妻の里央とは、職場結婚だった。美人と言うよりは可愛らしい顔で、驚くと、大きな瞳が落っこちてしまいそうなほど見開かれる、表情がとても豊かな女の子で、人を疑うということがなく、騙されてひどい目にあうんじゃないかと心配するほど純粋な子だった。
そんな里央に上司と部下という形で接しているうちに、いつの間にか一緒にいるのが当たり前になり、交際をするようになり、結婚に至った。
社内でも、彼女はかなり人気のある女の子だったので、結婚すると報告したあとは、男性社員達の風当たりが冷たくなったりもしたが、逆に女子社員達からは歓迎された。たぶん、男性社員達の競争率が下がったからだと思う。
里央は26歳で、今は会社も辞めて専業主婦をしている。身長160cmで、スリムな体型だ。無駄な肉はついていないが、そのかわり胸も小さい。でも、Cカップのその胸は、形は凄く良いと思う。なによりも、いつもニコニコとしていて、一緒にいるだけで癒やされるのを感じる。
私は32歳で、中肉中背の特徴のない男だと思う。ただ、今年課長になることが出来たので、仕事の面ではそれなりに出来る方なのかな? と、自負している。
私達は、年の差はあるが仲良くやっている方だと思う。
『おはよっ! コウちゃん、遅刻しちゃうよ!』
里央が、慌てた感じで私を起こしてくる。でも、今日は土曜日で会社は休みだ。それを指摘すると、
『ホントだ! 一日ワープしちゃった。なんか、得した感じだね〜』
と、意味不明なことを言って笑っている。少し天然なところがある里央だが、照れ隠しも入っているのだと思う。
「じゃあ、せっかく早起きしたから、今日は出かけようか?」
と、私が提案すると、
『ホントに!? 嬉しいっ!』
と、大きな目を、より大きくクリクリさせて抱きついてくる。私は、1週間の疲れが溶けていくのを感じていた。
「じゃあ、朝ご飯も外でしよっか」
『うん! 朝マックが良い!』
と、可愛らしいことを言う里央。本当に、贅沢をしない慎ましい妻だと思う。
そして、シャワーを浴びたりヒゲを剃ったりして準備をする私。里央は、胸に届くくらいの少しだけ栗色の入った髪をとかし、サッとメイクをして準備を終えた。肌の張りや艶が良い里央は、ノーメイクに近い感じでも充分通用すると思う。普通は、出かけるときは女性の方が時間がかかると思うが、我が家では私の方が待たせてしまうことが多い。
「お待たせ、ごめんね」
『うぅん。ヒゲ剃ってるコウちゃん見るの、ドキドキして好きだよ♡』
里央はそう言って、私に抱きついてきた。そして、目を閉じて少しあごを上げる。里央は、よくこうやってキスを待つ顔をする。本当に可愛らしくて、つい見とれてしまう。別に、キスを焦らすつもりなんてないのに、見とれてなかなかキスをしないでいると、
『ん〜〜っ!』
と、ジタバタしながら唇をタコみたいにする里央。私は、思わず笑ってしまいそうになりながら、その唇に唇を重ねる。
『もう! キスしてくれないのかと思っちゃったじゃん!』
と、頬を膨らませながら言う里央。スネた顔も、可愛いなと思ってしまう。
そして、二人で出かけた。里央は、いつもみたいに手を繋いでくる。指と指を絡める、恋人つなぎというヤツだ。里央は、寂しがりでやたらとボディータッチをしてくるクセがあるが、私はそれを本当に嬉しいと思っている。
近所のマックに行き、朝マックを食べながら今日の予定を決めていく。里央は、大きな口を開けてマフィンにかぶりついている。本当に美味しそうに食べる里央。こんなもので喜んでくれる彼女を見て、私は逆にもっと頑張ろうと思った。彼女に贅沢をさせたいとか、そんな気持ちはそれほどないが、お金で苦労はさせたくないと常々思っている。今のところ、それは順調に行っていると思う。
『ねぇ、今日は図書館に行きたいなぁ』
と、里央が言う。
「え? いいの? そんなので。映画とか遊園地とか、なんでもいいよ。せっかく早く起きたんだし」
『コウちゃんと、一緒に本が読みたいな』
里央は愛情のこもったような顔でそう言ってくれた。そして、その日は図書館で本を読み、公園を散歩しておそば屋さんで少し遅めの昼食を摂ったりして過ごした。
学生みたいな、お金のかからないデートだけど、私は凄く幸せだった。そして夕方、家に帰ろうとすると、里央が恥ずかしそうにモジモジしながら、
『……ル行きたいな……』
と、小さな声で言った。小さすぎて、なんと言っているのかわからず、
「え? どこに?」
と聞き返すと、里央は耳まで真っ赤にして私に耳打ちをした。
『ホテル行きたい』
私は、顔を真っ赤にして恥ずかしがる里央を、その場で抱きしめたくなってしまったが、なんとか我慢した。そして、たまに行くラブホテルに向かった。里央は、家でのエッチは声が気になってしまうそうだ。なので、たまにラブホテルで、そういうことを気にせずに愛し合いたいという事らしい。
里央らしいなと思うし、私も気分が変わるので凄く楽しい。なによりも、いつもは声を我慢する里央が、いっぱい声を出してくれるのが嬉しい。私は、すでにペニスが固くなるのを感じながら、ごまかしごまかしホテルに向かった。
