性だなと思う。僕は、興奮しながら彼女の乳首を舐め始める。
『んっ、うぅ、まさ君、気持ちいい』
控えめな声で言う彼女。僕は、ドキドキしながら舐め続ける。すぐにカチカチに固くなる乳首に、僕はさらに興奮が高まる。動くたびに揺れる胸、そして悩ましい吐息のようなあえぎ声。僕は、興奮しきったまま彼女のパジャマのズボンを脱がせていく。
ショーツ一枚の姿になり、恥ずかしそうにしているまさみ。僕は、すぐにショーツも脱がせた。薄暗い中でも、薄いヘアの形もわかる。僕は、まさみのアソコを触ろうとした。でも、いつものことで、
『は、恥ずかしいよ……ねぇ、もう……』
と、まさみは本当に恥ずかしそうに言う。僕は、すぐにコンドームを装着すると、そのまま挿入した。
『あっ、ん、うぅ』
可愛らしくうめくまさみ。僕は、強すぎる快感にうめいてしまう。そして、そのまま腰を動かし始めるが、すでに射精感が高まってしまっている。
僕は、なんとか射精をこらえながら腰を動かす。まさみは、恥ずかしそうにしながらうめき続ける。時折混じる吐息やあえぎ声がたまらなくセクシーだ。
僕も経験が多い方ではない。まさみ以外には、一人しか知らない。まさみも、おそらく経験が少ないと思う。セックスの時に、あまりにも恥ずかしがるし、愛撫をされるのも恥ずかしさの方が上回ってしまうようだ。
少しすると、まさみが切なげな声で、
『まさ君、気持ちいいよ。愛してる。ねぇ、キス……して』
と、おねだりみたいに言ってくる。僕は、こんなにも可愛くて良い女のまさみが、男性経験が少ないのが嬉しいと思ってしまう。でも、チラッと元彼のことなんかも想像してしまう。嫉妬で息苦しいような気持ちになると、なぜか興奮が増してしまう。そして、あっけなく射精をしてしまった……。
「ご、ごめん」
思わず謝る僕に、まさみは、
『どうして謝るの? すごく幸せだったよ』
と、はにかみながら言ってくれる。僕は、本当にまさみは優しいなと思いながらも、幸せだとは言ったが気持ちよかったとは言ってないなと思ってしまう。
僕は、こんなセックスで良いのかな? と、毎回思ってしまっている。愛撫もあまり出来ていないし、セックスも短い……。不満に思ってないかな? 物足りないって思ってないかな? と、毎回思ってしまう……。
そんなある日、帰宅すると美桜ちゃんしかいなかった。
「あれ? まさみは?」
質問する僕に、美桜ちゃんは、
『なんか、歯医者さんが混んでるんだって』
と、教えてくれた。僕は、そうなんだと言いながら、ちょっとだけ緊張してしまう。別に、いままでもこんな状況はあった。でも、やっぱりまさみ以外の女性と二人きりになるのは、ちょっと緊張してしまう。
今日の美桜ちゃんは、やたらと短いスカートをはいている。胸元も、谷間が見えてしまうくらいに空いているブラウスを着ている。
『コーヒー飲みますか?』
美桜ちゃんは、そんな風に聞いてくれる。僕は、ありがとうと言いながらソファに座った。美桜ちゃんが、コーヒーを入れてくれている姿。短いスカートから伸びている脚は、まさみみたいに細くて長い。ついつい見てしまう……。
『お待たせ〜』
そんな風に言いながら、クッキーとコーヒーを持ってきてくれた。まさみちゃんはテーブルにそれを置くと、僕の横に座った。L字型のソファなのに、わざわざ隣に座る美桜ちゃん……。どうしたんだろう? と思いながらも、つい胸の谷間や太ももをチラ見してしまう。
美桜ちゃんは、自分もコーヒーを飲みながらクッキーをおいしそうに食べる。そして、絶え間なく話しかけてくる。よく笑う明るい性格だ。僕は、楽しいなと思いながらも、やっぱりチラチラと脚や胸元を見てしまっている……。
『そんなに気になりますか?』
まさみちゃんは、脚を組みながらそんなことを聞いてくる。僕は、ドキッとして慌てて視線をそらす。そして、何を言ったら良いのかわからなくなってしまった。まさか、そんなことを言ってくるとは思っていなかった。まさみに変なことを言われてしまうのではないか? そんな心配もしてしまう。
『お姉ちゃんと私、どっちの脚がきれいですか?』
まさみちゃんは、ニヤニヤしながら聞いてくる。僕は、しどろもどろになりながら、どっちもきれいだよと答える。
『じゃあ、おっぱいは? どっちが大きい?』
まさみちゃんは、少し前屈みになりながら質問してくる。胸の谷間がさらに強調され、ドキドキして仕方ない。どうしたんだろう? 美桜ちゃんは、今日はいつもと違う。からかっているのだろうか? 僕は、ドキドキしながらも戸惑っていた。
僕は、美桜ちゃんの方が大きいかもと答えた。
『フフ。本当に? ちゃんと見て比べてくれないと』
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