「いや、これ以上は無理ですよ。もう、6か月以上滞納になってますから」
大家さんはいつもの温和な顔のまま、それでもきっぱりと言いました。私は、うつむいて”そうですか”と言うのがやっとでした。
私は、小さな工務店を経営しています。真面目にコツコツやって来て、口コミで仕事が広がり、それなりに上手くいっていました。支店も出せるかな? と思っていた矢先、新築マンションの内装工事に絡んで、3000万円ほど支払いがショートしてしまいました。
施主と元請けが揉めて裁判になり、その煽りで工事代金が回収出来ていないからです。回収出来なくても、下請けや従業員には支払いをしなければなりません。なんとかなると思って背伸びして取った工事で、こんなに追い詰められる事になるとは想像もしていませんでした。
「退去してもらう事になりますが、本当にもうアテはないの?」
60がらみの大家さんは、いつも親切でした。私の状況にも同情してくれて、家賃も待ってくれましたし、仕事もくれたり、お客さんも紹介してくれたりしました。それでも、限界は来てしまいました。
私は、万策尽き果てたと正直に話しました。
「……3000万円だったっけ?」
大家さんが、考え込んだような顔で聞いてきます。
「はい。もう、自己破産しかないと思います……。嫁とも離婚する事になると思います。大家さんには、なるべく迷惑がかからないようにするつもりです……」
私は、涙目で言いました。
「もしも、あなたに覚悟があれば出してあげても良い」
大家さんがそんな事を言いました。私は、一瞬意味がわからず、聞き返してしまいました。
大家さんは、3000万円を現金で出してくれるという事でした。条件としては、1年間、私の嫁が大家さんの世話をするという内容です。
・子供が幼稚園に行っている間。
・子供が寝付いた後。
・日曜日の朝から夕方まで。
この指定された時間を、嫁が大家さんの家で過ごすという内容です。
大家さんは、私の住んでいるマンションの最上階のフロアに住んでいます。最近奥様を亡くされ、一人暮らしをしているようです。お子さんは、二人とも東京に行ってそれぞれ家庭を持っているとの事でした。
私の嫁は、取り立てて美人というわけでもないですし、スタイルが良いというわけでもないです。ただ、20歳で私とできちゃった婚をしたので、まだ25歳と若さだけはあります。私は、お世話の意味に、当然下半身の世話も含まれているという事は理解しています。でも、自分で言うのもおかしいですが、嫁の身体に3000万円の価値があるのかと言われれば、疑問だなと思ってしまいます。
「急がなくていいから。気持ちが決まったら言って下さい」
大家さんはそう言うと、エレベーターに乗って行きました。私は、ロビーのソファに座り、大家さんの提案の事を考えていました。3000万円あれば、全て元通りになる。それに、元請けと施主の裁判さえ終われば、その時点で3000万円が元請けから回収出来るはず……。そう思うと、大家さんの提案は夢のような話です。でも、嫁を犠牲に出来るかと聞かれると、決断が尽きません。
私は、重い足取りで部屋に戻りました。
『どうだった? 大家さん、カンカンだった?』
嫁は、ニコニコと笑顔で言ってきます。こんな状況になっても、嫁は一度も文句を言った事がありませんし、私を責めるような事もないです。そして、いつも笑顔で私に接してくれます。
私は、怒ってはいないけど、さすがにもう厳しいと言われたと言いました。
『そうだよね〜。私、店長にパートの時間増やして下さいってお願いするね』
笑顔で言う嫁。私は、泣きながら謝りました。
『別に、元に戻るだけでしょ? いいじゃん。ワンルームに3人で暮らすのも、すっごく楽しいよ。掃除も楽だしね』
そんな事を言ってくれる彼女に、私は号泣してしまいました。
『私の実家がお金持ちだったら良かったんだけど……。ごめんね』
そんな事まで言ってくれる嫁に、私は大家さんの提案を話しました。
『えっ? そんな事でいいの? すぐOKって言わないと!』
