「え? シリコンリングって、あのチンポに入れるヤツか?」
私は、部下の正和の発言に驚いて聞いてしまった。
「そうですよ。っていうか、他にありますか?」
正和は、笑いながら言う。相変わらず、食えない男という感じだ。私は、常に女に囲まれているような感じのモテ男の彼が、そんなものの力を借りるのがよくわからなかった。なんでそんなものをつけたのかと聞いたら、
「なんか、格好よくないですか? 改造チンポって。サイボーグっぽくないですか?」
と、笑顔で言う。相変わらずのイケめんっぷりに軽く嫉妬しながらも、シリコンリングに興味をそそられてしまった。
「見ますか?」
興味津々の私に、おどけながら言う彼。私は、すぐにそんなの良いよと答える。
「そうですか。残念」
笑いながら言う彼。冗談なのか本気なのか、いまいちわからない。でも、そう言う軽いノリが彼の持ち味だなと思う。
そして、数日後、正和と一緒に昼を食べているとき、
「そう言えば、エグかったですよ。シリコンリング。どの子も失神しちゃって大変でしたよ」
と、何食わぬ顔で言ってきた。私は、あれから数日なのに、どの子もって言った彼に驚いた。
「イヤ、3人だけですよ。さすがに。でも、シーツびっちゃびちゃになったり、大きい方漏らしちゃったりして大変でした」
正和は、爽やかな笑顔には似合わないエグい話を続ける。私は、周りのお客の事を気にしながらも、言い回しに気をつけて話を続ける。
「こんなに効果あるんなら、ダブルにしちゃおっかなって思ってます。そうしたら、亀頭が3つあるのと同じですからね」
正和は、何食わぬ顔で言う。
私は、やり過ぎはキモくなるよと言ってみた。
「確かにそうですね。今でもけっこうキモいですもん」
正和は、笑顔で言った。私は、少し興味をそそられていた。私のペニスは、自慢ではないが小っちゃい……。早漏気味だし、セックスにまるで自信がない。妻は、満足しているのだろうか? 私と結婚したばかりに、オンナとしての喜びに不満を感じているのではないか? そんな心配をしてしまうくらいだ。
1ヶ月後、正和がいつもの人の良い笑顔で近づいてきた。
「ダブルにしちゃいました。今日からセックス出来るようになるんで、さっそく試してみます」
正和は、端正な顔立ちでエグい話をする。本当に、人は見た目によらないんだな……と、思ってしまう。
そして次の日、正和は満面の笑みで、
「ダブル、エグいです。泡吹いて痙攣しちゃってヤバかったです」
と、言った。私は、それでは本末転倒なのではないか? と、言った。感じさせるためにしたことで、女性が失神したり泡吹いてしまっては、意味がないと感じたからだ。
「そんな事ないです。失神するのはイキまくった後なんで。現に、その子達から毎日鬼電っす」
そんな風に言う彼。ただでさえイケメンで女性には困らないのに、セックスでも虜にしてしまったら世の中の男性にますます女性が回っていかなくなるなと思った。
その日の夜、久しぶりに嫁とセックスをした。息子がじいちゃんの家に泊まりに行ったからだ。
由美子は、37才になるがまだまだ体型はそれなりに維持しているし、肌のつやつやだ。東北出身で元々肌は綺麗だったが、30を過ぎてますます他の同年代の女性と差が出てきた感がある。
私は、肉付きの良い彼女を抱きしめ、キスをした。本当に、抱き心地が良い。太っているわけではないが、ムッチリとした感触はある。私は、彼女の乳首を舐め始めた。
『あっ、ンッ、パパ、気持ちいいよ』
控えめな声であえぐ由美子。昔から、彼女が乱れる姿は見たことがない。気持ちよくないわけではないと思うが、我を忘れて感じるという事はない。私は、力不足を感じながら、それでも必死で愛撫を続ける。
そして、クリトリスを触り始めると、彼女の声が少し大きくなる。でも、触ってみても乾いた感じがある。濡れてドロドロ……そんな風にはなったことがない。体質にもよって違うんだろうなと思うが、やっぱり少し寂しい。すると、
『パパ、私がするね』
と言って、由美子が私に覆い被さってくる。そして、私の乳首を舐めたりしながら、ペニスをしごき始めてくれる。あっという間に射精感が湧き上がってしまう……。このままではすぐに射精してしまいそうだ。
私は、慌ててコンドームを装着し、彼女に覆い被さっていく。
『ンッ、うぅ、ゆっくり……』
由美子は、少し痛そうな顔になる。相変わらず、膣周りは少し乾いた感じがある。それでもこのドームの潤滑剤の力で、するすると入っていく。
