『えぇっ!? なに言ってるの? そんなの無理に決まってるじゃん!』
莉乃が目をまん丸に開いて言う。本気でビックリしているみたいだ。
「ダメかな?」
僕は、ダメと承知で聞いた。
『なんで他の人とエッチしないといけないの? バカじゃない!?』
莉乃は、結構本気で怒っている感じだ。
「だって、なんでも良いって言ったから……」
『そ、それはそうだけど……。でも、アキ君はいいの? 私が浮気しても』
「いや、浮気じゃないよ。ただ、プロの男優さんとエッチして欲しいって言っただけだよ」
『ハァ? それ、100パー浮気じゃん』
「いや、ただスポーツ的にエッチするだけだから、浮気ではないと思うけど……」
『浮気です!!』
莉乃は激怒と言っても良い感じだ。
「ゴメン……」
謝る僕。でも、納得はしていない。莉乃が、僕が一部上場企業に内定が決まったお祝いに、なんでも好きなことしてあげると言ったのに、なんで怒られないといけないんだろうと思っていた。
確かに、他の男に……しかも、AV男優に抱かれて欲しいというのは、あまりにも常識外れなのかも知れない。僕も、それは良くわかっている。わかっているから、いままで言わずに胸に秘めていた。
僕は、いつからかもう忘れてしまったけど、莉乃が他の男に抱かれる姿を見たいと思うようになっていた。別に、莉乃に飽きたわけでもなんでもない。それどころか、絶対に結婚したいと思っているし、いつまでも仲良くしたいと思ってもいる。でも、僕以外とどんな風にセックスするのだろう? 見てみたい……という気持ちを、抑えきれずにいた。
莉乃は、僕と同じで大学4年だ。22歳で、就活中だ。身長150cm程度で、いまだに未成年に間違えられる。顔は、ロリっぽい体型に似合った、童顔で可愛らしい顔をしている。髪もショートカットなので、最近あまり見ない能年玲奈に似ている感じがする。でも、そんなロリ属性なのに、指原莉乃みたいなエロい身体をしている。
実際、エッチも好きな方だと思う。基本的に、僕が望むことはほとんど何でもしてくれる。ローターも、小ぶりなバイブも使ったことがあるし、外でエッチしたこともある。
そして、莉乃は処女だった。僕も童貞で、初めて同士で結ばれた。ただ、僕は女性と付き合うことすら初めてだったけど、莉乃はセックスはしてないにしろ、僕の前に1人交際していた男性がいた。だから、キスは経験済みだった。それが、僕の寝取られ性癖の発露に影響したのだと思う。
『私のこと、嫌いになっちゃったの? 飽きちゃった?』
怒りから、泣きそうな顔に変わって言う莉乃。僕は、そんな彼女を見て胸が痛んだ。やっぱり、言わない方が良かったかな? と今さら後悔した。
「好きだよ。メチャクチャ好きだよ。でも、莉乃のこと全部知りたいんだ。僕以外とどんなエッチをするのか、どうしても見てみたいんだ……」
『うぅ……。そんなの、わかんないよ。なんで? アキ君になら、何でもするのに……。どうして他の人と?』
莉乃はそう言うと、泣きながら部屋を出て行ってしまった。部屋に一人きりになり、僕は追いかけようかどうか迷っていたが、結局追いかけなかった。その代わり、lineで反省文を送ったが、既読にはなったが返事はなかった……。
次の日、大学で莉乃を見かけなかった。心配になり何度もlineを送ったり、電話をかけたりメールもした。でも、反応がなかった。心配になった僕は、大学を切り上げて莉乃の家に向かった。
一人暮らししている莉乃。オートロックはあるが、結構古めのワンルームだ。インターフォンを押しても返事がない。僕は、心配になって合い鍵を使ってオートロックを開けて中に入った。
そして、階段を駆け上がり3階に行く。莉乃の部屋の鍵を開け、ドアを開ける。すると、莉乃はいなかった。僕は、焦り始めていた。こんな事は今までで初めてだ。
いても立ってもいられず、莉乃の部屋を飛び出そうとした。すると、スマホの通知音が鳴った。慌てて見ると、メールが来ていた。lineではなくEメールだ。不思議に思ってメールを開くと、莉乃からだった。
”これでいいかな? 続きは動画で見せるね”
