小学校の高学年の頃、従姉のみかちゃんが、うちに下宿していた。
高校を卒業して看護学校に通うため、地方から出て来ていたんだ。
うちの家はさして広い方でもなく、みかちゃんに部屋を提供するため、僕の机を縁側の隅っこに置き、縁側を僕の部屋として使うことになった。
みかちゃんは僕に申し訳ないと、すごく恐縮してた。
もっとも僕は、姉と共同の2人部屋よりも、その場所を結構気に入っていたんだけどね。
みかちゃんは当時、真面目で大人しい少年だった僕を可愛がってくれた。
友達と出かける時なんかも、「小さなボディガード」と言って、あちこち連れて行ってくれた。
今思えば、みかちゃんは幼児体型のロリ顔で、結構可愛かったと思う。
けれど田舎から出てきたせいか引っ込み思案で、彼氏もいなかったようだ。
僕も姉もみかちゃんが大好きで、夜は僕と姉がみかちゃんを間に挟んで川の字になって寝ていた。
両親もみかちゃんも僕がまだ小さかったから全然気にしてなかったみたい。
しかし僕は、少しずつ性に関心を持ち出した頃だった。
父が不注意に放置した週刊誌のグラビアや、他愛もないテレビのラブシーンとかを見て興奮していた。
また、一緒に暮らすうちに、ふとした拍子にみかちゃんの着替えのシーンに出くわすこともあった。
早熟な友達からは、ずいぶん羨ましがられたものだ。
そんなある日、夜中にふと目が覚めた。
暑くて寝苦しかったのか、みかちゃんの体布団からはみ出して、パジャマが捲れておへそが見えていた。
幼いながらもムラムラとした僕は、恐る恐るみかちゃんのお腹を撫でた。
しかしその夜は、それ以上先に進むことはできなかった。
次の夜、僕はみかちゃんが眠るのをじっと布団の中で待っていた。
みかちゃんの頬を何度もつついて眠っていることを確かめると、そっと布団を捲った。
(大丈夫、起きる気配はない)
みかちゃんの胸元に顔を近づけ、パジャマの前のボタンの隙間から中を覗いた。
でも暗いし隙間が狭くてよく見えない。
思い切ってパジャマの前の隙間に指を入れ、少し引っ張ってみた。
小さな胸の麓のあたりが見えた。
(もう少しだ)
体に触れないように注意しながらパジャマのボタンを一個外し、もう一度引っ張ってみる。
(やった!見えた!みかちゃんの乳首!)
ほんの少しだけど薄い褐色の蕾みが見えた。
触りたいけど、気づかれたら大変だし、これ以上は無理だった。
次の日の夜も、いけないとは思いながらも、もうやめることなんて出来なかった。
僕の行為はだんだんエスカレートするばかり。
パジャマの上から、小さなふくらみを手のひらで包んでみる。
初めての柔らかい感触。
その時、みかちゃんが軽くみじろぎした。
僕は慌てて手を離した。
(・・・大丈夫、起きてない)
昨日は一個だったボタンを、今日はもう一個・・・もう一個・・・。
そしてパジャマの胸元を左右に開いた。
左側の小さな膨らみと、その先端の蕾みが全部見えた。
だんだん大胆になってくる、というより我慢できなかった。
次の日の夜は、とうとう剥き出しにした乳房を手で押し包んで静かに揉んでみた。
(柔らかい・・・)
乳首を指先で摘まんでみる。
その時みかちゃんが、「ううん」と寝返りを打った。
慌てて手を離す。
(気づかれた?)
しばらく息を止めてじっとした。
(大丈夫みたいだ、たぶん・・・)
今度は剥き出しにしたみかちゃんの胸に顔を近付け、そっと乳首を唇に挟んでみた。
(なんて甘いんだ・・・)
本当はもちろん味なんてないんだけど、やっぱり“甘い”としか表現しようがない。
気づかれたら大変なことになるのはわかっていた。
それでもやめられない。
翌日も、その次の日も。
そんな夜が何日か続いたある日の明け方、みかちゃんが僕の顔をちらりと見て言った。
「ゆうべさ、なんか寝苦しくて、よく眠れなかったんだ~」
また別の日の朝は、「わ!おかしいな~、またボタンはずれてるし」と言いながら僕の顔をチラリと睨んだ。
(まずい・・・完全に気づかれてる)
けどみかちゃんはそれ以上は何も言わなかったし、僕の両親に言いつけることもしなかった。
でもこのことが、かえって僕の行為をエスカレートさせることになった。
みかちゃんは許してくれてるんだ。
見てもいいんだ。
知らないふりをして触らせてくれてるんだ・・・。
それからもしばらくそんな日が続いた。
みかちゃんは、なぜやめさせなかったのか?