10分ほど歩いてホテルに着き、中に入るとパネルで部屋を選び始める。里央は、私のシャツの裾を掴んだまま、うつむいているだけだ。画に描いたような、ラブホテルのフロントで恥ずかしがる女の子の姿だ。
そして、私の独断で決めた部屋に向かう。エレベーターに乗ると、やっと顔を上げてくれた。
『どんなお部屋? 楽しみ!』
と、目をクリクリさせて言う里央。私は、部屋のことよりも、里央とのエッチの方が楽しみだったが、適当に話を合わせてうなずいた。
部屋は、おしゃれな感じの部屋だった。デザイナーマンションのショールームのような、ベージュっぽい色のフローリングに、濃い茶色の家具。照明も、タリアセンっぽい感じのタワー型のものがあったりして、ドラマなんかに出てきそうな感じの部屋だった。
『おしゃれな部屋だね! ウチも、こんな風にしちゃう?』
部屋を見回しながら、里央が言う。本当に無邪気で、子供みたいだなと思う。
私は、とりあえずソファに座って部屋の探検を続ける里央を見つめていた。しばらくすると、満足したのか里央は私の横に座った。そして、私にもたれかかってくる。私は、そっとキスをした。唇を押しつけ抱きしめると、里央もギュッと抱きついてくれる。私は、そのまま舌を里央の口の中に滑り込ませていった。
すると、家でするときとは違い、里央の舌が積極的に絡みついてくる。私は、夢中で舌を絡めてる。里央の息遣いもどんどん荒くなり、私を抱きしめる腕にも力がこもっていく。
しばらく濃厚なキスを続けた後、
『ベッドに行こ!』
と言って、元気よく立ち上がる里央。私の腕を引っ張り、ベッドに急ぐ。そして、私ともつれるようにベッドに倒れ込むと、ベッドのヘッドボード上のスイッチを操作して、真っ暗にした。
『見えてる? 見えない?』
里央が無邪気に聞いてくる。私は、操作盤のわずかな光で、かろうじて里央の輪郭がわかる程度だったので、
「なにも見えないよ」
と、答えた。すると、里央が私の股間を握ってきて、
『ふふ。もう大っきくなってるね』
と、照れ笑いをしているときのような声で言う。私が、とりあえず”ゴメン”と言うと、
『いいよ! 今日は私からするね』
と、恥ずかしそうに言った後、手探りで私のズボンを脱がせてきた。多少、目が暗闇に慣れてきたこともあってか、私はあっさりとズボンとパンツを膝まで下ろされた。そして、里央の小さくて妙に熱い手が、私のものを握ってきた。
『すごく固くなってるね……』
里央はそう言うと、私の固くなったものををしごき始めてくれた。細くて小さな指が、遠慮がちに上下に動き始めると、一気に快感が駆け抜けていく。
「里央、気持ち良いよ」
私がそう言うと、
『ふふ。もっと固くなってきた♡ それに、お汁もいっぱい出てるよ』
里央はイタズラっぽく言いながら、私のあれからにじみ出た先走りを亀頭に塗り広げるようにする。
ローション的な滑りを得て、より快感が大きくなる。私は、うっすらと輪郭が見えている里央の胸を揉み始めた。服の上からでも、すでに固くなっている乳首がわかり、里央も興奮しているのが伝わってくる。
恥ずかしがりの里央だが、暗くすると思いのほか大胆になる。私に胸を揉まれながら、フェラチオを始めてくれた。
小さな舌が、私の亀頭に巻き付くように絡みついてくる。清楚なイメージしかない里央だが、フェラチオは結構上手だと思う。私もそれほど女性経験が豊富なわけではないが、その中では一番上手だと思う。
里央の過去の男性経験は聞いたことがないが、色々と想像して嫉妬してしまう。
私は、いつものように里央の上手なフェラチオに、過去の男達を想像して嫉妬していると、
『服脱ぐね……』
と、里央が恥ずかしそうに言ってきた。そして、一旦フェラチオをやめて服を脱ぎ始めた里央。私も、慌てて服を脱いだ。輪郭しかわからないような暗い中でも、服を脱いでいる姿を見ると興奮する。シルエットで胸の形が見えると、思わず見入ってしまう。
『コウちゃん、遅い〜』
里央はそう言うと、まだ服を脱いでいる途中の私に抱きついてくる。
『ほらほら、脱がせちゃうぞ〜』
無邪気に笑いながら、私の服をはぎ取っていく里央。暗闇でも、里央が本当に楽しそうに笑っているのが見えるようだった。
『コウちゃん、もう入れて欲しいな……。だめ?』
里央は、照れた口調で言ってくる。本当に可愛いなと思いながらも、
「ダメだよ。まだ、僕が責めてないじゃん」
私はそう言って、里央を押し倒した。そして、そのまま乳首を舐め始めると、
『うぅあぁ♡ コウちゃん、気持ち良い……ねぇ、もう我慢できないよぉ』
里央は、可愛らしい声でおねだりをしてくる。本当に、焦れているような声だ。でも、私は少しだけイジメるつもりで胸を舐め続けた。
『ん、あぁっ、あっ♡ コウちゃん、もうダメぇ、欲しいっ! コウちゃん、もう入れて欲しいよぉ』
里央は少し泣きそうな感じで言う。私は、私自身も我慢できなくなってしまい、里央に覆いかぶさった。最近子作りを始めたので、コンドームをする事なく、そのまま挿入した。
『あぁぁっ♡ コウちゃんの入ってきたぁ、気持ちいい! 好きっ! キスしてっ』