久しぶりの膣の感触……。私は、この時点で射精寸前だ。でも、こんなに早く出してしまっては申し訳ないという気持ちで、必死にイクのをこらえながら腰を振る。
『パパ、凄く固くなってる。もう出る? 良いよ、イッて』
由美子は、優しい顔で言ってくれる。私は、情けない気持ちに包まれながら、あっけなく射精をしてしまった。うめく私。妻は、そっとキスをしてくれる。そして、
『フフ。気持ちよかった? 久しぶりだったから、不思議な感じ』
と、言った。私は、気持ちよかった? と、質問しかけてやめた。聞くまでもないからだ……。
ただ、セックスが終わった後、由美子は珍しく甘えてきた。こんな風にイチャつくのは、結婚する前の時以来かもしれない。
私は、正和の話をし始めた。多少ソフトな表現にしながらも、女性がどうなったのかも含めて話してみた。
『え? 大きい方を漏らしちゃったの? それって、死んじゃったんじゃないの?』
びっくりした顔の由美子。強烈な下ネタだが、それを恥ずかしがるような年齢でもない。私は、多少大げさに言ってるんじゃないの? と、言ってみた。
私は、冗談っぽく、
「僕もやってみようかな?」
と、言ってみた。
『え~? 本気なの?』
由美子は、そんな風に言う。でも、拒否反応はない。意外に、興味を持ったような雰囲気がある。昔から、彼女は好奇心が旺盛だ。スマホにもすぐに変えたし、バンジージャンプやボルダリングも流行る前には経験していた。
私は、興味あるの? と質問した。
『え? 別にそうでもないけど……。ただ、本当なのかなって……』
由美子は、口ごもる。でも、すぐに、
『そんなに気持ちよくなるなんて、ちょっと信じられないな』
と、言った。それは、自分に言い聞かせているようにも見えてしまい、私はドキッとしてしまった。
「じゃあ、ちょっと話聞いてみる? 明日、うちで一緒に飯食べようか?」
私がそう言うと、由美子はあっさりと、
『うん。じゃあ、美味しいの作っておくね』
と、言った。私は、断ると思っていたので驚いてしまった。本当に興味があるんだ……。そう思うと、危機感を感じてしまう。
次の日、正和に話をした。
「へぇ、奥さんって、意外にエッチなんですか?」
正和は、そんな風に言う。思ったことを、何でも口にしてしまうタイプだ。でも、憎めないキャラクターなので、トラブルになることもあまりない。
「先輩も、やるべきですよ。それって、奥さんがそう言ってるのと同じですって」
もっともらしく言う彼。私は、納得してしまう。確かに、興味があるから話を聞くわけだ。
そして、夕方になると、早めに会社を出た。
「由美子さん、久しぶりだなぁ。会うの、楽しみです。先輩にはもったいない綺麗な方ですもんね」
正和は、笑顔で言う。私は、うるさいよと言いながらも、嫁を褒められて嬉しい気持ちになる。そして、帰宅すると、
『こんばんは。久しぶりね~』
と、由美子が明るく正和に話しかける。彼も、
「久しぶりです! 相変わらず、綺麗っすね!」
と、気安く言う。あまり人見知りしない二人なので、すぐに楽しい雰囲気になっていく。
そして、食事が始まる。
「美味い!! こんなに美味しい煮付け、初めて食べました!」
調子の良いことを言い続ける彼。でも、由美子は本当に楽しそうに笑っている。こんなに笑っている由美子は、久しぶりに見た気がする。
そして、食事が終わるとビールやワインを飲み始めた。やっと本題のシリコンリングの話になる。正和は、多少はオブラートに包みながらも、生々しいセックスの話を続ける。由美子は、特に恥ずかしがったり嫌悪感を持ったりすることなく話を聞き続ける。
『でも、大変だったでしょ? 失神しちゃったら、後片付けとか』
好奇心いっぱいの顔で会話を続ける由美子。
「もう、最悪でしたよ。漏らすし」
笑いながら言う正和。由美子も笑っている。そして由美子が、
『そんなに気持ち良いものなのかしら? なんか、イメージ出来ないわ。だって、段差が増えるだけでしょ?』
由美子は、けっこう酔いが進んでいるようだ。そんな際どい質問までし始めている。
「え? だって、カリ首がこすれると気持ちよくないですか? あれが、3倍あるんですよ!? 3倍!! シャアみたいなもんです」
適当なことを言い続ける彼。由美子は、
『カリ首がこすれる? そんな感覚ないわよ』
と、言う。正和は、
「え? それって、先輩としててって事ですか? 他の人の時も?」