僕を責めなかったのか?
僕の部屋を奪ってしまったことを負い目に感じていたのかもしれない。
だとしたら、僕はみかちゃんに対してずいぶんひどいことをしたことになる。
けれど、この魅力的な行為を止めさせることにはならなかった。
この後どうなったか?
こんな関係がどれくらい続いたのか?
どんなきっかけで終わりになったのか?
もう今は思い出せない。
その後、看護学校を卒業したみかちゃんは、郷里に帰って病院で働くようになった。
そして僕が中学生になり、高校受験を控えた夏休み。
僕は避暑を兼ねて田舎のおばあちゃんの家で受験勉強をすることになった。
そして、そこはみかちゃんの家でもあった・・・。
ちょうど、みかちゃんが僕の家に下宿していたときと反対の立場になったわけだ。
最初の1週間くらいは、優しいおじさんやおばさん、おばあちゃんたちに囲まれて(もちろんみかちゃんも)楽しい日々を送っていた。
しかし、もともと甘えん坊で実年齢よりも幼かった僕はホームシックになり、塞ぎがちになってしまった。
優しいみかちゃんは、そんな僕の気持ちをすぐに察してくれた。
「私の部屋にお布団持っておいでよ。今夜から一緒に寝ていいよ」
僕はその夜からみかちゃんの部屋で寝るようになった。
初めのうちは別々の布団に寝ていた。
「そっちにいってもいい?」
「な~に?甘えん坊なんだから。・・・いいよ、おいで」
僕が布団に潜り込むと、みかちゃんは優しく抱いてくれた。
みかちゃんの胸に顔を埋める。
「もぅ・・・エッチなこと考えてない?」
「そんなことないよ。そんなこと言うんなら自分の部屋に行く」
少し拗ねてみる。
「もう中学生なんだし。でも、いいよ」
みかちゃんは僕の頭をそっと胸に抱き締めてくれた。
その日はそのまま眠ってしまったが、みかちゃんは朝までずっと僕の頭を抱いていてくれた。
そしてまた夢のような甘美な日々が続くことになった。
初めのうちはふたつの布団に仰向けに並んで話をしていた。
僕だっていつもエッチなことばかり考えているわけじゃない。
その日勉強した歴史の年号や、みかちゃんの職場での出来事を話してもらったり、それも楽しい時間だった。
けど、やっぱり最後は・・・。
ひとしきり話が終わり、お互い眠る体勢になりしばらくすると、僕はそっと体をみかちゃんの方に向けた。
みかちゃんは黙って腕枕をしてくれる。
僕はみかちゃんにすり寄っていく。
腕枕をしていたみかちゃんの手が僕の頭を優しく抱く。
頬にみかちゃんの柔らかくて小さい胸の膨らみを感じる。
手で触れてみる。
以前と違って、みかちゃんが眠っていないことはわかっているのに・・・。
でも、みかちゃんは何も言わない。
僕はみかちゃんのパジャマの前のボタンを外す。
「こらこら」
幼い僕にも拒絶ではないとわかる優しい抗議。
かまわずボタンを外し、胸を肌蹴る。
「あぁ・・・」
このとき初めて、みかちゃんは切なそうな声を漏らした。
小さな乳房全体を手のひらで包む。
決して乱暴に掴んだり、揉んだりはしない。
手のひらの中心にコロコロとした感触。
(乳首・・・さっきまではこんなに硬くなかったのに・・・)
「ハァ・・・」
みかちゃんの息遣いが変わってきた。
手のひらで乳首を転がすように撫でる。
指先で軽く摘む。
「あン・・・」
唇に挟み、舌の先で先端を押してみる。
そして小さな胸に顔を埋める。
エッチな気持ちとお母さんに甘えているような気持ちとが半々に混ざり合って・・・。
みかちゃんが僕の頭を優しく撫でてくれる。
僕は、みかちゃんに頭を抱かれたままで朝まで眠った。
幼い僕とみかちゃんの関係はそれ以上進展することはなく、長いはずの夏休みは、あっと言う間に終わってしまった。