どうしよう・・・。
ショーツのクロッチがぐちょぐちょに濡れてしまいました。
会社に着いて、生理用品を当ててしのいでいるのですが、お昼休みに新しい替えのショーツを買って穿き替えようと思います。
今朝だったんです。
リモコンローターを着けた外出です。
朝、化粧をしていた私の後ろに来た彼が鏡越しに、
「さら、今日してみよっか?」って何気なく言ったのです。
「えっ?なにが」って無邪気に聞く私に、
「これ。今朝してみようよ」って、手に提げた紫色の透明のリモコンバイブを私に見せるのです。
「本当にぃ?」って、相当不安な私はちょっと尻込みするように聞いてしまいました。
「うん。ひと駅だけ。乗り換えの駅で外そうよ」って彼が言います。
私は、今日が金曜のせいか気持ちが明るくって、それでつい、
「ぅん・・・。分かった」ってOKしてしまったのでした。
化粧を済ませて寝室に入りました。
全裸になって、いつもだと前夜に考えた下着を着けていくのですが、今日はローターを着けることになったので、生理ショーツではないのですがそのときによく穿く、少しぴたっとしたピンクのショーツを選びました。
私がそれに肢を通し、膝上まで上げてから、彼がシリコンのローターを私の局部にあてがいました。
そしてショーツをいつもより少ししっかりと上げ、ローターがずれたりダブつかないようにと、クロッチの部分を確認しました。
それからパンストを穿くと、思ったよりしっかりと股間に固定されたみたいですが、でもこのまま駅まで歩くと、スイッチを入れてなくてもどうなるのかしら、って思ってしまいました。
スカートは黒のフレアを選びました。
上は黒の半袖のカットソーです。
乾電池が入っている受信部には紐がついているのですが、仕方ないからそれは腰に巻いて、受信部をフレアスカートの中にぶら下げて隠すことにしました。
外から見ても、誰も「そんなもの」を装着しているようには見えませんでした。
私は既に、服の下に淫らな秘密を隠しているのです。
そんなことを思うだけで、私の中心が奥から潤んでくるような気がしました。
マンションを出て駅まで歩きました。
「大丈夫?ずれない?歩き辛くない?」って彼が顔を覗き込んで私に聞きます。
「思ったより大丈夫みたい」って答える私に、
「愛してるよ」って言って、歩きながらキスしてくれました。
駅に着きました。
電車が来てふたりで乗り込みます。
乗り換えの次の駅まで5分もないのですが、次第にドキドキしてきました。
新聞が読めるくらいの、いつも通りの混み方です。というか、私たちが利用するこの時間帯のこの路線はそんなには混んでいないのです。
乗り換えの前で座れるときもあるぐらいなんです。
次の駅で開くドアの前に二人並んでたちました。
そして、彼が目で合図して、リモコンのスイッチを入れました。
周波数はミニマムなのに、急に始まった振動に、私は「びくんっ」って身体を震わせて反応してしまいました。
バッグを持った左手と、彼の左腕に回した右手に力がこもります。
顎を引いて耐えていましたが、少し顔を上げて彼の方を見上げました。
「さら。可愛いよ」って彼が耳元で囁きます。
「愛してるの。嫌いにならないぃ?」って小声で呟きました。
「僕のことも嫌いにならないで。愛してるよ」って答えてくれました。
ドアの方に向いて、そして右手を彼の左手に絡め、ぎゅって握りました。
もう、手のひらがじっとりと汗ばんでいます。
「さら、少し強くするよ」って言って周波数を上げました。
「んふぅっ・・・」っていう溜息が出てきます。
身体の中心に伝わる振動が、音を立ててるような気がしてきます。
ドアの窓に額を押し付けてしまいました。
「どう?さら・・・」って彼が聞きます。
答えられずに、ただイヤイヤをするように首を振ってしまいました。
脚を開いたらいいのか、ぎゅっと閉じたらいいのか分からなくて、周りに分からないように小さく開いたり閉じたりするのですが、そのうち膝に力が入らなくなってきます。
「さら。一番強くするよ」って彼が言います。
「っぅぅ・・・。だ、だっめっぇ・・・」って私が言ってる間にローターの振動が最大になり、
「ぅぁはぁぁ・・・」って、口を空けたまま息を吐くように呻いてしまいました。
膝が抜けて座り込んでしまいそうになる私を、いつの間にか、彼が腰に手をまわして支えています。
腿の付け根を少し開き、でも膝を思い切り合わせるような不自然な状態で立っています。
股間をもじもじさせると、私の中心がぐちょぐちょと中で音を立ててるような気がします。
脹脛に力が入って、踵が浮いたり降りたりするようです。
彼が振動を一段階抑えました。
一瞬安堵するような気持ちになりましたが、中くらいの振動でも、ショーツとパンストで押さえられたローターからはダイレクトに私の入り口周辺に伝わってきます。
それに、大勢のひとが乗っている電車の中なんです。
さっきからの、自分のもじもじとしたり、額をドアに押し付けて彼に抱えられている変な姿が、近くの男性たちに変に見えていないかどうかが心配になります。
電車の速度が少し緩くなって、次の駅のアナウンスがありました。
顔を起こして、ぼぉーっとしながら駅に近づく外の風景を確かめました。
すると、彼がまた、
リモコンのスイッチをマキシマムにしました。
「ぁはぅっ」って一度声が出てしまい、駅に滑り込もうと揺れながら速度を落とす電車の中で、
「ぅっくぅうぅぅ・・・」って低く唸り、朦朧としながら息を吐き出していきました。
お部屋だったら、大きな甲高い声で喘いでしまうのを、一生懸命声を殺しながら・・・。
一瞬、自我が飛んでいってしまった感じがして、「堕落」っていう言葉が頭をよぎりました。
電車が停車し、他の乗客が降りていくのをよそに、私と彼は出口の脇で固まっていました。
そして、彼はリモコンのスイッチをオフにし、気分が悪くなった人を抱きかかえるようにして、私を車外に連れ出しました。
「大丈夫?」って彼が私の顔を覗きこみます。
本当に心配しているようでした。
私は返事が出来ないで、でも下を向いたまま2度ほど小さく頷きました。
イってしまったのか、そうでないのか、実はよく分からなかったのですが、その後の少し気怠いような気分を思えば、きっとイってしまったのだろうと思います。
その駅のトイレでローターを外しました。
ショーツのクロッチの端の部分がすごく濡れていました。
真ん中はローターがあてがわれていたので、その周りからびしょびしょに濡れていったみたいです。
予備のハンカチにローターを包んで彼に渡しました。
少し休んでから、乗り換えの電車に乗り継ぎ、ひと駅目で彼が降りて行きました。
彼が降りる駅までの5分ほどの間、私は彼の身体に両手を回してしがみついていました。
彼が左手を私の背中に置き、しっかりと私を抱き寄せてくれていました。
そして時々、「愛してるよ」って耳元で囁いてくれました。
私が降車駅で降りるころ、彼がメールをくれました。
「愛してるよ。ありがとう。ごめんね」って書いてありました。
謝る必要なんてないのに・・・。
彼のビジネスバッグには、今朝私が着けていたローターが入っています。
私のショーツは、後から溢れ出てきた液体でクロッチの真ん中の部分もいっぱい濡れてしまいました。