この話は続きです。はじめから読まれる方は「美優夫人の飼い犬」へ
地下室で拘束される日々から解放されたのは,2日後の事だった。
シャワーを浴びせられ元々薄い髭を剃るが精神に異常をきたしていたのか喜びを感じる事なく,全てがどうでも良い気持ちになっていた。
女の待ち受ける部屋に連れられて行くと,邪悪な笑みを浮かべて女が脚を開いた。
全てがどうでも良かった。
未来などないこの場所では‥
「良いわよ。そのやつれた顔がとっても良いわ。いらっしゃい。」
女が手招きするのに吸い寄せられるとソファーの隣に座らされた。
「美味しそう‥」
顔が近づき,肉厚な舌が顔を舐める。
硬直したままのペニスに指を絡めると
「たくさんミルク絞れそうね。先走りの汁がこんなに溢れちゃって。どう?気持ち良い?」
溢れ出た汁を亀頭に塗りつけて女の指が這い回る‥
「はい‥」
「良いわよ。とっても可愛いわ。もう逆らっちゃダメよ。わかる?」
「はい。」
上辺だけだが,久しぶりに聞いた優しい言葉に涙さえ出てきてしまっていたー
「あ~ん‥どうしたの?泣いたりして。」
女に抱きすくめられているうちに涙が止まらなくなっていた。
「永井!」
「はい。」
「僕ちゃんを,私の部屋に連れて行ってあげて。それと何か美味しい物を用意してあげなさい。」
「はい。」
大男に肩を抱えられてエレベーターに乗せられた。
途中からコンクリート剥き出しの景色がガラスの向こうに東京タワーが写り,初めて都内のどこかなのだと知った。
蟻の様に動き回る地上の人々を見て,絶望をかんじていた中に一筋の希望を見た気がした。
「奥さまの気まぐれにも‥せいぜい気に入られるんだな。お前さんのためだ。チャンスだぞ。」
着いた先の重厚なドアを開き,男が言った。
「何が良い?寿司か?肉か?」
「あたたかい何かを‥」
頷くと男が出て行った。
贅沢な造りの部屋だった。
ガラス張りのシャワー室に欧風な城にある様な房掛けの着いたペット‥
ガラス越しに見る景気の中につい先日までいた自分の世界があった。
「どう?僕ちゃん‥だいぶ落ち着いたかしら?」
ドアを開き入ってきた女は先ほどまでの膝上までのブーツを脱ぎ,真っ赤なスーツに身を包んだテレビで見る姿になっていた。
「これから,収録があって出掛けないといけないのよ。残念だけど私が帰るまで良い子にしてるのよ。でもオナニーなんかしたら絶対だめよ。おちんちん切っちゃうからね。」