と、短い本文と、添付ファイルがあった。僕は一気に冷や汗が流れ出た。そして、添付ファイルを開くと、ペニスをくわえた莉乃が映っていた……。口を大きく開けて、僕じゃない誰かのペニスをくわえている莉乃……。思わず、スマホを落としてしまった。
慌てて拾って見ると、莉乃は服は着ている。でも、ペニスは本物みたいだ。角度的に、男が莉乃のスマホで撮影した感じだ。凄いショックを受けながら、慌てて莉乃に電話をする。止めなくては……。そんな気持ちだった。
あんなお願いをしたクセに、こんな写真を見て、一気に現実に引き戻された僕。泣きながら電話をかけ続けた。でも、電源が切れていて、そもそも繋がらない。
念願だった、他の男とのエッチ……でも、思っていたのとはまったく違い、後悔とショックしかない。
僕は、気が狂いそうになりながら、莉乃の部屋で待っていた。1時間、2時間……。おかしくなりそうだった。そして、3時間が過ぎた時、ドアが開いた。
『あれ? 来てたんだ……』
莉乃は、ちょっとビックリしていた。
「さ、さっきの写真、どういうこと!?」
僕は、かなり興奮しながら聞いたと思う。
『え? どういうって、お願い通りにしたんだよ』
莉乃は、少し冷たい顔で言う。
「そ、それは……。最後までしたの? セ、セックスしちゃったの?」
僕は、たぶん涙を流しながら聞いたのだと思う。
『ぷっ。なんで泣いてるの? 泣くくらいなら、言わなければ良いのに』
莉乃は笑いながら言う。
「ゴメン……。どっちなの? 口だけなの? しちゃったの?」
僕は、頭の中が真っ白だった。今、目の前にいる莉乃。いつも通りの可愛らしい姿だ。でも、少なくても他の男にフェラチオをしてきた……そう思うと、焦燥感で身を焼かれそうだった。
『変なの。自分でやらせといて、ショック受けてるんだ』
莉乃は少しいじめるような口調になってきた。
「……ゴメン」
謝るしか出来ない僕。すると、莉乃がスマホを渡してきた。
『動画見ても良いよ』
莉乃は、ちょっと頬を赤くしている。恥ずかしいのか、それとも興奮してるのかわからないが、上気したような顔になっている。
僕は、震える手でスマホを受け取り、動画を再生した。すると、さっきの写真の場面になる。口を開けてペニスをくわえる莉乃。さっきの写真は、動画から切り出したものだとわかった。
”本当に撮影するの? いいの?”
男の声がする。聞いたことのない声だ。すると、莉乃がペニスを口から出して、
『うん。ちゃんと撮ってね。彼氏に見せるから』
莉乃が真顔で言う。
「へぇ……色々な趣味があるんだねぇ。俺なら、彼女が他の男にフェラしてる動画なんか見せられたら、即死するよw」
男が、少しチャラい声で言う。
『でも、見たいって言うから仕方ないよ』
莉乃も不思議そうに言う。
「じゃあ、しっかり撮るから続けてみて」
『うん』
莉乃は素直に返事して、口を大きく開ける。そして、勃起したペニスをくわえた。スマホの小さな画面で見ているからか、やたらとペニスが大きく見えてしまう。
莉乃は、それを中程まで口の中に入れ、一生懸命にフェラチオしていく。
「上手だね。凄く気持ち良いよ」
男が言う。でも、撮影しながらなので、顔は見えない。声の感じからだと、若いけど学生っぽくはない感じだ。社会人? 30歳前後? そんなイメージだ。どこで知り合ったんだろう?
『でも、先輩の大きいから、歯が当たっちゃうね』
莉乃が申し訳なさそうに言う。
「いいよいいよ。莉乃にくわえてもらってるってだけで、メチャクチャ嬉しいから」
そんな会話を聞いて、僕は凄く動揺した。先輩? 大学のだろうか? 焦りが大きくなる。変な噂にならないだろうか?
そんな心配をしていると、横で一緒に画面を見ている莉乃が、
『高校の先輩だよ』
と、教えてくれた。まだ、大学の先輩じゃないだけマシかと思ったが、それでも知り合いとしてしまうなんて、恥ずかしがりの莉乃の行動とは思えない。
「まさか、莉乃とこんなことするなんてね。付き合ってる時は、キスしかしたことないのに」
『ゴメンね。こんなことお願いできる人、先輩しか思いつかなかったから』
「いいよ。ラッキーって思ったし」
『じゃあ、続けるね』
そう言って、フェラチオを再開した莉乃。丁寧にフェラチオをしていく。先輩というだけではなく、付き合っていた? 元カレと言うことなのだろうか?