嫁は、少しの躊躇もなく言いました。私は、世話の意味を説明しました。
『うん。わかってるよ。でも、大家さん優しそうじゃん。変な事はされないって』
嫁は、あっけらかんと言います。
「奈央ちゃんは、イヤじゃないの?」
『イヤに決まってるでしょ! パパ以外に触られるなんて、キモいに決まってるじゃん。でも、直也のためにも我慢する』
嫁は、息子の事を言いました。確かに、息子には辛い思いはさせたくありません。私は、嫁を抱きしめて何度も謝りました。
そして、夜になり、息子が寝付いた後、二人で大家さんの部屋を訪ねました。
「よく決心してくれたね。じゃあ、これ」
そう言って、取っ手のついた紙袋を渡してくる大家さん。中には、帯封のついた札束がたくさん入っていて、ラップでくるまれたような状態になっていました。
『わっ、すっご〜いっ!』
嫁は、場違いに明るい声で言います。私は、何度も頭を下げながらそれを受け取りました。
「じゃあ、これにサインしてもらえるかな?」
大家さんは、優しい顔で書類を見せてきます。それは、合意書と書かれた契約書のようなものでした。さっき聞かされた条件が記載されていて、今日から1年後までが期間でした。
私は、それにサインをして、印鑑は持って来ていなかったので、拇印を押しました。
「家賃の滞納分はサービスしてあげるから」
そんな事まで言ってくれる大家さんに、私は感謝の言葉しかありませんでした。そして、嫁と部屋に戻ろうとすると、
「奥さんは帰っちゃダメでしょ。ちゃんとお世話をしてくれないとね」
大家さんは、優しい笑みを浮かべて言いました。もしかして、本当にお世話だけなのかな? セックスはなしなのかな? と思うような、優しい笑みでした。
『そっか。パパ、じゃあね!』
嫁は、明るく言って大家さんの部屋に残りました。私は、大家さんの部屋を出て、胸が引き裂かれそうな気持ちのまま部屋に戻りました。でも、資金繰りで切羽詰まっていた私は、すぐにお金を手に取って数えていました。ちゃんと3000万円入っていて、私は助かったと安堵の吐息を漏らしました。
まだ比較的早い時間だったので、迷惑をかけている下請けや社員に連絡をし、一息ついてビールを飲み始めました。ビールを飲むのは、本当に久しぶりです。久しぶりだったせいか、一気に酔ってしまいました。
お金の問題がなんとかなると、私の頭は嫁の事でいっぱいになりました。今頃、どんなお世話をしているのだろう? なにをさせられているのだろう? そんな心配で、涙があふれそうでした。
そして、日付が変わる直前、嫁は帰ってきました。
『ただいま〜。起きてたの?』
嫁は笑顔です。嫌な事はされなかったのかな? と、少し安心しましたが、何があったかすぐに聞きました。
『え? 掃除したり、洗濯したよ〜。明日の朝ご飯も作っといた。大家さん、奥さん死んじゃってからレトルトばっかりなんだって』
そんな説明をする嫁。私は、それだけ? と、思わず聞いてしまいました。
『うん。あとは背中流してあげたくらいかな?』
嫁は、最後にとんでもない事を言ってきました。
「えっ? お風呂一緒に入ったの!?」
一気に酔いが醒めた私。嫁は、
『うん。私は服着たままだけどね。濡れちゃったよ。今度から、水着かなんか持ってかないとね』
と、言いました。確かに、彼女の服はそこかしこが濡れています。
「そ、そうなんだ。洗っただけ?」
『うん。あっ、そうだ、大家さん、見かけによらないんだよ』
「なにが?」
『あのね、おちんちんに真珠入れてるの。ビックリしちゃった。ボコボコで、病気かと思っちゃった』
そんな事を明るく報告する嫁。その様子から、洗う以上の事はしていないのだと思う。でも、大家さんのおちんちんを洗ったのは間違いないという事だ……。
「ごめんね。嫌な思いさせて……」
『嫌な思い? してないよ。大家さん、あんなおちんちんなのに顔真っ赤にして照れてるし、大丈夫だよ』
そんな事を言ってくれた嫁を抱きしめ、私はキスをしました。
