小学六年生の夏休み、郷土の歴史を調べ班毎にまとめて発表するという宿題が出た。
自分のいた班は5人で、男子2人に女子が3人。
夏休みに入って最初の日、10時に学校に集合し自転車で図書館に向かった。
夏休みということで図書館内は混んでいて、一人がけの席はもちろん、6〜8人がけの席も全て埋まっている状態。
本当なら冷房の効いた図書館でしたかったけれど、仕方がないので資料の本を借りて、両親が共働きで日中は誰もいない私の家ですることになった。
男女に分かれて資料を探し始め5分もした頃、もう一人の男子の晃司が誰もいない書棚の列から「ちょっと、ちょっと」と手招きした。
晃司のもとに行ってみると、そこは性教育に関する本の書棚だった。
そこは図書館の奥まった場所にあり、人気がなく死角になっている場所でもあった。
「学校の図書室にも性教育の本はあったけれど、人目が恥ずかしく手を伸ばしたことはなかった。けれどここなら…」ということで私達は本を手に取り読み始めた。
そこには学校で配られた保健体育の教科書には載っていない、女の子の性器が図解で載っていて「大陰唇・小陰唇・膣口・クリトリス」などと矢印入りで詳しく説明されていた。
私も晃司も一人っ子で、女の子の性器など見たことがなかったので、絵とは言え詳しく描かれた女の子の性器にすっかり興奮してしまった。
もっと見ていたかったけれど、集合時間が迫っていたのでそれぞれ2・3冊ずつ背負っていたリュックに忍ばせて、急いで資料を探しカウンターで貸し出し手続きをした。
悪い事と分かりつつも、性教育の本の貸し出し手続きをするのは恥ずかしく、結局黙って借りてしまった。
そして女子達と合流し私の家へ向かった。
つづく
「班学習2」へ