莉乃は、スマホの中で一生懸命にフェラを続ける。僕にしてる時も、こんな風なのだろうか? 客観的に見たことがないのでよくわからない。
画面の中の莉乃は、舌でカリ首を舐めたり、頑張って奥の方までくわえたり、睾丸まで舐めたりする。そんなのは、してもらったことがない。
「あぁ、ヤバい。スゲぇ気持ち良いよ。メチャクチャ上手じゃん」
先輩は気持ちよさそうに声を出す。
『そんなことないよ。なんか、ビデオ撮ってると張り切っちゃうね』
照れくさそうに言いながら、フェラチオを続ける莉乃。
『どう? 私が他の人とエッチしてるの見て、興奮してる?』
横にいる莉乃が聞いてくる。僕は、泣きそうな顔で、
「しない……。やめればよかった。変なこと言わなければよかった……」
と、弱気な声を出した。
『でも、大きくなってるよ』
そう言って、僕のペニスをさする莉乃。ズボンの上からでも、思わず声が出てしまった。
「ち、違う、そんなんじゃない!」
慌てて言い訳する僕に、
『なにが違うの? いつもよりも固いくらいじゃん』
と、莉乃が言う。画面の中では、莉乃がフェラチオを続けているのに、僕のすぐ横でも莉乃がズボンの上から揉んでいる。僕は不思議な気持ちだった。そして、すぐ横に莉乃がいて、僕に触れていることでやっと少し落ち着きを取り戻せた。
確かに、僕は間違いなく勃起している。莉乃が言うように、ガチガチだ。でも、僕は興奮しているという自覚はない。それなのに、これまでに経験したことのないくらいの勃起をしている……。自分でも不思議だった。
『先輩の、大きいからやりづらかったよ……』
何の意図もなく、ボソッと言った感じの莉乃。でも、僕は過剰に反応してしまった。
「お、大きいから、入れたくなったのか!? 僕より大きいから、欲しくなったんだろ!?」
急に大声を出した僕に、キョトンとしている莉乃。草食な感じの僕が大声を上げたので、ビックリしたのだと思う。多分、莉乃に怒鳴ったのは初めてだ。
『どうしたの? アキ君らしくないよ。ゴメンね、もう止めるね』
そう言って、再生を停止しようとした莉乃。でも、僕は躊躇はしたものの、
「いや……。最後まで見たい」
と言った。
『そう言うと思った』
莉乃はイタズラっぽく笑う。まるで、小悪魔にでもなってしまったみたいだ。
僕は、莉乃のこんな一面を知らなかった。そして、ただただ戸惑っていた。
動画では、
「あぁ、気持ち良いよ。莉乃、出そうなんだけど」
『えっ!? 出ちゃう? どうしよう……』
莉乃は戸惑って言う。
「あぁ、ダメだって、止めたらダメだよ!」
イキそうなところで宙ぶらりんにされ、先輩が抗議する。その言葉に、慌てて莉乃が先輩のものをくわえた。そして、また頭を振るようにフェラチオを始めた。すると、すぐに先輩があえぎながら、
「で、出るっ! イクッ!」
とうめきながら身体をビクッと震わせた。
『んんっー!』
先輩に口の中に出されて、ビックリしたようにうめき声を上げる莉乃。目を見開いて、驚いた顔だ。
『もう! 出して良いなんて言ってないじゃん! ちょっと口でするだけって言ったのにぃ!』
莉乃が責めるように言う。
「ゴメンね! あんまりにも気持ち良いから、我慢でなかったよ!」
本当に申し訳なさそうな先輩の声。
「ティッシュ持ってくる!」
『いいよ……。飲んじゃったよ……。バカ』
莉乃は不満そうだ。
「マジで? ホント、ゴメンね」
『もう……。ビデオ止めて!』
「は、はい!」
ビビった先輩の声がした後、動画が終わった……。
僕は、莉乃が他の男の精液を飲んでしまったという事実に、頭が真っ白になっていた。ショックや怒りや嫉妬なんかを感じることもなく、脳の回路が焼き切れてしまったように、何も考えられない。
『どうだった?』
莉乃が、不安と好奇心が入り混じったような顔で聞いてくる。
「……これで終わりなの?」
僕は、なんとかそれだけ言った。最後まではしなかったのか、それが気になっていた。
『うん。これで終わりだよ。だって、口に出すんだもん。怒って帰ってきたんだよ』
莉乃がそんな説明をした。僕は、腰が抜けそうなほどホッとした。莉乃が先輩にフェラチオして口の中に出され、精液を飲んでしまったことはショックだけど、最後までは行かなかった……。
『アレ? 柔らかくなってきたね。終わりって聞いて、がっかりしちゃったの?』
莉乃が僕のものをズボン越しにさすりながら聞く。
「そんなわけないって! ねぇ、これって、どこでしたの?」
『ラブホテルだよ。先輩、結婚してたから、家には行けなかったんだ』
サラッと言う莉乃。他の男とラブホテルに行ったと言われて、僕は失神しそうな程ショックを受けた。でも、なんとか続けて話を聞いた。
「……他には何もしなかったの? 最後まではしてないんだよね?」
『そうだよ。でも、最後までするつもりだったんだけどね。アキ君との約束、やっぱり守らないとなぁって思ったから……。ゴメンね。最後まで出来なくて。口に出されてムカついたっていうのもあるんだけど、やっぱりアキ君以外とはしたくないよ……』
と、申し訳なさそうに言う莉乃。僕は、たまらなく愛おしくなり、莉乃を抱きしめた。そしてキスをすると、嬉しそうに舌を絡めてきてくれた。