そして、次の日、本当に全てが丸く収まりました。裁判をするとまで言っていた下請けも、お金を渡すと満面の笑みでした。
そして、仕事を片付けて帰宅すると、
『おかえり〜。お疲れ様。どうだった? みんな、許してくれた?』
と、嫁が満面の笑みで言ってきます。私は、上機嫌で話をしました。でも、すぐにハッと気がつきました。
「今日も、お世話してたの?」
『え? うん。してたよ。お昼ご飯作ったり、お買い物付き合ったりしたよ〜』
嫁は、楽しそうに言います。私は、お金の心配がなくなったからですが、今さら後悔をしていました。今はまだ何もなくても、この先どうなるのか? 1年という期間は、あまりにも長いです。
そして、3人で楽しく夕食を食べました。久しぶりに、心から笑えた気がします。でも、息子が寝付くと、
『じゃあ、ちょっと行ってくるね〜。今日は水着持ってくね』
と言って、嫁が大家さんの部屋に行こうとします。私が、どの水着? と聞くと、袋から出して見せてきました。それは、ビキニの可愛らしい水着でした。でも、彼女が持っている水着の中では、一番布の面積が大きいヤツでした。少しホッとしながらも、それでも心がざわつきます。
そして、また日付が変わる前に嫁は帰ってきました。
『ただいま〜。起きてたの? 寝てて良いのに』
嫁は、笑顔です。そして、脱衣場に行って着替えてくると、ベッドに潜り込んできました。私は、どうしてだかわかりませんが、無性に彼女の事が欲しくなってしまいました。そして、抱きしめてキスをし、パジャマを脱がせようとしました。すると、
『……ごめんね。エッチはダメなの……。1年、しちゃダメって……』
嫁は、申し訳なさそうに言います。私は、ビックリして理由を聞きました。大家さんは、1年は私の妻なので、浮気はダメだと言ったそうです。でも、キスとか手でするのは許してくれたとの事です。その言葉に、大家さんの本性が現われているようで怖くなってしまいました。
私は、そんなの聞いていない! と、嫁に言いました。でも、
『しかたないよ。3000万だよ? それくらい我慢しないと……。私だって、我慢してるんだから』
と、嫁に言われ、私は恥ずかしくなってしまいました。
すると、
『手はOKなんだよ。してあげるね』
と言って、私のペニスをしごき始めてくれました。嫁は、ぎこちないながらも手でしごき始めてくれました。元ヤンだった割に、私とセックスをするまで処女だった嫁。すぐに妊娠してしまったので、セックスを楽しんだり磨いたりするタイミングがありませんでした。
下手くそとまでは言いませんが、巧みとは言えないテクニックです。でも、一生懸命にしごいてくれる嫁が、可愛いなと思います。同時に、こんなことまでしてくれる嫁に、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
そして、そんな生活が続きました。私もそんな生活に慣れてしまい、2か月も経つと、夜は嫁が帰ってくる前に寝てしまうようになりました。そしてさらに月日は流れ、6か月ほどが経過しました。そんなある日、夕食後に毛抜きを取ろうと脱衣場のドアを開けると、上はブラジャーで、下は裸の嫁がいました。
『キャッ!』
慌てて下半身を隠す嫁。私は、ごめんと言って慌ててドアを閉めました。でも、嫁のアソコには毛がなく、ブラは見た事がないような、セクシーなものを身につけていました……。私は、足が震え始めていました。
しばらくして嫁が出てくると、いつもの普段着です。とくに、おかしなところはありません。
『パパ、エッチ』
ニコニコしながら言う嫁。私は、ごめんねと言いました。そして彼女は、
『行ってくるね〜』
と言って、大家さんの部屋に向かいました。さっきのブラジャーとヘアの事も気になりますが、いつの間にか嫁は手ブラで大家さんの部屋に行くようになっていました。水着は? 私の頭の中は、疑問符だらけでした。なにをされているのだろう? 私は、いても立ってもいられないような気持ちでした。